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ソラシドエア+バンタンの産学協同プロジェクト、公認キャラクター最終審査会で「ソラシドリ」が誕生
学生考案のキャラクターで九州観光活性化につなげる
2017年12月24日 08:00
- 2017年12月18日 開催
ソラシドエアと人材育成スクール運営事業を行なっているバンタンは、ソラシドエア公認キャラクターデザインと九州の観光需要促進につながるサービス企画を提案する「産学協同プロジェクト」を2017年10月から行なっていた。その最終審査会が12月18日、都内のバンタンデザイン研究所 恵比寿本校にて行なわれ、最優秀作品が決定した。
この取り組みは今回が初めてで、バンタンが運営するクリエイティブ分野のバンタンデザイン研究所、バンタンゲームアカデミー、レコールバンタン、ヴィーナスアカデミーの4スクールの学生が東京校と大阪校合わせ学生約600名が参加する大規模なもの。ここまで、10月2日に全54チームにてプロジェクトを開始。11月23日~30日に一次審査の学内選抜審査会にて企画プレゼンテーションが行なわれ、8チームの選抜出場チームがこの日の最終審査に望んだ。
10名の審査員は、プロデューサー・コンセプターでアパレルブランドのプロデュースやイベントのディレクション、マーケティングなどで活躍する外所一石(たどころいっせき)氏を筆頭に、バンタンから代表取締役社長 石川広己氏が、ソラシドエアからは、代表取締役社長 髙橋宏輔氏と取締役 西尾敏氏をはじめとした8名が並んだ。この最終審査以外にもこれまでに、一次審査会審査員には、ゲームグラフィックデザイナー片岡美紀氏、アートディレクター濱田順教氏、ゲームのプランニングプロデューサー日比野克彦氏、フードコンサルタント兼料理人の宮崎政喜氏が名を連ねている。
最終審査では、各チームが10名の審査員の前で5~10分のプレゼンテーションを行ない、審査員から質疑や感想などをもらうという形式で進められた。採点項目として「CREATIVE(キャラクターのデザインクオリティ)」「BUSINESS(実現性を含め全体のクオリティ)」「COMMUNICATION(波及効果。持続的な効果と可能性など)」を10点満点で評価する。
8チームの選抜出場チームは、プレゼンテーション順で以下のとおり。
・T-001 ソラシドッグ(東京校)
・T-023 ピスタとチオ(東京校)
・T-041 ソラニャン(東京校)
・O-004 ソラシドリ(大阪校)
・T-029 ソラちゃんとシドくん(東京校)
・T-008 たねひこ(東京校)
・O-011 ソラシロちゃん(大阪校)
・T-003 ソラシバ(東京校)
ひととおりチームのプレゼンテーションが終わると、審査員は別室で審査に入った。その点数により、T-003チーム「ソラシバ」、O-011チーム「ソラシロちゃん」、T-008チーム「たねひこ」、O-004チーム「ソラシドリ」の上位4チームに絞られた。そのなかで、展開のしやすさなども考慮し再度議論を重ね、「ソラシドリ」と「ソラシバ」に絞っていき、最終的には全員の投票によって、O-004「ソラシドリ」が最優秀作品に決まった。審査は紛糾し、結果発表予定の時間もかなりオーバーしていた。急遽、僅差のT-003「ソラシバ」とT-008「たねひこ」に特別賞が贈られることが決定した。
また具体的な展開案では、選を逃した作品からも採用したい案が数多くあり、今後どのようにしていくか考えていきたいという意見も出ていた。
最後には表彰式が行なわれ、特別賞としてT-008チーム「たねひこ」とT-003チーム「ソラシバ」が、そして最優秀賞としてO-004チーム「ソラシドリ」が表彰された。特別賞には宮崎県から名産品詰め合わせセットが、最優秀賞にはソラシドエアから「九州の魅力体験ツアー」とモデルプレーンの豪華賞品が贈られ、生徒達は予想外の賞品に歓声を上げて驚いていた。
ソラシドエア 髙橋社長は、「全体の感想として、プレゼンを聞いていて複数の専門の方々がいるのがよく分かりました。特に絵本の完成度の高さには感動しました。新しい刺激をいただきました。女性や子供のお客さまが多いということを意識して、ターゲットとしたアイディアが多かったのかなと思います。最優秀賞のO-004チームは、何と言ってもやはり航空会社の顔は客室乗務員だというところをキッチリとらえてくれていたことと、キャラクターのデザインもかわいいこと、いろいろなアイディアが満載でプレゼンとして完成度が高かったと思います。実は「がんばるけん!くまモンGO(復興支援プロジェクトで2016年7月より運航)」という機体が飛んでいたりするので、間違えてくまモンがソラシドエアのキャラクターだと思っている人がいるかもしれません。自社のキャラクターがあると、より強化できると思いますので、ぜひ利用させていただければと思います。将来さまざまな分野で一緒にお仕事ができればと期待しています」と総評していた。
最優秀作品賞となったO-004チームのバンタンデザイン研究所 デザイン学部 デザイン本科 川田真梨子さんは、「実は最初ソラシドエアという航空会社を私自身あまりよく知らなかったのですが、調べていくにつれ、とても素晴らしい航空会社だということを知りました。どうしてこれまで知らなかったのかと、ソラシドリに乗せて皆さんにもっと知ってもらえるようになるといいなという思いが、4人で制作していくなかで湧き出てきました。今日は、その思いが伝わったのだと思っています。とてもうれしいです。ソラシドリをよろしくお願いいたします」と受賞のコメントをした。
最後には、バンタンの石川社長が学生に向け、「なによりも“実践力”がバンタンのコンセプトです。今回のプロジェクトでは、学部とか学科を乗り越えていろいろな意見が出たことと思います。それを一つにまとめて形にすることの大変さを、プロセスのなかで経験したのではないかと思います。このような成長の種をビジネスされているエアラインの方々からいただけたことは、これからプロの道を歩んで行くにあたって素晴らしい経験になったのではないかと思います。通常の広告代理店に依頼するキャラクターデザインと異なり、学生ならではおもしろいアイディアがたくさん出てきたというのが、素晴らしかったと思います。ビジネス展開の過程では、少し変化していくとは思いますが、今後の展開を楽しみにしています」と語り締めくくった。
バンタンでは、実践力を高めるため産学協同プロジェクトを豊富に実施しているとのことで、今回の最終プレゼンテーションは、リアルな企業相手のコンペだったこともあり、ズラッと並んだ10名の審査員の前で生徒達は一様に緊張していた様子だった。見てのとおり、生徒のプレゼンの完成度もなかなかのもの。ソラシドエア側も、多くの若者からの具体的な提案を受けるよい機会となっていたように見えた。今後の公認キャラクターの展開を楽しみにしていきたい。