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11月19日オープンの「EXPOCITY」は“USJに匹敵する施設”

記者会見で紹介されたEXPOCITYの概要

2015年11月19日 オープン

2015年11月16日 内覧会実施

 大阪府吹田市の万博記念公園内の大型複合施設「EXPOCITY」が11月19日にオープンする。オープンに先立つ11月16日に記者会見と内覧会が行なわれた。本稿では記者会見の模様をお伝えする。

 EXPOCITYは三井不動産が開発、三井不動産商業マネジメントによって運営・管理される大型複合施設。所在地は大阪府吹田市千里万博記念公園2-1で敷地面積は17万2000m2。8つの大型エンターテイメント施設と、全305店舗から成る大型商業施設「ららぽーとEXPOCITY」で構成される。

 会見に先立ち行なわれた竣工記念パーティーで、三井不動産 代表等取締役社長 菰田正信氏は「国内外の皆様にとって親しみのある万博記念公園において、土木建築が複雑で難工事であった。『遊ぶ、学ぶ、見つける楽しさを一つに』をテーマに、これまでにない体験と感動を提供する日本最大級の大型複合施設として、45年前の熱気とにぎわいを呼び覚ますことができるような施設を目指し、EXPOCITYから新しい感動体験を配信していきたい。」と挨拶した。

 続いて挨拶をした大阪府副知事の小西禎一氏は「関西ではものすごく注目されている。TVによるとUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に匹敵する施設になるとも言われ、海外からの旅行客の滞在日数を伸ばすことに貢献するのではないだろうか。2020年には万博開催から50周年を迎える。それに向けてより魅力ある万博記念公園にしようと将来ビジョンを作成し、太陽の塔の耐震改修などを含め検討をしている。交通渋滞が懸念されているので、是非来場にはモノレールを利用してほしい。」と公共交通機関の利用を呼びかけた。

 また、吹田市長の後藤圭二氏は「私も小学校6年の時に万博を見に行った。吹田市民の心の底に刻まれている思い出であり、我々の太陽の塔という思いがある。EXPOランドが閉園し、市民のどこかに寂しいという思いがあった。EXPOCITYはまさに1つの市だと感じている。滞在型でエンターテイメントがあり、喜びを感じて買い物ができるという新しいコンセプトに大変期待をしている。連日来ては晩ご飯を食べたい。」と開業への期待を語った。

三井不動産株式会社 代表取締役社長 菰田正信氏
大阪府副知事 小西禎一氏
吹田市長 後藤圭二氏
登壇した、(左から)三井不動産株式会社 菰田社長、大阪府副知事 小西氏、吹田市長 後藤氏

日本一、日本初となる8つの大型エンターテイメント施設

「記憶・歴史を未来へと繋ぐ」をデザインコンセプトに、周囲に広がる万博記念公園の豊かな自然環境に融け込み、にぎわいを感じられるデザインとした。EXPOCITYの8つのエンターテイメント施設は、EXPO'70(大阪万博)のパビリオンのようにゆるやかに繋がって1つの街を形成するようなデザイン。中央には直径60mを超えるの大型の屋外広場「空の広場」が広がり、ステージでのイベントや噴水では三波春夫の「世界の国からこんにちは」を2015年バージョンにアレンジした曲に乗せた演出を楽しめる。

 ショッピングモールであるららぽーとEXPOCITYの内部空間は「この地の歴史と未来」をテーマに、大阪北部北摂の丘陵をモチーフとした中庭が特徴の西側モール「グリーンサイド」と、丘陵に現れた未来的な街並みを表現した、多面体の天井が特徴的な東側モール「オレンジサイド」からなり、ショッピングモール中央の「光の広場」は自然光を取り込んだ吹き抜けの開放的な空間とした。

 8つの大型エンターテイメント施設のうち、教育性とエンターテイメント性を併せ持つ5つのエデュテイメント施設が大きな特徴となっている。

「NIFREL」は大阪市天保山にある海遊館がプロデュースする、水族館、動物園、美術館が融合したこれまでにない「生きているミュージアム」で、生物の進化、特性などをテーマごとに7つの空間で表現。アートを楽しむかのように動物の生態を見ることができる。

「OSAKA ENGLISH VILLAGE」はアメリカの街並みをイメージした空間で英語を学ぶことができる日本初の体験型英語教育施設で、子供のみならず大人も利用することができる。アメリカの放送局CNNと提携した「CNNカフェ」の日本1号店も併設される。

「ポケモンEXPOジム」は、ポケモンの世界観の中で子供たちのコミュニケーション能力を育む、ポケモンプロデュースとしては日本初のエンターテイメントに教育的要素を兼ね備えた施設。

「オービィ大阪」は、イギリスの公共放送BBCが撮影した大自然の映像に、温度や香り、風、ミストなどの演出を加え、映像の中の世界を5感で体感できる施設で2016年春にオープン予定。隣接するショップとレストランオリエンタルスプーンはEXPOCITY開業と同時にオープンする。

「ENTERTAINMENT FIELD」は、世界中の子供たちに人気のイギリス発のクレイアニメ「ひつじのショーン」をテーマにした体験型アミューズメントパークで、自分が描いた乗り物や生き物がすぐに3D映像になり、スクリーンのなかで動き出すアトラクション。今人気のアーティスト集団チームラボによる関西初のアトラクションとなる。

「109シネマズ大阪エキスポシティ」は、11スクリーンを備える大型シネマコンプレックス。メインスクリーンは高さ18m、幅26mを超える日本最大級の巨大スクリーンと高解像度のプロジェクターを備える次世代IMAXシアターで、映画のシーンにあわせて風、におい、水しぶきなど15種類の特殊効果が観客を刺激する次世代の4DXシアターも併設。次世代IMAXと4DXの2つを導入したシアターは世界初となる。

