旅レポ

世界遺産となった八幡製鐵所を見学し、「福岡ソフトバンクホークス」をヤフオクドームで観戦

ソフトバンク系旅行会社「たびりずむ」の第1弾ツアーに参加

「福岡ソフトバンクホークス」をヤフオクドームで観戦してみました

 去る9月4日から6日までの2泊3日間、新設されたばかりのソフトバンク系旅行会社「たびりずむ」が第1弾のツアー「ホークスプレミアムツアー in ヤフオクドーム」を開催した。

 今回はこのツアーに記者として参加する機会を得たので、そのレポートをお届けする。なお、本来は2泊3日であるが、3日目は完全自由行動のツアーなので、記者は1泊2日の特別日程で参加している。

ソフトバンクグループの旅行会社「たびりずむ」

 最初に今回のツアーを主催する旅行会社「たびりずむ」について説明しておこう。

 たびりずむは2015年5月に設立されたばかりの、ソフトバンクグループに属する旅行会社だ。ソフトバンクグループ内では唯一の「第1種旅行業」、つまり自社で国内旅行、海外旅行のパッケージツアーを企画・実施できる会社だという。なんでもありそうなソフトバンクグループに、これまで旅行会社がなかったのはむしろ意外だ。

 たびりずむはJTBや近畿日本ツーリストのような大規模な事業を狙っているのではなく、基本的にはグループ会社のリソースも活用し、ほかにはできないツアーを企画販売することを狙っているという。

 たびりずむは正確にはSBプレイヤーズの子会社のオッズパークの子会社という、いわば孫会社的な位置づけにある。たびりずむの親会社であるオッズパークは、公営競技、競馬や競輪、オートレース、LOTOの投票権をオンライン販売している企業だ。

 オッズパークは従来から高頻度利用者のお得意さんに対し、公営競技を現地で見るツアーをサービスとして実施していたという。その中で地方自治体とも接触機会が多く、さらにサービスツアー参加者からも「自腹でも行きたい」と好評だったため、「だったら自社でツアーを企画販売できるようになろう」と会社設立に至ったというわけだ。

 たびりずむ第1弾となる今回ツアーは、ソフトバンクグループの看板でもあるプロ野球チーム「福岡ソフトバンクホークス」の観戦ツアーとなっていた。また、羽田発の深夜便をチャーターしているのもユニークだ。さらに福岡 ヤフオク!ドームでは試合終了後にグラウンドに降りて記念撮影ができたり、観戦日刻印入りの公式試合球のプレゼントもあるなど、ソフトバンクグループ企業主催ツアーならではの特典も付いてくる。

 こうした福岡ソフトバンクホークス観戦ツアーは、今後もたびりずむで実施したいとのことだが、たびりずむの本命は公営競技の観戦ツアーで、帯広のばんえい競馬や小倉の競輪などとのタイアップも予定しているという。

行きはスターフライヤーのチャーター便

 今回のツアーは東京は羽田空港の発着となっている。往路は羽田空港から北九州空港、復路は福岡空港から羽田空港という旅程だ。

今回の搭乗便。種類が「貸切便」となっているのがカッコイイ

 往路便はスターフライヤーのチャーター便で、羽田空港を9月4日(金)の深夜24時5分(5日0時05分)に出発する。通常は運航していない、このツアーのために用意された、国内便としては珍しい24時以降発の深夜便である。

 この“深夜”というのも結構意味がある。集合時間も4日の23時なので、金曜日に会社や学校に行った後で参加できるのだ。そのせいか、家族連れが多く見られたのが印象的だった。

 このような深夜便が可能になっているのも、羽田空港と北九州空港がいずれも海に作られた24時間空港であることによる。逆に言うと、往路の到着空港が福岡 ヤフオク!ドームから少し離れた北九州空港になっているのも、深夜のチャーター便が使えるから、という理由もあるようだ。

 集合時間の23時。羽田空港 国内線 第1旅客ターミナル出発の定期便最終は、22時55分発のスターフライヤー SFJ0095便(これも北九州空港行き)なので、集合時刻になるとターミナルは「閉館後」みたいな閑散とした状態になる。出発便の電光掲示板は「またのご利用をお待ちいたしております」という表示になり、保安検査場もスターフライヤーのカウンターの隣しか開いていなかった。スターフライヤーのカウンター周辺は明るいが、それ以外の場所は薄暗く、ちょっと不安になる状態だ。

