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高速道路の開通を即日反映するナビアプリメーカーは開通日に何をしているのか?

「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」の開通日実走テストに同行

2015年10月31日 実施

10月29日にバージョンアップしたゼンリンデータコムのスマホナビアプリ「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」

 10月31日15時に開通した圏央道 桶川北本IC(インターチェンジ)~白岡菖蒲IC間。この開通によって関越自動車道、中央自動車道、東名高速が高速道路で結ばれ、圏央道の利用価値は大きくなった。

 但し、利用価値が大きくなったとはいえ、実際に利用されなければ意味がない。新規開通道路を何度も取材しての経験だが、どんなに利用価値の高い道路も、開通直後は意外と空いている。開通直後は、地元の人や道路好きの人、そしてトラベル Watchの記事を読んでいる読者などにしか道路ネットワークが繋がる意味が理解されず、実際の利用者増はカーナビの対応や口コミでの利用価値の広がりを待ってからとなる。以前はそれが、約1年くらいという感覚を記者自身は持っていたが、新東名の開通では半年くらいで交通量が増加し、首都高 中央環状品川線(C2)開通では数カ月で増加しているように思える。もちろん、話題性、価値、行き止まり線の開通か全通か、などの条件によるのだが、道路の開通が知られるスピードが早まっているのは間違いないだろう。

 その、一端を担うのがいわゆるスマートフォン用ナビゲーションアプリ(スマホナビ)の普及だ。スマホナビでは、地図をサーバーに持つことにより、道路の開通情報を即日反映していくことが可能だ。ゼンリンデータコムの「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」のその1つで、10月31日15時の圏央道開通も即日反映されていた。

 そのゼンリンデータコムから、「道路の開通に伴う実走テストをするので一緒に行きませんか?」という話が来た。どちらにしろ開通日には取材があったので、実走テスト同行を承諾。当日開通セレモニーが行なわれる桶川加納IC(インターチェンジ)に向かった。

ゼンリンデータコムの実走テスト車。内部スペースに余裕のあるミニバンを使用している
サイドウインドーに取り付けられたスマホ。ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]が起動している
動画撮影機材。スマホ画面を常に撮影していた

 実走テスト車に乗り込んで驚いたのは、3台のスマホナビであるゼンリンいつもNAVI[ドライブ]が起動していること。運転用のナビはもちろん、確認用にサイドウインドーに2台スマホを設置、いずれもゼンリンいつもNAVI[ドライブ]が起動している。さらにその画面を撮影する動画カメラを2台(1台はムービー、1台はコンパクトデジカメの動画撮影機能)設置。それらで画面の挙動を確認しているのだという。

 10月31日15時過ぎ、開通渋滞の解消した桶川加納ICから圏央道に入り、まずは新規開通区間を通り東北道を目指す。そしてその後、一旦一般道に下り、再び新規開通区間を利用する形で東北道から関越道を走行した。

 その結果はというと、何ら問題なく新規開通区間を案内し、最大の見せ場(?)である新規設置PA(パーキングエリア)である菖蒲PA内の道路も表示。オンライン地図を活かしたスマホナビの利用価値の高さが実感できるものだった。

10月31日15時、圏央道開通。先導車が桶川加納ICへ入っていく
開通渋滞の終わったところで実走テスト車も圏央道へ
菖蒲PAでゼンリンいつもNAVI[ドライブ]を確認。開通日ながら、しっかりPA内部の道路を反映できている

 ゼンリンデータコムでは、事前にシミュレーションテストはしているものの、実際の道路を走ってのテストを行なうことで、正しい案内ができているかどうかを確認しているとのこと。撮影した映像は開発チームで共有し、改良や調整などに役立てていくという。

 また、このゼンリンいつもNAVI[ドライブ]は、圏央道開通の前々日にバージョンアップしたもので、ナビ中以外でも制限速度や合流地点を音声で知らせる業界初機能「セーフティガイド」を搭載。ルート走行をしていないときでも、「この先、制限速度は○○km/h です。」「この先、右からの合流があります。」と案内してくれる。道路の先に何が現われるか分かるなど初心者や初めての旅行先などには便利な機能で、機能のON/OFFもできるので適宜利用すればよいだろう。

10月29日のバージョンアップで加わった「セーフティガイド」。設定でON/OFFもできる

 道路、とくに巨額お金が注ぎ込まれた高速道路は使われてこそ意味のあるものだろう。最新の道路開通に対応するナビを使うことで、便利に移動できるようになったことを実感していただきたい。

(編集部:谷川 潔)