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日本旅行業協会、東京都とともにインバウンドセミナー

東京都は、東京ブランド公式サイトで東京の魅力を訴求

2015年7月14日 開催

 JATA(日本旅行業協会)は7月14日、東京都産業労働局観光部と共同で「JATAインバウンドセミナー」を主に会員企業向けに開催した。

 このインバウンドセミナーは、東京都や関東などへの訪日外国人旅行者増加を目的とするものとなっており、東京都産業労働局観光部からは東京のブランディング戦略が、観光庁からは国際観光施策についてなどが講演された。

東京都産業労働局観光部 シティーセールス担当課長 前田千歳氏

 セミナーの冒頭、JATA関東支部インバウンド委員会委員長より挨拶が行なわれた後、東京都産業労働局観光部 シティーセールス担当課長 前田千歳氏より、「東京のブランディング戦略」が語られた。

 前田千歳氏は、3月の終わり策定したという東京都のブランドステートメントを紹介。これが東京都としてインバウンド需要に取り組む方向性になるという。


ブランドステートメント

東京。
ここには日本の変わらぬ伝統がある。
この街が生み出すユニークな文化がある。
おもてなしの心から生まれる洗練された時間がある。
最先端の技術がかなえる快適な日々がある。

今日も東京は、全ての人々が主人公となって、
あらゆるモノやコトを革新し続けている。
そこから生まれる様々なスタイルと
未来につながる暮らしが、新しい体験を創り出す。

東京、それは訪れる度に想像を超えた感動に出会える街。
そして自分だけの東京を発見する歓びを味わえる街。


 このブランドステートメントに、東京の魅力を集約。前田氏によると、パリとかニューヨークは街のイメージがハッキリしているものの、旅行先としての東京はイメージがハッキリしていないという。東京を、観光地としてしっかり認識してもらい、ニューヨークやパリと違う、東京としてのイメージを確立するという。

 そのための5つの価値として、「Unique」「Excellent」「Exciting」「Delight」「Comfort」を訴求。Uniqueでは相撲やアニメキャラなどの文化を、Excellentでは工芸品やロボットなどの品質を強く打ち出し、「伝統と革新が交差しながら、常に新しいスタイルを生み出すことで、多様な楽しさを約束する街。」といったことを訴求していく。

 今後、「I Love NY.」など外国人に分かりやすいよう、東京のキャッチコピーをロゴにしたものを制作。東京をブランディングしていく。

 そのため専用Webサイト「東京ブランド公式サイト」も5月27日に正式オープンさせたほか、企画商品も開発。東京ブランドのアンバサダーも2名にお願いする。

 そのような活動を通じて、訪日外国人旅行者に東京に来ていただき、「あ、とうきょうっていい街だな」と改めて思ってもらうとともに、「『東京はよかったよ』と認識してもらうことで、リピーターの獲得などを図っていきたい」と述べた。

 観光庁からは、国際観光課外客誘致室 課長補佐 半田雅則氏が「国際観光施策について」と題した講演を実施。先日観光庁が発表した2015年版の観光白書から、主に関東・東京に関する部分を紹介していた。

 関東運輸局 企画観光部 国際観光課長 神村正巳氏は、今回のセミナーの出席者が各旅行代理店の若手を含む実務者であることから、日本がインバウンド戦略に取り組む意義を説明。そのほか、はとバス、NPO法人秋葉原観光推進協会などの講演が用意されていた。

観光庁 国際観光課外客誘致室 課長補佐 半田雅則氏
関東運輸局 企画観光部 国際観光課長 神村正巳氏

 江戸幕府開闢以来、日本文化の最先端を担ってきた東京都が、拡大するインバウンド需要に本気で対応していくようだ。

(編集部:谷川 潔)