 今回のチャーター便にはSFJ9401という便名が付けられていた。どうやらスターフライヤーのチャーター便で使い回されている便名のようで、ググってみると過去にも使われたことが分かる。

今回の搭乗便。機材は定期便と同じ

 機材は普段、定期便に使われているものをそのまま使用している。スターフライヤーはエアバス A320-214を9機しか保有しておらず、当然ながらチャーター便専用の機材は用意していない。定期便の終わった深夜だからこそ、チャーター便を運航できるというわけだ。

 チャーター便のためかチェックインは必要なかったものの、保安検査や搭乗の手順やルートは普通の国内便と同じだった。また、搭乗時に記念品とチャーター便への「搭乗証明書」が渡された。

 今回のツアーでは100名くらいの参加者がいたが、それでもA320の半分程度ということもあり、座席はかなり余裕のある配置となっていた。

添乗員による機内アナウンス

 機内での安全ビデオはスターフライヤーのものとなるが、機内アナウンスはチャーター便ならではのものとなっていて、添乗員による説明アナウンスも行なわれる。貸し切りバスのノリだ。また、今回のために録り下ろされたソフトバンクホークスの松田選手によるメッセージ音声も流されたが、こちらは運航中の機内ということもあってちょっと聞き取りづらい感じだったのが残念だった。

ソフトバンクホークス松田選手のメッセージ

 今回はたびりずむにとって記念すべき第1回のツアーのためか、やや採算度外視なチャーター便を運航している。今後もチャーター便を使ったツアーが企画されるかというと、ちょっと微妙なのかも知れないが、しかしチャーター便に乗るというのはかなり面白い経験だった。とくに独自のアナウンスなどを流せるというのはメリットだ。今後も何かの機会で、チャーター便を上手に活用したツアーを企画してほしいところだ。

着いたら寝るだけな北九州空港

 北九州空港には25時半、つまり土曜日の午前1時半ごろに到着した。ほかに到着便の姿はなく、羽田空港同様に閑散としていた。

空港から徒歩で行ける東横INN北九州空港

 この日の宿泊は北九州空港の近くの「東横INN北九州空港」だ。北九州空港と同じ人工島にあり、北九州空港からは徒歩10分かからない距離にある。多少荷物があっても苦にならない距離だ。シャトルバスも運航していたが、よほど荷物が多かったり歩くのがツライとかでない限り、歩いて行った方が早い。

 ホテルに着いてロビーで鍵などを受け取り部屋に入ると、だいたい2時くらいになっている。初日、と書いてよいのか微妙だが、初日は深夜の羽田空港から北九州空港のホテルに移動するだけの日程となっている。23時集合から3時間ほど。これで2日目は朝から北九州を堪能できると考えると、なかなか効率的なスケジュールと言えるだろう。

福岡に向かう途中で世界遺産を見物

朝になると周囲になにもなくてびっくりする

 さて、東横INN北九州に1泊した翌朝は、朝9時に貸し切りバスでホテル前から出発となる。今回は2台の大型バスがほぼ満席となっていた。100人程度のお客さんが集まっていたと思われる。

 2日目(と言うべきか微妙なのだが)はこのバスでの移動となり、まずは最初の目的地、八幡製鐵所に向かう。

 北九州空港から福岡 ヤフオク!ドームまでは、公共交通機関だとバス・電車・新幹線と乗り継ぎ乗り継ぎになるので、荷物もある状態だと、貸し切りバスで移動できるのはありがたい。時間にして合計2時間近くがかかるが、途中、八幡製鐵所で休憩がてらの観光ができるので、移動がシンドイということもない。

 ちなみに大きな荷物はバスに預けておくと、2泊目のホテルまで運んでくれるという。貴重品は自己管理が原則だが、非常にありがたいサービスだ。ただしこのあとは福岡 ヤフオクドームに行くので、チケットや応援グッズは預けないように注意が必要だ。

 八幡製鐵所は2015年、「明治日本の産業革命遺産 製鐵・製鋼、造船、石炭産業」の中の一部として、世界遺産に登録されている。非常に広い範囲にわたるさまざまな文化遺産が含まれているが、その中でも八幡製鐵所の名前は歴史の授業で習ったという人も多いのではないだろうか。

 文化遺産として登録されている官営八幡製鐵所は、1カ所に集中しているのではなく、やや点在している。というのも、もともとこのあたりには広大な製鉄所があり、その中で残存している4つの施設が世界遺産として登録されたからだ。

