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交通新聞社、タブレットで使える「デジタルJR時刻表」の便利な使い方を解説
(2015/5/21 20:34)
- 2015年5月28日 サービス開始
交通新聞社は5月15日、「JR時刻表」のタブレットアプリ版「デジタルJR時刻表」を発表した(http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150515_702137.html)。サービス開始の5月28日に先立ち、報道関係者向けに同アプリを実際に用いての説明会が行なわれた。
デジタルJR時刻表は、交通新聞社が発行しているJR 6社や国内航空路線などをカバーした「JR時刻表」と、首都圏100kmエリアのJR、私鉄、地下鉄をカバーする「MY LINE 東京時刻表」、計約2000ページの時刻情報をすべて収録したタブレット向けアプリだ。
対応機種はiOS 7.0以降を搭載するiPad、iPad miniおよび、Android 4.2~4.4、1200×1920ドット以上のディスプレイを搭載するタブレットで、スマートフォンには対応しない。
価格は利用日数に応じた価格プランになっており、30日960円、180日5400円、365日9800円のプランが用意される。初回インストールから14日間は全機能を無料で利用できる。14日を過ぎて費用を払っていない場合は経路検索など一部機能のみの利用に制限される。
なお、本アプリのリリースを記念したキャンペーンを5月28日~7月31日に実施。期間中は、30日480円、180日2800円、365日4800円と、およそ半額程度で購入できる。
収録されるデータは、リリース時点では6月号の内容となる。その後は、書籍版発行日(毎月20日発売、一部月は25日発売)から2~3日後ごとに毎月アップデータを提供。アプリのトップ画面に更新の案内を表示する。なお、アップデータを適用する場合には、前月分の情報は削除されるとのこと。バックナンバーを揃えているような読者にとっては、デジタル版への完全な置き換えは難しい。
ちなみに、書籍版のJR時刻表に掲載されている全国の特急系統図や、MY LINE 東京時刻表に掲載されている「鉄道職人に聞く。」コーナーなどは、デジタル版には収録されていない。一方、詳しくは後述するが、定期運行している新幹線およびJR特急列車の全座席表や、一部の駅構内図など、デジタル版のみに収録されるコンテンツもある。
デジタルJR時刻表の利点を解説
同社が報道関係者向けに実施した説明会では、ニュースリリースにも記載された同アプリの特徴に沿って、その利便性の紹介があった。順に説明していく。
特定列車、特定駅の時刻のみの絞り込み表示
特定の列車や、特定駅の時刻のみを絞り込めるほか、さらにその双方を組み合わせた表示が行なえる。
例えば、東海道・山陽新幹線には「のぞみ」「ひかり」「こだま」「さくら」「みずほ」といった列車があるが、このうち「のぞみ」だけを絞り込んで表示できる。また、駅についても新大阪駅、名古屋駅、東京駅のみの時刻だけを、着時刻/発時刻別に表示するかどうかを選択できる。さらに、この両機能を組み合わせて表示することも可能だ。
このほか、書籍版時刻表では始発駅の時刻順に掲載されているが、特定駅を基準にして並べ替えることもできる。
こうした絞り込みの結果は、ブックマークとして記録しておくことができ、次回同じ条件で検索する場合の手間を軽減できる。ブックマークは最大24個記録しておける。管理画面では並べ替えが可能で、上位12個のブックマークについては、アプリを起動したときのトップページにショートカットボタンが表示される仕組みになっている。
ちなみに、よく使う路線の時刻表へ簡単にアクセスできるようにしておきたい場合など、表示の絞り込みを行なっていない状態なども含めてあらゆる画面へのショートカットを作成できる。
全列車、全駅で乗り継ぎ列車時刻をワンタッチで表示
すべての列車と駅で、到着後の乗り継ぎ列車を簡単に調べられるようになっている。時刻表画面から、降車する駅の着時刻をタッチすると、到着時刻以降にその駅から出発するすべての路線の列車が一覧表示される。
この乗り継ぎ列車の表示は、新幹線から在来線、在来線から在来線への乗り継ぎなど、すべての乗り継ぎに対応できるが、乗り継ぎに必要な時間は考慮されていない。そこで、「5分後」ボタンが用意されており、以降の列車も簡単に調べられるようにすることでカバーしている。
複数路線の時刻表を1画面に表示
乗り継ぎ先の路線で乗車列車を決める場合なのに便利な機能として、複数路線の時刻表を1画面に表示する機能が提供される。
例として、北陸新幹線を使って東京駅から長野駅へ行き、そこから篠ノ井線に乗り継いで松本駅へ行く、といった場合、東京~長野間の新幹線時刻表と、篠ノ井線の時刻表を1画面に表示し、各時刻表別にスクロール操作ができるようになっている。この例で言えば、長野駅で食事や観光などを行なうために、次の乗車までに時間を空けたいといったケースで利便性が高く、一直線のルートを示す経路検索とは一線を画す機能になっている。
ただし、この複数路線の時刻表表示機能では、経路検索のように駅名を直接入力して表示するといったことはできず、路線時刻表を辿っていく必要があるとのことだ。
そのほかの機能
時刻表をデジタル化したことによるメリットはこのほかにもある。例えば、タブレットが通信可能な状態にあれば、リアルタイムに運行情報を取得することができる。現在表示させている時刻表の左下部分に、表示させた時点での運行情報の有無が表示され、運行情報がある場合は赤色で表示される。
また、書籍版は1カ月に1回の発行となるが、デジタル版では随時アップデートが可能なことを活かして、例えば災害や事故などで一定期間の運休が見込まれる場合には、その時点でアップデータを提供する予定としている。
多くの乗り換え案内サイトなどでは、駅名を入力して設定する必要があるが、本アプリは地域別に分けられた路線図を表示可能で、そこから駅名や路線名をタップすることで時刻表を表示したり、経路案内を表示したりできる。
路線図はピンチイン/アウトで拡大/縮小できるほか、東京や大阪、名古屋など交通網がきめ細かい地域については、別途画面が用意されている。
また、駅名をタッチした場合は、出発駅や到着駅としてその場で指定でき、そのまま経路案内へと変遷させることもできる。経路案内については別途専用の画面も用意されている、そちらからは経由駅を最大3駅指定しての検索も可能。
経路の検索結果では、ICカード運賃と切符利用運賃を切り替えて表示できるほか、定期運賃の表示も可能となっている。