大城和歌子の沖縄グルメ&スポット

そのおいしさは泡盛由来。オリジナルカレーとコーヒーの店

 うぅ、暑い……。食欲も落ち気味だ。そうだ、こんな時はカレーを食べよう!

 さて、どこに行こう?本格的なインドカレーやネパールカレーもいいし、手軽にチェーン店でもいい。家庭的な食堂のカレーも捨てがたい……が、せっかくならそこでしか味わえないオリジナルなカレー、しかも沖縄ならではのアイディアと工夫がつまった琉球カレーにしよう!

 ということで、知人に誘われ何度か訪れたことのある「カフェ沖縄式」にやってきた。素朴な雰囲気のウッディな店内。真夏の日中だというのになんとなく涼しげ。お店のイメージは沖縄の夕暮れなのだそうだ。テーブルや椅子など家具は自分達で手作りしたという。なるほど、だから温もりが感じられるのか……。

手作り感あふれる店内。窓際には直射日光を遮るように焼き物やガラス製品などが並んでいる
棚には沖縄関連の書籍や焼き物が並ぶ。これらは販売もされている

 ここの看板メニューは「古酒カレー」。泡盛に漬け込んだスパイスを十数種類使って作る、同店のオリジナルメニューだ。わりとサラサラとしたカレールーは、丸みのある味わいでほんのり甘みも感じる。ふわっと鼻に抜ける独特な風味は、スパイシーさとはまた違ったアクセントとなっている。

マイルドな風味の古酒カレー(1000円)。盛られたお皿は読谷村の北窯で作ってもらったオリジナル品だ
店内に並ぶいろいろな素材のお酒漬け。スパイスは泡盛を練り込んで10日~1ヶ月寝かせる。中には5年以上熟成させているスパイスもあるとか

 スパイスを泡盛に漬けるという発想は、梅酒など、素材をお酒に漬け込む熟成方法から生まれた。

 「お酒に漬け込むと熟成されてマイルドでいい味わいがでますよね。じゃあスパイスをお酒に漬け込んだらどうなるだろうと、もともとは趣味の域で始めたものなんです」

 と、オーナーの島尻さん。もともと、いろいろな素材を漬け込んで手作りのお酒を楽しむのが趣味だった。

 実際に、スパイスの粉末に泡盛を練り込み一定期間おいて熟成させてみると、スパイスのエグみがとれてマイルドになった。遊び心も手伝って、お酒の種類を変えてみたり、割合や時間を変えてみるなど工夫を重ねた。当初は商品化するつもりではなかったそうだが、今では話題の看板メニューだ。

 もうひとつの看板メニューが「ぶくぶくコーヒー」。これもまた同店のオリジナルメニューだ。沖縄にはもともと「ぶくぶく茶」というものがあった。
茶筅でお茶を泡立たせ、まるでソフトクリームのように泡がお茶に盛られたものだ。

 これをヒントに、コーヒーにも泡を盛ってみたいという好奇心からぶくぶくコーヒーは生まれた。クリーマーを使って十分にコーヒーを泡立てる。たっぷり盛られた泡をスプーンですくって口に含むとシュワっと一瞬で溶ける。何とも言えない感覚だ。泡を食べるという感覚。コーヒーには黒糖を加えているため、ほんのり甘い。と同時に黒糖のコクがうまい具合に効いている。

まるでソフトクリームが乗っているようなぶくぶくコーヒー(540円)。泡立ちのポイントは、大豆や香草をブレンドしているところにある
自家焙煎のコーヒー豆は、焙煎時に泡盛を加えて作る。豆の店頭販売、通信販売もおこなっている

 「ほかにはない唯一無二の商品を提供していきたいですね。後継者を見つけて、ぶくぶくコーヒーをもっと広めてもらいたいですし、新しい味の研究も続けていきたい」と島尻さん。

 沖縄の「良いもの」を使った、こだわりのある店作り。カレーやコーヒーの器も沖縄の焼き物「やちむん」を使っている。本棚には沖縄関連の本が並び、琉球シャンソンのライブも月に数回開催している。目で、舌で、耳で…。五感で感じられる「沖縄」が随所に息づいているカフェなのだ。

店舗情報
店名カフェ沖縄式
所在地那覇市久米2-31-11
TEL098-860-6700
営業時間11時~22時30分(22時ラストオーダー)
定休日不定休
店舗情報(姉妹店)
店名琉球珈琲館
所在地那覇市牧志1-2-26
TEL098-869-6996
営業時間11時~22時30分(22時ラストオーダー)
定休日不定休

大城和歌子

横浜生まれのウチナーンチュ二世。東京での出版社勤務を経て1998年11月に沖縄移住、フリーのライターとなり「和歌之介」のペンネームで活動。主に音楽系記事を得意とし、沖縄インディーズの隆盛を間近で体感した。自らも音楽活動をゆる~く展開。現在、那覇市内でレコードバー「リンドウ」を営んでいる。