 そして八幡製鐵所は過去のものではない。現在も北九州工業地帯であり、現役で稼働しているプラントが多数存在している。

官営八幡製鐵所旧本事務所。周囲の設備は民間企業の工場内なので近寄れない

 今回は世界遺産となった「官営八幡製鐵所旧本事務所」の近くにバスが停車した。しかしこの旧本事務所、現在も稼働してる工場敷地内にあるため、中に入るどころか近寄ることもできない。八幡製鐵所というと、教科書に出てきた昔の施設のイメージだが、民間企業にはなっているものの、まだまだ現役の工業地帯なのだ(さすがにこの旧本事務所は現役ではないが)。

東田第一高炉跡。デカすぎてもはや意味不明レベル

 駐車場の近くには、「東田第一高炉跡」というのもあった。東田第一高炉は1901年、官営製鐵所と同時に操業を開始している。高炉とは鉄鉱石を鉄鋼の原料(銑鉄)にするプラントだ。こちらは世界遺産ではないが、巨大で面白い文化遺産である。

 現在の東田第一高炉は10代目で、同じものが1901年から存在しているわけではない。そのときの技術に応じ、効率のよいものに改修され続けていたのだ。ちなみに操業を終えたのが1972年ということなので、それから40年以上も経っていることになる。

 東田地区での見学が終わると、いよいよバスは福岡 ヤフオク!ドームに向かう。北九州市からだと1時間くらいかかるが、うとうとしていれば一瞬というレベルだ。

黄色で埋め尽くされた福岡 ヤフオクドーム

福岡 ヤフオクドーム

 福岡 ヤフオクドームには12時ごろに到着した。北九州市の八幡製鐵所東田地区からは1時間ちょっとかかった。バスを降りると自由行動となり、試合終了後は自前でホテルに行く必要がある。バスに預けた荷物はホテルに届けてもらえる。

 事前に入場チケットと弁当引き替えチケットが渡されているので、それで入場しつつ弁当を受け取る。移動がスムーズだったので、ゆっくり移動しても球場のシートで弁当を食べる時間は十分にあった。試合開始前なので、グラウンドでビジターの東北楽天ゴールデンイーグルスが試合前の練習をしているのを見ながら食べられる。

 実を言うと筆者は曾祖父の代からの「横浜DeNAベイスターズファン」で、パ・リーグはあまり分からない(ソフトバンクには元ベイスターズの選手が結構いるけど)。しかしそれでも、2015年のソフトバンクが無類の強さを誇っているのは知っている。筆者が訪れた9月5日はソフトバンクの優勝目前となっており、勝率は6割7分を超えてパ・リーグ首位。2位の日ハムとは10ゲーム差で、首位から6位までが10ゲームくらいのセ・リーグとは真逆の展開だ。

ほぼ満員の内野スタンド

 その日、ヤフオクドームで開催されたのはソフトバンク対楽天の第17回戦、予告先発はソフトバンク武田選手と楽天戸村選手。楽天はその日時点で5位。対戦成績は11勝4敗1分とソフトバンクが圧倒しているものの、前日の試合では楽天が逆転勝ちしている。

 優勝に向かって邁進している(9月18日にパ・リーグを制覇した)チームの土曜ホームゲームということもあり、球場はほぼソフトバンクファンの黄色で埋め尽くされている。試合後の発表によると観客は満員の3万8500人。収容能力一杯の大入りだ。

IT業界から見てもやや面白いヤフオクドーム

いつも以上に輝いて見える孫社長

 ちなみにこの日の試合、ソフトバンクグループのメインバンクであるみずほ銀行が協賛の試合で、みずほグループの佐藤康博CEOと福岡ソフトバンクホークスオーナーでもあるソフトバンクグループの孫正義社長も球場に来ていた。

 筆者は普段、僚誌「ケータイ Watch」でモバイル関係の記事を書いているので、孫社長というと発表会で見る人というイメージなのだが、球場で孫社長を見かけるというのは、ちょっと意外な感じだ。

 モバイル業界の視点から見ても、ヤフオクドームはいろいろ面白い。とくに球場内の広告だ。

ドーム天井近くにファーウェイ広告がいくつか。右上の広告は「SIM FREE」とアピールしている

 例えば端末メーカーとしてはファーウェイが広告を掲載していて、ZTEがPRビデオを流している。いずれもソフトバンク向けに端末を提供しているが、ファーウェイの外野スタンドの広告は「SIM FREE」と思いっきりソフトバンク向けじゃない端末をアピールしている。ソレって楽天モバイルとセット販売してるヤツだけどイイのか。

