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政府専用機のタイヤ交換を千歳基地航空祭で実演

「ホイール・ブレーキ交換車」の政府専用機カラーも登場

2017年7月23日 開催

航空自衛隊 千歳基地をホームベースとする政府専用機。千歳基地航空祭では、政府専用機のタイヤ交換をじっくり見ることができた

 7月23日に航空自衛隊 千歳基地(北海道千歳市平和)において開催された「千歳基地航空祭」では、開庁60周年の特別イベントとしてボーイング 747-400型機をベースとした“ジャンボ”の政府専用機の特別機外見学が行なわれた。

 この機外見学においては、特別に近くまでいける限定300名の機外見学のほか、政府専用機周囲に自由通路を設置。特定の時間に誰でも政府専用機のまわりを1周(時間があれば何周でも)歩くことができるようになっていた。自由通路では、政府専用機の各部を見ることができたほか、自由通路をオープンしている際にも航空自衛隊はタイヤ交換(ホイール交換)を実施。普段はなかなか見られない整備風景を見ることができた。

 政府専用機の整備は、ボーイング 747シリーズの運用実績の多いJAL(日本航空)へ委託しているが、普段のメンテナンスなどは航空自衛隊で行なっている。実際、このタイヤ交換についても航空自衛隊自身で実施、政府専用機カラーのホイール・ブレーキ交換車も登場した。

政府専用機カラーのホイール・ブレーキ交換車。後方に作業用クレーンを装備する

 タイヤ交換を行なったのは中央部にある左主脚に取り付けられている主輪で、左側後方のタイヤに対して実施。主脚後方をジャッキアップし、ホイールごと交換していた。装着されていたタイヤはブリヂストン製のもの。

 タイヤ交換の際に使用されていたのが「ホイール・ブレーキ交換車」。車両メーカーによってはタイヤ交換車という名称を用いている場合もあるが、ここではホイール・ブレーキ交換車として紹介する。航空自衛隊は多数の飛行機を運用するため各地にホイール・ブレーキ交換車を備えているが、政府専用機用には政府専用機カラーのホイール・ブレーキ交換車を用意。ホイール・ブレーキ交換車に備え付けられたクレーンなどを用いて、タイヤ交換を行なっていた。

自由通路を歩きながら政府専用機を見たら、タイヤ交換作業が始まっていた。すでにジャッキが主脚に取り付けられており、ホイール・ブレーキ交換車のクレーンを使ってタイヤ&ホイールの取り外しが始まっていた
タイヤはすでに浮いているため、クレーンをタイヤの下に入れていく
クレーンにタイヤを乗せて取り外し
タイヤをホイール・ブレーキ交換車側へ移動
車軸を掃除
取り外したタイヤは、作業スペースから待避
車軸のまわりにあるブレーキをしっかり点検
新しいタイヤを車軸にはめていく
ホイール・ブレーキ交換車のクレーンをうまく利用してタイヤを取り付けていた
レンチを使って、ホイールを車軸へ固定する
待避したタイヤをホイール・ブレーキ交換車へと運ぶ
同時並行で作業を進行
ホイール・ブレーキ交換車へタイヤを乗せる
車軸まわりを掃除しているように見えた
バルブなどを見ることができる
さらにキャップを取り付ける
終わりに近づいたタイヤ交換作業
ジャッキを取り外し、片付け作業へ
ジャッキは写真のような形。左側の部分でジャッキアップを行なう
ジャッキはホイール・ブレーキ交換車の前部にしまうことができる
所定のポジションにセット。ホイール・ブレーキ交換車前部のカバーを閉める

 今回の千歳基地航空祭では、天候の関係で多くの展示飛行がキャンセル、短縮となり、アクロバットチーム「ブルーインパルス」もトラブルで演技が実質キャンセルとなった。しかしながら政府専用機については“初”と言えるイベントが実施され、開庁60周年の特別感は高かった。“ジャンボ”の政府専用機は2018年度の退役が予定されており、その意味でも特別なイベントとなっていた。