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ANA、神奈川県の魅力を国内外に発信する「Tastes of JAPAN by ANA KANAGAWA」の取り組みを紹介

黒岩知事らも参加し、神奈川県産品のグルメやお酒を紹介

2015年8月25日 実施

Tastes of JAPAN by ANA KANAGAWAの取り組みの一環として、成田空港および羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEで提供する「相模の赤玉子を使用したプリン」

 ANA(全日本空輸)は、地方の魅力を国内外に紹介するプロジェクトとして2013年9月より実施している「Tastes of JAPAN by ANA」の第9弾として、9月~11月に神奈川県、新潟県、滋賀県を取り上げることを8月10日に発表したことは既報のとおり。8月25日、このなかの神奈川県に関する取り組みを紹介する記者会見を横浜市のホテルニューグランドで実施した。

ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長 片野坂真哉氏
「Tastes of JAPAN by ANA」の概要

 会見の冒頭で挨拶したANAホールディングス 代表取締役社長の片野坂真哉氏は、「ANAは、日本の価値、魅力を世界へどんどん拡げていきたいと考えており、数年前から日本各地の各県産の魅力を世界に発信していきたいということで、3つの自治体を3カ月ずつ、4年かけてPRしていこうと、『Tastes of JAPAN by ANA』と申し上げているが、各地の観光資源を機内誌で紹介したり、食材を使った料理を機内食として出したり、羽田や成田、関空のラウンジで提供したりといった取り組みを続けている」とプロジェクトの概要を紹介。

 続いて、「ANAグループと神奈川県の繋がりは、なんといっても私達の主力の基地である羽田空港が、川崎市の多摩川を挟んで隣接しており、神奈川県の皆さんには羽田空港を利用いただき、私どもANAの飛行機をご利用していただいているということで、大変お世話になっている。また、私どもの機内食を作っているANAケータリングという会社は、川崎市の殿町(とのまち)にあり、こちらも大変お世話になっている」と、ANAと神奈川県の繋がりを紹介。さらに、片野坂氏自身が川崎市に30年住んでいることを明かし「神奈川県を愛する県民として、今日はゆるキャラの“かながわキンタロウさん”や“かながわ しずくちゃん”が来ていて、大変わくわくしているところ」と個人的にも興味ある取り組みである様子を見せた。

 また、「神奈川県の箱根に外国人がどんどん来ている。訪日外国人は今年に入っても勢いは止まらず、7月までに1000万人を超えて、今年は1900万人という予想もある。神奈川県の箱根、丹沢、横浜、鎌倉とか、枚挙にいとまがない観光スポットをどんどん紹介していきたい。黒岩知事は“箱根を守り抜こう宣言”を発し、私どもはTastes of JAPAN by ANAを行なう。旅行会社であるANAセールスが販売する旅行を通じてもPRしていきたい。食材については、神奈川県にもさまざまなブランド力のある食品がある。和牛、ポーク、箱根のお菓子といった、いろいろな代表的な食の文化を、機内やラウンジで紹介していきたいと考えている。お酒についても、空港のラウンジに作っている“國酒コーナー”で12銘柄を紹介することになっている」と取り組みの概要を紹介。

 「こうした魅力を、外国人、日本人、世界中の方々に神奈川の魅力をグローバルに発信できればと思っており、そのお手伝いをさせてただけることを感謝している」と述べた。

神奈川県知事 黒岩祐治氏

 来賓として挨拶した神奈川県知事の黒岩祐治氏は、「昨日、一昨日と韓国へ出張に行ってきたが、もちろんANAで往復してきた」とリップサービスからスタート。ANAの今回の取り組みについては「大きな可能性を感じている」という。

 「神奈川県は国際観光戦略に取り組んでいる。神奈川は、羽田空港がすぐに隣接している県。こういった地の利を活かして、外国からさまざまなお客さんをもっともっと引き込みたいと思っている。2020年には東京オリンピック/パラリンピックのセーリング競技の江ノ島開催も決まった。その前年となる2019年には、ラグビーワールドカップの横浜開催も決まっている。それらを契機として、もっともっと国際観光戦略を充実させていきたい。このようなプロジェクトは我々の思いをさらに広めていく非常に大きなチャンスなので、大いに活かしていきたい」と期待を寄せた。

公益社団法人神奈川県観光協会会長 斎藤文夫氏

 続いて挨拶した公益社団法人神奈川県観光協会会長の斎藤文夫氏は、「多摩川を挟んで、羽田空港が我が神奈川の庭と、このように位置付けている」としたほか、横浜港なども紹介し「国際線の出入りが海から空からできる神奈川に、多くの外国の方においでいただきたい」とインバウンド需要に期待を寄せる。