 コンシューマ向けビジネスを展開していない企業の広告も多く、ノキアのPRビデオも流されていた。あと変わったところでは1塁側内野スタンドに「IBM Watson」と書かれた広告もあった。

Watsonは将来のモバイルを激変させうる、けどここに広告あっても……

 Watsonは膨大なデータベースを解析し、自然言語の質問に確率の高い答えを提示する人工知能(IBMはコグニティブコンピューティングと呼称)だ。IBMは2015年2月にWatson関連でソフトバンクと提携しているが、誰でも使えるコンシューマ向けサービスがあるわけではない。これも来場者にとっては「なんぞ?」な広告だが、Watson自体はプロスポーツとの相性はよいと思うので、プロ野球データを満載したWatsonとかも作ってほしい。いつかソフトバンクの監督がWatson搭載のPepperになる日も来るかも知れない。

パ・リーグファンに嬉しい「パ・リーグLIVE」

 ソフトバンク自体の広告はあまり球場内には掲載されていないが、出入り口の通路にはソフトバンクが提供する「パ・リーグLIVE」のポスターがあった。ソフトバンクのスマホでパリーグの生中継が全部見放題という、パリーグ球団のファンには嬉しいサービスだ。

ヤフオクドームのソフトバンクショップ

 球場の外(建物としては球場の外縁部)にはソフトバンクショップもある。MNPすると非売品の「フィールドサイン会にご招待」とか、グラウンドに突き出た観客席である「コカコーラシートやホームランテラスのシートプレゼント」があったりと、ほかにはない強烈な特典を用意していた。

 ちなみにヤフオクドームの観客席では、ソフトバンクのWi-Fiを利用できる。球場は10メートル四方に100名とかが密集する環境だが、そこまで利用者は多くないようで、試合中も下り8.2Mbps、上り49Mbps、Pingは23msと、通信環境としてはかなり良好だった。といっても、他社含めLTEでも十分速度は出ていたので、Wi-Fiがなければ通信できないというほどでもない。

投手が踏ん張った序盤戦

 さて試合の方はというと、筆者はスポーツ記者ではないので細かい実況はできないが、なかなか面白い試合展開となっていた。

序盤は両投手、大きく崩れず試合を進める

 序盤は3回裏にソフトバンクの川島選手が犠牲フライで1点を先制し、5回裏にはソフトバンク松田選手がソロホームランを打ってソフトバンクが2点リードとなるが、両チームともにヒット数は少なく、投手がなかなか踏ん張っている状態。

 しかし大きく動いたのは7回裏。ソフトバンクは2アウトからスリーベース、フォアボールの1、3塁として、明石選手がタイムリーツーベースで2点を追加。楽天は戸村選手から武藤選手に投手を交代するものの、ソフトバンクの打線は止まらず、続く柳田選手のタイムリー、さらに続く内川選手のツーランホームランで7点目。

 対する楽天は打線がつながらず、8回からマウンドに上がったソフトバンクの柳瀬投手が8-9回を6人で打ち取ってゲームセットとなった。試合結果は7-0、ソフトバンクの圧勝である。

勝利のロケット風船

 試合終了後のセレモニーの後、ツアーの参加者はグラウンドに降りての記念撮影ができるのだが、残念ながら筆者はほかの参加者と異なり、1泊2日の取材用スケジュールでの参加で、帰りの飛行機の時刻が迫っていたため、グラウンドに降りることはできなかった。

 球場から出ると、外は結構な雨が降っていた。試合開始前は晴れていたので、ちょっと驚かされた。雨が降っても試合が中止になったりせず、快適に観戦できるのもドーム球場ならではの利点だ。とくに遠くから観戦に来て雨天中止とかになると、かなりガッカリ来るので、ドーム球場は非常にありがたい。

 通常の参加者はこの日、福岡でホテルに宿泊するため、試合終了後もゆっくり球場を楽しめる。この日の試合時間は3時間20分だったので、14時開始で17時半ごろには試合は終了し、ヒーローインタビューが行なわれていた。

 試合が終了したらすぐにグラウンドに降りられるわけではないが、グラウンドに降りて球場をあとにするころには、ちょうど球場周辺も混雑が緩和されているはずだ。ゆっくりと博多なり天神なり中州なりへもつ鍋を食べに行けるはず。晩ご飯を食べてちょっと遊んでいれば、ホテルに戻るにはちょうどよいスケジュールだろう。

