週末駅弁

「あなごめし」

炙った大きめ煮穴子に甘辛タレがかかる、あなご飯弁当

「あなごめし」

 あなご飯は、瀬戸内でよく食べられていて広島の厳島神社がある宮島周辺のお店が有名ですが、今回は新大阪駅で見つけた「あなごめし」です。鰻重と同様に蒲焼きでいただき、ご飯の上に乗せられタレがかかっているので、一見するとよく似ていますが、食べてみると身は油っぽさは一切なくあっさりしていて、甘辛のタレも含めて味はだいぶ異なります。

 今回紹介するあなごめしでは、穴子は醤油タレで煮たあとに火を加えて焦げ目を付けたいわゆる“炙り”で、醤油味で炊かれたご飯の上に乗せられています。お弁当を開けると、この炙られた大ぶりの煮穴子が目に飛び込んできます。身は一口大に切られていますが幅があり、切られる前の穴子が大きめであることがうかがえます。そのため肉厚は十分にあり、満足感があります。上には透明感がある甘めのタレが軽くかかっています。

「あなごめし」の中身。切った煮穴子が敷き詰められている
中央の甘めのタレがかかった大ぶりの煮穴子が目に飛び込んでくる
煮穴子は表面が炙られていて、軽く焦げ目がついている

 煮穴子は冷めた状態で食べることの多い駅弁でも、美味しくいただけるのが特徴だと思います。冷めるとさすがにフワフワという状態ではなくなっていますが、柔らかい穴子とタレの味に、炙った際に付く焦げ目の香ばしさが絶妙に加わり、自然と箸が進みます。

 下に敷かれている醤油ご飯に、醤油だけではなく、ほのかに出汁風味が感じるのは、そもそも出汁を入れて炊いているのか、上に乗せた穴子から移った旨味なのかは定かではありませんが、これもまた美味しく感じます。この醤油御飯の上にも、ところどころに軽くタレがかけられています。ご飯は国産米を使用しています。

 一画には炙った煮穴子を細かく刻んだものが乗せてあり、食感のバリエーションが楽しめるように工夫されています。こちらにはタレがかかっていないので、素の穴子煮を味わうことができます。

 付け合わせは、卵焼きと柴漬けといたってシンプル。とにかく煮穴子でシッカリと満足してもらいたいという思いなのでしょう。

下には一面に醤油で炊かれた御飯が敷かれていて、ところどころにタレもかかる
一画には細かく刻まれた、炙り煮穴子が乗っている。タレはかかっていない
付け合わせは、卵焼きと柴漬けとシンプル

 神戸を中心に幅広く展開している淡路屋の駅弁で、購入した「旅弁当」の新大阪駅1号店は、新大阪駅で新幹線中央改札外側にあります。地下鉄御堂筋線へのエスカレーターのそばで、「駅弁」と大きく看板がでているので見つけやすいカウンターです。改札内に入らずに購入でき、出張帰りなど気軽に手に入れられるはずです。

 ちなみに、あなご飯には煮穴子を使う以外にも、素焼きしたあとにタレを付けて焼くという作り方もあります。あなご飯の魅力にハマったなら、関西の瀬戸内周辺でいろいろなあなご飯を試してみるのも楽しいでしょう。濃いめの味や揚げ物系満載の駅弁にちょっと飽きてしまったり、関西ならではの名物駅弁を探しているときにお勧めしたい一品です。

「あなごめし」

価格:1100円
販売駅:新大阪駅など
購入場所:旅弁当 新大阪駅1号店
購入日:2017年2月23日