「ANIPO」は、移動遊園地をモチーフとした施設で幼児から大人までが楽しめる4種類のアトラクションを設置。

「REDHORSE OSAKA WHEEL」は、日本一の高さを誇る直径120mを超える大観覧車で大阪の街並みと夜景が一望できる。豪華なVIPゴンドラやシースルーゴンドラなど特徴的なゴンドラも用意する。併設するショップとカフェはEXPOCITYと同時オープンするが、観覧車は2016年春の開業を目指す。

「ららぽーとEXPOCITY」には305店舗を集積。EXPOの名を背負うにふさわしいグローバルブランドが軒を連ね、48店舗が関西初出店する。ジャパンカルチャーの集積としてガンダムをはじめとするキャラクターショップが出店。

 高さ約5mのガンダムとシャア専用ザクのジオラマが登場し、ガンダムとシャアの2体が並ぶジオラマは日本初。併設するガンダムカフェは関西初出店でこの店舗限定の商品も用意する。

 市立吹田サッカースタジアムに隣接することから、スポーツファンが集う地にふさわしい、スポーツブランドから本格アウトドアショップまでスポーツブランドショップも幅広く充実する。

「食」にもエンターテイメント、コンセプトは「3世代にわたって楽しめる」

ららぽーと3階のフードコート「FOOD PAVILION」。入り口にはEXPO'70の制服や当時のグッズが展示され、床には公式マップが広がる

 飲食店は18店舗から成る3層構造の外部レストラン棟「EXPO KITCHEN」と、ららぽーと3階の17店舗から成るフードコート「FOOD PAVILION」の2カ所にEXPO'70を彷彿させる世界各国のグルメが勢揃い。

 EXPO KITCHENの下層階には子供から大人まで楽しめるエンターテイメントレストランを集め、EXPO'70で話題を呼んだ世界各地のメニューを提供する「万博食堂」や、EXPO'70に日本初出店をしたケンタッキーは日本で唯一ビュッフェスタイルとなる新業態の店舗を出店。上層階は地元関西の人気店や外国人旅行客に対応したハラール認定の店舗も出店する。

 フードコートのFOOD PAVILIONは、約1200席の大空間で、万博のわくわくするような雰囲気を演出。EXPO'70を想起させるエリアがあり、太陽の塔を眺めながら食事をできるスペースや、キッズスペースも用意する。地元大阪からはたこ焼き発祥として知られる「会津屋」やオムライスの有名店「北極星」、関東から出店する天丼の「金子半之助」やつけ麺の「つじ田」の他、全国のご当地どんぶりが食べられる「ご当地丼ぶり屋台」など全17店舗で世界のグルメを楽しめる。

 レストラン棟、フードコートについては別記事でお伝えする。

地元と連携した情報発信基地

 EXPOCITYでは地域限定のTV放送であるエリア放送を実施。ららぽーとの中のスタジオ「EXPOTV(仮称)」を開局し、施設内に設置された約100台のモニターで施設情報や周辺エリアの情報を発信をしていく。

 また地元吹田市と連携し、吹田市の情報発信プラザ「Inforestすいた」ではEXPO'70の展示コーナーや地元吹田の魅力を発信するパンフレットの配布やオリジナルグッズの販売などを行なう。

自動車、鉄道でのアクセスが良好な立地

直径60mの円形の芝生広場「空の広場」。赤色のエリアは噴水で15分ごとに「世界の国からこんにちわ」のメロディーに合わせた演出を楽しめる

 EXPOCITYは名神高速道路と中国自動車道、近畿自動車道が交わる吹田JCT(ジャンクション)に近接し、車でのアクセスも良好。大阪モノレール万博記念公園駅徒歩2分で、大阪国際空港(伊丹空港)から約20分、新大阪駅から約30分という好立地。

 オープンに合わせ、鉄道、バス各社と連携してお得なきっぷの設定やバス路線の新設を実施している。鉄道会社との連携として「EXPOCITYグランドオープン記念1dayチケット」を2015年11月19日から2016年1月11日まで数量限定で販売する。このチケットは、ららぽーとEXPOCITYで使える500円分のお買い物券と大阪モノレール万博記念公園駅~私鉄各社接続駅までの往復券、各私鉄エリア乗り放題の3つがセットになった切符で、大阪市交通局版が1500円、北大阪急行版が950円、阪急版が1500円、京阪版が1500円でいずれも大人のみの設定。有効区間とモノレール接続駅などの詳細はEXPOITYまたは私鉄各社のホームページなどでご確認いただきたい。

 またJR茨木駅から万博記念公園へのバス路線を新設し日中15分間隔で運行されるほか、京都駅・京都女子大学から万博記念公園駐車場までの高速バスを1日2本程度新設する。

 車でのアクセスは、名神高速と近畿道の吹田IC(インターチェンジ)、中国道の中国吹田ICが最寄りのICとなる。駐車場は約4100台を備えるが、立体駐車場のため2.3mの高さ制限があるので注意が必要。また、万博記念公園や吹田サッカースタジアムなど周辺施設でイベント実施日には利用者以外の駐車を制限するための特別料金の設定を行なうとしている。

 管理・運営する三井不動産商業マネジメントによると、通常期で年間1700万人が来場、そのうち車の利用者が55%、公共交通期間利用者が45%と見込んでいるが、近隣の渋滞などを回避するためにも、パークアンドライドなどを利用し、公共交通機関での来場を呼びかけている。

(鈴木崇芳)