旅レポ
S-TRAINの40000系に乗って秩父三峯神社の雲海と星空鑑賞を目指す「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」
2017年5月30日 00:00
- 2017年5月26~27日 開催
西武鉄道と西武トラベルは、東京メトロ(東京地下鉄)、東急電鉄(東京急行電鉄)、横浜高速鉄道と協力して、西武鉄道の新型通勤車両「40000系」を使った秩父ツアーを開催した。
3月25日から土曜・休日に「S-TRAIN」として西武秩父駅~元町・中華街駅間を有料座席指定で直通運転を開始している列車を、プレミアムフライデーの深夜に団体列車の夜行として運行。西武秩父駅到着後は、バスで奥秩父三峰山山頂の標高1102mにある三峯神社を目指し、夜が明けるまではスターパーティ(星空鑑賞)を楽しみ、日の出と雲海を体験しようという企画。星空鑑賞は天体望遠鏡で知られる総合光学機器メーカーのビクセン、飲料提供でサッポロビールも開催に加わっている。
ツアーは全席指定で、4月27日から申し込みを受け付けていた。当日の参加人数は220名。乗車は、元町・中華街駅(1万2500円)、多摩川駅(1万2300円)、練馬駅(1万円)、ひばりヶ丘駅(1万円)という設定。22時21分にみなとみらい線の元町・中華街駅を発車し、横浜駅から東急東横線、渋谷駅から東京メトロ副都心線を経て、東京メトロから西武有楽町線へと切り替わる小竹向原駅を23時53分ごろに通過した。練馬駅での発車は0時を過ぎ、そこからは車内の照明が暗くなり、夜行列車の雰囲気を楽しめた。
40000系のシートは、ロングシートとクロスシートを切り替えられるのが特徴だが、当日はもちろんクロスシートでの使用。終点の西武秩父駅着は1時25分。列車の乗車だけで約3時間あり、この間を十分楽しめるルートとなっている。
西武秩父駅に到着後は、バスで1時間15分ほど乗車して奥秩父三峰山にある三峯神社を目指す。途中、道の駅「大滝温泉」にてトイレ休憩があった。この頃から雨が降ってきてしまった。
三峯神社の駐車場では、スターパーティが予定されていたが、到着時には小雨の天候で星空は見えそうもない。天体望遠鏡を持参してきたビクセンのスタッフも、参加者もちょっと残念そう。少し前にビクセンのスタッフが機材を準備していたころは、天の川が見えるほど好天だったそうだ。それでも、スライドやPCを使った天体解説や、望遠鏡を覗くとスライドで土星が見えるようにしてデモを見せてくれるなど、しばし星空に思いをはせる時間を提供していた。
温かいレモンティやお菓子の提供もあった。天候がよければ、ここで希望者にビールを配る予定だったが、これは最後にお持ち帰りとして配布された。
この日の日の出時刻は4時45分。夜明け前に三峯神社の展望スポットを目指して徒歩で移動を開始。グループ別に3カ所ある展望スポットに分かれる。記者は遥拝殿という場所から見たが、残念ながら天候は回復せず、霧のような一面雲のなかで日の出時刻を迎えた。
とはいえ、この濃霧もまたとても幻想的で、境内の木々や神殿がいっそう厳かに見え、気が引き締まる気分になった。参加者たちも拝んでいた。その後は、朝食が用意され、グループに別れ拝殿でご祈祷を受けた。
三峯神社の神様は、「いざなぎのみこと」と「いざなみのみこと」で、日本の国、日本民族をお産みになられたと伝わる夫婦の神様。「やまとたけるのみこと」が山犬(オオカミ)に導かれ、わが国の平和を祈り国産みの神様をおまつりしたのが始まりとされている由緒ある神社。そのため、要所に山犬がまつられている。境内はとても広く、周辺の見どころを含めハイキングをして散策を楽しめる。ぐるっと回るなら2~3時間は確保したい。
太陽は拝めなかったが、標高の高い清涼な早朝の空気感がとても気持ちがいい。三峯神社と西武鉄道の調査によると、2016年の雲海発生率が、5月に54.8%、6月と9月に40%、10月に61.2%、11月に53%と高くなっている。これによると春と秋にチャンスが多いということになる。このデータの最新情報は、西武鉄道のサイトで公開されている。
なお、周辺には日帰り入浴が可能な温泉施設が豊富。三峯神社境内には「温泉 三峯神の湯」があり、西武秩父駅前には「西武秩父駅前温泉 祭の湯」がある。ぜひ時間を多めにとりユックリと体を休めてみてほしい。三峯神社境内の興雲閣では宿泊も可能となっている。今回のツアーでは、雲海はお目にかかれなかったが、霊気、神気があふれるパワースポットで“気”をいただき、充実した気持ちで下山した。
YouTubeで「雲海 秩父」のワードで検索してみたところ、秩父盆地で雲海が発生すると、なかなかの絶景が楽しめるようだ。都心からすぐ近くでこれほどの絶景が見れる場所は珍しい。この絶景ツアーは次回予定はまだ決まってないが、「S-TRAIN」は土曜休日に西武秩父駅と元町・中華街駅間で運行している。停車駅は今回のツアー内容とは異なるので注意が必要だが、雲海発生条件に合いそうな週末に思い立ったらすぐ利用できる。チケットレスサービス「Smooz」を使えば、座席の予約もネット上で完結する。
西武秩父駅と三峯神社は西武バスが運行しているほか、となりの御花畑駅まで10分ほど歩き、秩父鉄道で三峯口駅まで行き、そこからバスに乗るルートもある。気軽に秩父の旅を楽しんでみてほしい。個人的にも再度チャレンジして雲海を見に来てみたいと思った。十分運気をいただいき願をかけてきたので、次回は確実のハズだ。