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首都高、1号羽田線の東品川桟橋、鮫洲埋立部更新工事を公開
6月8日から大井JCTを通行止め
(2016/5/31 16:44)
- 2016年5月30日 公開
首都高(首都高速道路)は、首都高の「大規模更新事業」の第1弾として2016年2月から工事に着手した1号羽田線(東品川桟橋・鮫洲埋立部)更新工事の現場を、更新工事区間が一望できる近傍の工事現場ヤード、船上、高所といったさまざまな角度から見ることができる現場見学会を報道向けに実施した。
6月8日から大井JCT(ジャンクション)を長期通行止めして工事着手
見学会の冒頭に挨拶に立った首都高 東京西局プロジェクト本部の本部長である林寛之氏は「今回の更新工事の対象区間は、1964年のオリンピック前年に開通した区間で、すでに52年が経過して高齢化している部分。運河の上にあり、日ごろの点検や補修が難しいという課題があったので、安全、安心を確保するといった観点から全体を造り直すための手続きを進めてきた。一日に7万台の利用がある首都高速1号羽田線なので、この交通を確保しながらの難工事。大井ジャンクションを通行止めにして部分的に撤去、迂回路の構築、更新線の構築と進めていく」と話した。
次いで首都高の東京西局プロジェクト本部 更新事業部長である高橋三雅氏から、首都高の生い立ち、老朽化の現状なども含め、更新工事の概要説明があった。「建設後、50年が経過した部分が既に10%を超えている。また10年後には全体の34.7%が50年を超えることとなり、かなり老朽化が進んでいる。また、首都高は細かな管理や維持を必要とする高架橋やトンネルなどの構造物の比率が95%あり、加えて大型車の交通量が東京23区内の地方道の5倍。現在、海面に近く管理や補修などが難しい東品川桟橋と鮫洲埋立部の1.9kmに渡る部分を、海面から離隔を取った高架橋に造り替えることで、管理や維持をしやすくする」とのことだった。
また、東京西局プロジェクト本部 品川工事事務所の工事長である齊藤一成氏から、施工手順や作業ステップの説明があった。「すでに工事に着工しているが、護岸と横羽線の間に仮設道路を建設する。その迂回路が完成したら、上り線として使用。上り線本線を建設したら、上り線は迂回路の利用を続けながら下り線として利用し、下り線本線の建設を進める」と、4ステップに分けて作業を進めるとのこと。
また「今回の更新工事で高架化をするために、現在はアーチ橋が2つ並んでいる大井水管橋の片側をトラス橋化する。更新後の1号羽田線は、大井水管橋の上を通ることになる。大井水管橋の工事は今年行なうことになっている」との説明もあった。
東京西局プロジェクト本部 プロジェクト調査・環境課課長 日隈宏治氏は、大井JCTの長期通行止めについて説明した。工事が開始となると、湾岸線から羽田線に入る際は、他の路線を利用する必要があり、注意が必要とのことだ。
地上25mから全体を見渡し、船からも確認
現場見学ではまず、更新工事が行なわれる東品川桟橋・鮫洲埋立部を見渡すことができる湾岸線の大井北換気所の5階に上がった。地上から25mの高さなので全体を確認するには絶好の場所。現在の運河の水面に近い状態を高架化するには、大井水管橋の上を通らないといけないことが分かる。
続いて、屋形船に乗り船上から更新工事区間の見学を行なった。道路上を走行していると気にすることもなかったが、実際に水上から見ると、現在の羽田線と水面の距離では容易に人が入ることができない場所も多く、構造物の管理や補修なども簡単には行なえない。
船から上がり、今回の更新工事のための大井北埠頭橋近傍用地から、実際に迂回路を建設している現場に降り立った。現在埋め立て作業を行なっている部分は都道のための用地となっており、今回の工事では場所を借りて迂回路を仮設し、本線の更新工事完了時には迂回路は撤去するとのことなので、これからの数年間で何度か景観が変わるようだ。