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名鉄観光バス、新型中型観光バス「シオン(ZION)」を公開

三菱ふそう エアロエース MMがベース、支店別に青、赤、緑の3台同時導入

2016年9月6日 導入

名鉄観光バスに3台導入された中型の新型貸切観光バス「シオン(ZION)」。青、赤、緑に塗りわけられている。導入支店が異なるため3台揃うのは珍しい

 名鉄観光バスは、中型の新型貸切観光バス「シオン(ZION)」を9月6日より3台導入する。これにあたり、名古屋市熱田区の熱田神宮において新車授与式と報道向け内覧会が行なわれた。

 「シオン(ZION)」というネーミングは、理想郷やユートピアなどの意味を持ち、非日常の旅を満喫してもらいたいという理由から付けられた。三菱ふそうトラック・バスの中型ハイデッカーバス「エアロエース MM」をベースにしている。大型の「エアロエース」を全長のみ短縮しショートタイプとしたモデル。

 全長8m99cm、全幅2m49cm、全高3m47cmで室内長7m75cm、室内幅2m31cmのボディに、「MDAS-III」(注意力安全モニター)や「AMB」(衝突被害軽減ブレーキ)、車間距離や車線逸脱に対する警報装置といった予防安全機能を搭載。三菱ふそうが2015年7月に発表した、2015年8月1日から基準適合が義務づけられた車線逸脱警報装置の保安基準に適合するモデルとなる。定員は27名。段差のないフラットな床面で、後部5~6席は回転させてサロンルームとして利用も可能。4列目まではワイドタイプのシートを採用する。大型車同様の電子制御サスペンションを装備し、快適な乗り心地を得ている。

 外観デザインは、名鉄観光バスの最高級バス「ゼウス(ZEUS)」を継承し、3台の車両は青、赤、緑に塗り分けられている。それぞれ青は一宮、赤は名古屋、緑は岡崎の各支店にそれぞれ配備される。同社は2008年7月会社設立以来(名古屋観光日急、名鉄西部観光バス、名鉄東部観光バスを吸収合併している)、大型車を中心に120台以上を更新してきたが、中型車両を導入するのは初めてとなる。少人数での旅にもワンクラス上のサービスを提供していきたいとしていた。

名鉄観光バスに導入された中型観光バス「シオン(ZION)」。三菱ふそうトラック・バスの中型ハイデッカーバス「エアロエース MM」がベース
後方から
横から
前正面。衝突被害軽減ブレーキ(AMB)用のセンサーがあるためナンバーがオフセットしている
後正面。大きく「ZION」のロゴ
今回納車された3台。青、赤、緑に塗り分けられている
3台揃った正面。ライト点灯
側面のデザイン。社名がデザインされている
下部のトランクスペース
バッテリーも簡単に積み下ろしができる。サイズは190H52×2
フロントガラス側にMDAS-III用白線認識カメラ
前方バンパーのナンバー横には衝突被害軽減ブレーキ(AMB)用のセンサー
左ミラーステーにはサイドビュー用のカメラ
座席は2-2のレイアウト。定員は27名。落ちついたインテリア
前方4列までの座席はワイドシート
座席の前後間隔は余裕のある広さ
座席をリクライニングさせたところ
最後部は3席
後部5~6席は回転させサロンルームとして利用できる
最後部左側には、簡易型冷温蔵庫を備える
背裏の収納式テーブル。ドリンクホルダーは用途や形状に応じて2種
最前列の収納式テーブル。ドリンクホルダーは別にある
エアコン吹き出し口と読書灯
オーバーヘッドコンパートメント
車内灯は落ち着いた電球色
室内灯は模様デザインが3台で異なっている。少し明るさを追加したい際には白の補助灯を追加で点けられる
最前部と最後部座席左側には、AC100Vコンセントと5V/2A出力のUSB充電ポートが用意されている
最後部座席右側にはAC100Vコンセント
エアコンにはシャープ製プラズマクラスターが連動する
エンジン停止時にも一定時間作動する空気清浄機を装備
前部乗降ステップ近くには大容量のサービスボックス
乗降ステップには段差が分かりやすいように、カラフルなLEDライトが点灯する
通常中型バスでは前部モニタのみだが、中間にもモニタを備えている
運転席周辺
運転席周辺
エアコン制御や電子制御サスペンションなどのスイッチ
ラジオ、ETC、6速MTシフトレバー、ホイールパークなど
各種灯火のスイッチなど。運転席側には100Vコンセントがある

 新車授与式では、名鉄観光バス 代表取締役社長 加藤信貴氏が運転士を前にし、「待ちに待った中型車の授与を行ないました。名前をシオンとしました。理想郷やユートピアといった意味があります。そのような気持ちよい体験を提供したいという思いがあります。“Z”から始まり、大型車最高峰車のゼウスの流れをくんだ兄弟車で、現時点で最高峰の技術がすべて入っています。ただバスの機能で快適を提供できるのは4割程度だと思っています。あとは運転士の運転、接客にあります。最大限に活かして安全運転していただきたい。無事故で使っていただき、最終的にはお客さまにお返しするという思いで、大事に使っていただきたい」と、訓示をした。

 続けて、熱田神宮では「車祓い(くるまばらい)」も行なわれ、神職による安全祈願が運転士とシオン3台すべてに対して行なわれた。

熱田神宮の祈祷殿で「車祓い」が行なわれた
祈祷殿内の祈祷殿休憩所
3台のバス運転士それぞれに加藤社長が鍵を手渡す
名鉄観光バス株式会社 代表取締役社長 加藤信貴氏
その後、運転士は祈祷へ
3台のバスそれぞれに神職が「車のお祓い」をした
続いて巫子がバスの周囲を一度まわってお清め
続けてバス車内もお清めをする
納車されるバスの前で、名鉄観光バス株式会社 代表取締役社長 加藤信貴氏と運転士3名