【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2016

NGOや保険会社の合同ブースなど旅業界の裾野の広さを感じられるツーリズムEXPOジャパン

2016年9月22日~25日 開催

 ツーリズムEXPOジャパン会場ではあまり目立たない場所に設置されていたものの非常に面白かったのが小笠原の父島、母島から出店の「オガマルシェ」(小笠原村観光局)のブース。小笠原の観光案内VRゴーグルを使う360度ビューを体験できる。唯一の交通手段である「おがさわら丸」についての紹介や、小笠原で採れたドラゴンフルーツや小笠原レモンなどの販売も行なっていた。

 また、小笠原の文化は多様で、最初に住んだのはハワイやアメリカの人で、そのあとで日本人も住むようになった。そのあとミクロネシア人も移ってきたという。そんな歴史があるので文化がミックスしている土地柄でもある。最初に小笠原に住んだ人の子孫は今も住んでいるという。

 そのような環境なので、小笠原特産のお酒を造ろうとなったときに焼酎ではピンとこないということで、サトウキビを原料とするラム酒を作ることになった。そのラム酒の試飲も行なっていた。

 ちなみに、いま小笠原で流行っているのはフラダンス。人口が2000人の島だが300人以上がフラダンスをやっていて、曲も自分たちで作っているとのこと。

 小笠原へは1週間に1便のおがさわら丸が運航しており、東京からは24時間かかる。ほかの旅行のようなスピード感はないが、長い時間をかけていくだけの価値があありそうな場所だ。

小笠原特産品を販売していた。お酒はラム酒が名産となっている
本土との交通手段は、今年、3代目の新造船が就航したおがさわら丸のみ。スピード感はないがだからこそ自然が守られている場所だ

 クライマーや山岳カメラマンなど山登りのプロが運営する山岳ツアー会社が「アルパインツアーサービス」だ。その道のプロばかり所属するところなので、ほかのツアーにはないルートの設定ばかり。難易度の高いコースばかりではなく、初心者向けもあるが、真剣に山に登りたい人を対象にしており、山の危険性も十分心得ているので、スキルに合わない申し込みや遊び気分のお客は断ることもあるという。

 ツアーにはスタッフが同行するが、この会社では添乗員と呼ばず「ツアーリーダー」という。言葉どおりリーダーとして責任を持って参加者を率いていくということだ。そのためにはお客さんとはいえ、厳しい言い方をすることもあるという。

 登山ブームでもあるが、登山には危険が伴うので、そののノウハウやルールも覚えたい人にとっては最良のツアー会社かもしれない。

アルパインツアーサービス
上級者向けから初心者向けまで色々なコースがあり、そのコース選択もほかのツアーにはない独自の設定になっている
開発途上国に向けたNGO、政府機関、国際機関、企業、個人など、それぞれの活動を応援するプロジェクトが「なんとかしなきゃ!プロジェクト」だ。国際協力NGOセンター、国際協力機構、国連開発研究という団体が実行委員を務めている
個人向けではなく、旅行会社の担当者向けだが、北極点ツアーなど、面白そうなツアーを運営するブースも出展
CS放送の「旅チャンネル」と「カートゥーンネットワーク」のブース。ここにはほかの出展社(自治体、観光局)などが自由に発言できるマイクとステージを用意。通りがかったご当地キャラクターにも声をかけて、地元をPRしてもらうという試みを行なっていた
いまや海外旅行にモバイルルーターを持っていくのは常識。通信業者の出展もある
保険会社の合同ブース。世界が不安定だけに保険も大事な項目だ
気軽に作れるカードではないがダイナースクラブもブース出展。航空会社とコラボしているカードの申し込みなど請けていた