3日目は完全自由行動。もう1試合の観戦はやや賭けの面も

 ツアーとしては2日目のバスを降りてからは自由行動で、2泊目のホテルもチェックアウト後は帰りの便(福岡空港発・羽田空港着)まで自由行動となる。

 なかなか大ざっぱなスケジュールだが、個人で手配するのが面倒な移動手段とホテルだけ手配してもらい、あとの部分は自分の好みで構成できるというのがなかなかイイ。

 帰りの福岡空港→羽田空港の便は、昼過ぎ発のAコース、夕方発のBコース、夜発のCコースから選べる。選択できるのは非常にありがたいが、せっかく福岡まで来たのだから、時間が許す限り、Cコースで福岡を堪能するべきところだろう。

 ソフトバンクのファンであれば、3日目もソフトバンク対楽天の試合を見るのもよさそうだ。3日目(9月6日)は13時開始のデーゲームだったので、平均的な試合なら、ギリギリ夜発(18時30分発~20時発)の便に間に合う可能性が高かった。

 間に合う可能性は高かったのだが、9月6日の試合は接戦で、延長12回、試合時間5時間1分という非常に長い試合になってしまった。終了時刻は18時で、最後まで試合を見るのは飛行機の時間的にキツイ時間だ。しかしどちらが勝つか分からない接戦を途中で諦めるのはもっとも悔しいところ。しかもこの試合は両チームとも選手を使い切った12回裏、松田選手が2ランホームランでサヨナラ勝ちを決めるという、ソフトバンクファンならば絶対に生で見たい展開となっていた。今回の往路チャーター便に録り下ろしオリジナルメッセージを提供してくれた松田選手だ。

ソフトバンクが勝つと終了後に花火があったりして、結構時間がかかる

 試合終了直後は球場周辺が混雑するので、飛行機出発の2時間前には球場を出たいところ。急いで球場を出て、早足気味に隣のヒルトンホテルまで向かえば、運がよければすぐにタクシーを捕まえられるが、これもタイミング次第で賭けとなる。荷物が少なければ早足に空港線の唐人町駅(約1.3kmで徒歩18分)まで歩いてもよいが、混雑しているのでスムーズに行くかはやはり賭けだ。

 ツアーが提供する夜便は、18時30分~20時発というだけで、何時の便かは指定できないが、ここは21時20分福岡発、23時羽田着のANA/スカイマークの最終便が指定できればよかったかも知れない。

ユニークな日程で週末を満喫

 今回、筆者は1泊2日という特別日程での参加となったが、仕事抜きにかなり楽しんでしまった。やはり球場で観戦するという経験自体が楽しい。

 スケジュールがちょっと特殊で、金曜と月曜に仕事・学校があっても、深夜発便で土日の福岡を満喫できるというのは、週末を最大限に活用できて効率よく面白い。

 ちなみに筆者は2日目の19時40分発、21時25分着の便で羽田に帰ったのだが、ツアー全体では0時05分発で21時25分着なので、1泊1日、24時間未満のスケジュールだった。早起き不要なので、ヘタな日帰り出張よりよほどラクだ。

 スケジュールのほとんどが自由行動というのも、なかなかよいと思う。2日目は北九州から福岡までの移動があるため、途中休憩を兼ねて八幡製鐵所見学が組み込まれていたが、ヤフオクドームでバスを降りた後は自由行動なので、試合観戦も途中で抜け出すことが可能だったりする。「序盤大差で試合が決まったからもういいわー」と思ったら(そんなニワカファンは許せんという突っ込みは置いておくとして)、市街地に移動して水炊きをつつきながらスマホやタブレットで続きを観戦したりするのもありだろう。

 3日目もソフトバンクの試合を観戦してもよいが、朝から福岡観光してもよい。いまどき、スマホがあれば移動手段・観光情報・グルメ情報が現地でもすぐに調べられるので、福岡のような大きな街ならば、自由時間はいくらあっても困ることはない。

「だったら全行程を個人で手配してもいいじゃん」となりそうだが、今回のツアーのようなチャーター便や貸し切りバス、球場グラウンド体験は個人で手配できないので、そこをツアーで提供してくれるのはありがたい。

 たびりずむは会社の性質上、地方の公営競技のツアーがメインとなりそうだが、ぜひともそれに限らず、今後もほかの大手旅行会社が企画しないような、ユニークなツアー企画に期待したい。

ツアーでプレゼントされるNPB公式球。旅の記念となる日付も入っている

白根雅彦