 開国の地である横浜、サムライの都である鎌倉、西に富士山を望む景勝地である江ノ島・湘南海岸、箱根などの観光地や、丹沢水系から作られる名酒など、数々の観光資源を紹介。この記者会見の場である、1929年(昭和4年)開業の由緒あるホテルニューグランドやロイヤルパークホテルなどを取り上げ「外国の方々においでいただいても、宿泊その他、十分な施設が我々神奈川にはある。神奈川には1億9000万人近いお客様がおいでになっており、外国人と接しても暖かさを持った接待ができる県でもある」と神奈川の強みをアピール。併せて「神奈川に多くの方においでいただけるよう、ANAにさらなる協力をいただきたい」と切望した。

神奈川県酒造組合会長 黄金井康巳氏

 このほか、記者会見には神奈川県酒造組合会長の黄金井康巳氏も列席。「現在、神奈川県には日本酒の蔵元が13場ある。主に県央から県西部に位置しているが、13の蔵のうち6割は江戸時代からの創業。すべての蔵が100年以上の歴史を持つ、神奈川の伝統産業として、日本酒造りを営んでいる。神奈川の日本酒は、各蔵の位置する豊かな水系を元に、それぞれの個性を活かした純米酒、吟醸酒を中心に徐々に生産量を伸ばしている」と、神奈川の日本酒を紹介。

 一方で、「横浜、川崎という大きな都市があるが、神奈川に蔵元があり、そして県内で美味しい日本酒が作られていることをご存じない方もたくさんいる。県央、県西部の豊かな自然環境のなかで、神奈川を代表する伝統産業として、育まれてきた神奈川の日本酒の美味しさを、さらに多くの皆様に知ってもらいたい。そして親しんでいただきたい。今後も機会あるたびに広報活動に励んでいきたいと思っている」と知名度向上が課題でもあるという。

 加えて、「神奈川を訪れる多くの皆様、また、2020年の東京オリンピックも見据え、外国人観光客のインバウンド需要拡大にも力を注いでいきたい。そのようななかで、神奈川の日本酒も力になれればと思っている。黒岩県知事にも、2014年末の県議会の一般質問のなかで、神奈川県産の日本酒の普及、そして需要拡大推進への協力の答弁もいただいているので、県を挙げての応援ももらっている。今後も神奈川の日本酒の質を高め、さらに多くの各蔵の個性に磨きをかけ、美味しい日本中造りに励んでいきたい」と意気込みを述べた。

片野坂社長(左)と黒岩県知事(右)
フォトセッションには、県のマスコットキャラクター「かながわキンタロウさん」や「かながわ しずくちゃん」も参加

Tastes of JAPAN by ANA KANAGAWAの取り組み

「Tastes of JAPAN by ANA KANAGAWA」での取り組みの全体像

 神奈川県は、「Tastes of JAPAN by ANA」のプロジェクトとしては初めての関東エリアとなる。食、スイーツ、お酒、文化をテーマにANAならではの切り口で国内外に情報を発信する。

 国際線および国内線のラウンジ、機内サービスで神奈川県の食の魅力を、機内誌の「翼の王国」や機内のビデオプログラムでは食や文化、観光の魅力を紹介する。

 このほか、Web通販サイトや空港販売店舗でも県産食品の販売などを行ない、ANAのWebサイト「ANA SKY WEB」でも本企画を掲載して告知を行なう。

機内やラウンジでの食事

 機内食では、日本発の北米路線ビジネスクラスで、「エッグベネディクト 湘南ポークのソーセージ添え」を提供する。ミニサイズのポテトパンケーキに半熟玉子を載せ、モルネーソースと湘南ポーク肉ソーセージでベネディクト風に仕上げたものとなる。

 また、日本発の欧米路線ファーストクラスの軽食として「湘南ポークの薄かつ丼」を提供。薄めの湘南ポークのロースカツに、特製のごま味噌ソースをかけている。

 いずれも提供期間は9月~11月。

日本発北米線のビジネスクラスで提供する「エッグベネディクトの湘南ポークのソーセージ添え」
日本発欧米路線のファーストクラスでは、軽食として「湘南ポークの薄かつ丼」を提供する

 羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGE内にある、注文を受けてから調理を行なう「DINING h」では、9月に「横浜ビーフ 黒毛和牛サーロインステーキ」を提供する。その名のとおり、神奈川県産の黒毛和牛サーロインステーキで、好みの焼き加減で注文でき、奄美塩や和風ソースといった好みの味付けで楽しめる。

 また、成田空港および羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEでは、天然由来の調味料で味を調えて小田原蒸しで仕上げた蒲鉾「小田原っこ」、神奈川県二宮町産のたまねぎを使用した「たまねぎドレッシング」、箱根の代表的景観である二子山を象った「箱根山まんじゅう」、無農薬かつ遺伝子組み換えのないトウモロコシを与えて育てた相模の赤玉子を使用し、コクとともに、懐かしさのある味に仕上げた「相模の赤玉子を使用したプリン」を提供する。これらは9月~11月の期間に提供される。

羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEにあるDINING hで提供する「横浜ビーフ 黒毛和牛サーロインステーキ」
成田空港および羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEで提供する、小田原蒸し蒲鉾「小田原っこ」
成田空港および羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEで提供する、神奈川県二宮町産たまねぎを使用した「たまねぎドレッシング」
成田空港および羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEで提供する「箱根山まんじゅう」
成田空港および羽田空港国際線のANA SUITE LOUNGEで提供する「相模の赤玉子を使用したプリン」

 このほか、羽田空港国際線のANA LOUNGEにある「國酒コーナー」には、1カ月ごとに4銘柄ずつ、月替わりで神奈川県の酒造メーカーが製造した日本酒を提供する。月ごとに提供する銘柄は下記のとおり。なお、神奈川県内には13場の蔵元があると説明があったが、泉橋酒造の「いづみ橋」については國酒コーナーで提供されない代わりに、後述の機内番組で紹介される。

9月:
「特別純米酒 松みどり 火入れ」(中澤酒造)
「吟造り純米 丹沢山」(川西屋酒造店)
「箱根山 純米酒」(井上酒造)
「曽我の誉 純米大吟醸酒」(石井醸造)
10月:
「白笹鼓(しらささつづみ) 自然酒 純米吟醸」(金井酒造店)
「大吟醸 杜氏のよろこび」(吉川醸造)
「酒田錦 吟醸辛口」(瀬戸酒造店)
「残草蓬莱 純米 緑ラベル」(大矢孝酒造)
11月:
「巌乃泉 本醸造」(清水酒造)
「吟望 天青 純米酒」(熊澤酒造)
「相模灘 特別純米」(久保田酒造)
「特別純米 盛升」(黄金井酒造)
羽田空港国際線のANA LOUNGEにある「國酒コーナー」で提供する神奈川県の酒造メーカーによる日本酒
9月提供の日本酒。左から「特別純米酒 松みどり 火入れ」「吟造り純米 丹沢山」「箱根山 純米酒」「曽我の誉 純米大吟醸酒」
10月提供の日本酒。左から「白笹鼓(しらささつづみ) 自然酒 純米吟醸」「大吟醸 杜氏のよろこび」「酒田錦 吟醸辛口」「残草蓬莱 純米 緑ラベル」
11月提供の日本酒。左から「巌乃泉 本醸造」「吟望 天青 純米酒」「相模灘 特別純米」「特別純米 盛升」

機内サービスやWeb通信販売

 国内線の機内有料サービス「ANA MY CHOICE」では、横浜中華街で60年以上の歴史を持つ北京飯店で人気の「牛ヒレ肉中華カレーライス」を元にしたチップス「北京飯店 中華“カレー”ライス」(カレーは口へんに加、口へんに厘の漢字表記)のANAオリジナルパッケージを販売する。

 期間は9月~11月で、国内線全路線で販売する。

ANAオリジナルパッケージの「北京飯店 中華“カレー”ライス」(カレーは口へんに加、口へんに厘の漢字表記)

 このほか、ANAの通販サイト「a-style」などでは、横浜のスイーツショップ「ウイッシュボン」の「<ウイッシュボン>横浜セット」のほか、「やまゆり牛しゃぶしゃぶモモ500g」「<聘珍樓>飲茶セット」の販売を行なう

機内番組「SKY EYE ~空からのメッセージ~」や機内誌での情報発信

 日本各地の魅力を伝える機内番組「SKY EYE ~空からのメッセージ~」では、「SKY EYE ~空からのメッセージ~ 神奈川編」と題し、ドローンを使った空撮も交えて、三渓園や湘南・江ノ島海岸、横浜中華街などの観光地や、名産品、グルメなど神奈川県の魅力を伝えるオリジナル番組を放映する。テーマ曲は最初の「SKY EYE ~空からのメッセージ~」から担当している、茅ヶ崎市出身の姉妹デュオ「MARIERIKA」さん。今回のテーマ曲には新曲の「雅 -miyabi-」が用いられ、会場では生演奏も行なわれた。

 「SKY EYE ~空からのメッセージ~ 神奈川編」は、国内線では10月の奇数便、国際線では10月~12月の全便で上映される。

 機内誌「翼の王国」の10月号では、記者会見の会場でもあるホテルニューグランドのカクテルを紹介。日本における西洋文化の窓口として活躍してきた横浜の象徴的存在であり、イギリス皇族やチャーリー・チャップリンなど海外の賓客、著名人に愛されてきた同ホテルの代名詞的存在であり、その歴史を見守ってきたカクテルに焦点を当てた内容となっている。

機内番組「SKY EYE ~空からのメッセージ~ 神奈川編」
「SKY EYE ~空からのメッセージ~」のテーマ曲を担当する茅ヶ崎市出身の姉妹デュオ「MARIERIKA」さん
機内誌の「翼の王国」では、10月号でホテルニューグランドのカクテルを取り上げる
会場では「SKY EYE ~空からのメッセージ~ 神奈川編」のテーマ曲「雅 -miyabi-」の生演奏も行なわれた

(編集部:多和田新也)