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ルックJTB、ハワイの島々「ハワイアンアイランズ」に注目する2016年海外ツアー
新シリーズ「一度は泊まってみたい世界のホテル」も発売
(2016/1/20 10:55)
- 2016年1月14日 発表
JTBグループの海外パッケージツアー「ルックJTB」を企画・実施するJTBワールドバケーションズは1月14日、2016年度上期(4月~10月)の新商品を発表した。
JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の井上聡氏は、2015年度は円安やフランスのテロなど不安定な国際情勢の影響もあり、参加者は前年比94%の約113万人と落ち込んだと説明。特に影響が大きかったヨーロッパでは前年比72%と大きく落ち込んだ。
一方で2016年度は国内の経済状況も落ち着きを見せ、大手企業を中心に給与や賞与を上げる動きもあることから、全般的に旅行需要は堅調であるという見方を示し、2015年度と比較しておよそ111%にあたる125万人の参加者を見込む。井上氏は「一定の海外旅行需要の回復を見込んでいる」とし、2016年度は2015年度好調であったオセアニアやアメリカ、ハワイの商品をはじめ、ヨーロッパはスペインや北欧、東欧地域は堅調に回復していることから、これらの地域を中心に、アジアを含め全方面へ拡大する。
また井上氏は、2016年度のキーワードとして「ハードからソフトへ」「間際から先行へ」「固定から変動へ」「リスクテイク」の4つを挙げ、「ホールセールの革新に挑戦したい」と意気込む。
ハードからソフトへ
パッケージツアーにとっての最大の差別化要素である、添乗員や現地ガイド、斡旋スタッフや現地デスクなどの人的サービスのレベルを拡充し「パッケージツアーの価値を再度向上させていきたい」とする。
パッケージツアーの価値向上の一例として、現地滞在中のプランを提供する「タビナカ」を充実させ、現地でのフリータイムをより便利で楽しく快適に過ごすための付加価値向上を図る。
グアムのツアーでは、従来追加料金が必要なオプショナルツアーとして提供していたアクティビティなどのアイテムを、追加料金なしで自由にアレンジできる「KOMI-KOMI 30(コミコミ30)」を設定。一例として「子連れ家族で行く満喫グアム」では、ポリネシアンディナーショー(現地販売価格88ドル)やイルカウォッチング(同70ドル)、ブラジリアンランチ(同28ドル)など、約307ドル(約3万8375円)相当のオプショナル料金を旅行代金に組み込む。
さらにサポート体勢を強化し、出発前にWebサイトなどを利用して添乗員や現地スタッフに事前相談できる仕組みや、海外空港における乗り継ぎ時の「緊急ホットダイヤル」の拡充を行なうほか、搭乗予定の航空機が遅延もしくは欠航等により6時間以内に代替便を利用できない場合に見舞金を支払う「ルックJTB遅延お見舞金制度」を導入する。
また、対象コースに参加する60歳以上の利用客が、健康上の理由によりやむを得ず旅行を取り消す場合、次回の旅行を予約し参加することで、参加者本人と同行者の取り消し料を免除する制度を導入する。
間際から先行へ
近年はアジア人旅行者の急増により、航空券や各国のホテルの確保が直前になるほど厳しくなりつつあるという状況がある。また以前の海外旅行商品では、余った航空座席やホテルを出発間際に安価なパッケージにして販売するということが見られたが、井上氏はこれを「極力避けたい」とし、「早く購入する顧客に対して優位になるようにしていきたい」と話した。
2016年度からは、最大で11カ月先まで申し込み可能として、繁忙期にあたる年末年始も5月から予約可能となる。同社が行なったアンケートによると、利用客の約6割が「最近は直前だと飛行機やホテルの予約が取りにくい」と感じており、旅の準備期間が長い人ほど満足度が高い傾向があるという。特に「食事」「観光スポット」についてもっと準備すべきだったと後悔する人が多い傾向があるため、“早期予約”が旅を満喫するためのキーワードとしている。早期予約することで希望の航空便やホテルの予約が取りやすく、割り引きや特典も充実していることをアピールしていく。
固定から変動へ
2016年4月出発以降の新商品から、旅行代金変動型商品を導入する。導入の理由について、同社取締役 東日本販売本部長の青木哲朗氏は「ホテルや航空の代金がダイナミックに変わるようになり、こうしたことにタイムリーに対応するため」と説明した。
対象となるのは、同社の基幹商品である黄色パンフレットの個人型商品の一部で、同じ商品であっても申し込みの時期により旅行代金が異なることになる。旅行代金は2カ月ごとに見直され、パンフレットごとに旅行代金有効期間を設定し、有効期限間際に次の期間と料金を記載したパンフレットを販売店に配置する。執行役員商品戦略部長の縄手伸弘氏によると、パンフレットの刷新はこれまでの年4回から年6回となり、1.5倍のコストがかさむが「リスクを取って挑戦する」考えを示した。
これまでは春、夏、秋、早春の年4回ごとに商品が発表されるほかに、受給環境に応じて随時新しい商品を追加し、特に出発直前に安価な商品が追加されるなど、複数の類似商品が店頭に並び、利用客にとってどの旅行プランがお得なのかというのが分かりにくかった。2016年度からはこれらの商品を原則一本化し、利用客に分かりやすくすることが狙い。添乗員同行コースはこれまで通り固定料金を採用する。
リスクテイク
2016年度では、航空機チャーター、定期便の座席買い取り、海外ホテル客室の買い取りを積極的に展開していく。特にチャーター便は2015年度の約4倍となる17機とする予定で、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡を発着するツアーを催行する予定。ヨーロッパの商品では2名催行保証のツアーを増やしてリスクを取っていく方針。
2016年度の注目は「ハワイアンアイランズ」
青木氏は、2016年のクローズアップディスティネーションとして「ハワイアンアイランズ」を挙げ、自然豊かで観光資源が豊富なハワイ諸島の島々で、ホノルルにはない、より規模の大きなリゾートらしいリゾートを楽しむことを売りにしていく。35日前までに予約をすると、ホノルルとハワイ島、マウイ島、カウアイ島、ラナイ島を結ぶ航空便の時間帯を選択できるのが特徴。これまでの早期割引90・60に加えて早期割引120を設定。それぞれ120日前、90日前、60日前までに予約を完了すると旅行代金を割り引きし、120日前までの予約完了で大人1万5000円、子供7500円の割り引きとなる。また90日前までの予約で現地観光プランを特別価格で利用できるほか、航空便の座席を窓側、通路側などの並び席を選択できるなど、早期購入による割り引きや特典も充実させる。
また、2015年度に発売し人気を呼んだ「世界の絶景」を2016年度も販売。54の絶景ラインアップは一部の人気コースを除いて入れ替え、「モンブラン・エギーユ・デュ・ミディのガラスの展望台(フランス)」「リーセフィヨルド・プレーケストーレン(ノルウェー)「マカラカル島・ジェリーフィッシュレイク(パラオ)といった新コース」といった新コースを発売する。
このほか、2016年度の新商品として「一度は泊まってみたい 世界のホテル」を投入。旅行中にもっとも多くの時間を過ごす場所としてホテルに注目をした商品で、ランギロア環礁(タヒチ)の「星野リゾート キアオラ・ル・ソバージュ」、パリ(フランス)の「ラ・レゼルヴ」、クアラルンプール(マレーシア)の「ザ・マジェスティック・クアラルンプール 」など、世界中から19のホテルをピックアップした商品を展開する。