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NEXCO中日本、将来の高速道路事業を担う大学生向けの現場見学会を実施(前編)

2018年度開通を目指す新名神 亀山西JCTの安楽川橋

2017年2月24日 実施

今回公開された新名神高速道路の亀山西JCT、安楽川橋(仮称)建設現場。すでに開通している高速道路に挟まれる形で工事が行なわれていた

 NEXCO中日本(中日本高速道路)は2017年2月24日、土木技術者を目指す大学生や、高速道路の事業に興味がある大学生・大学院生を対象に高速道路の魅力や役割を伝え、今後の研究などに役立てもらうことを目的とした建設現場や施設の見学会を実施した。

 同社はこれまでも高速道路の沿線地域の住民や小・中学生を対象とした建設現場の見学やはたらく車両の乗車体験等を行なってきたが大学生・大学院生に向けた見学会は初の試みだ。

 公開されたのは、同社が2018年度の開通を目指している新名神高速道路の亀山西JCT(ジャンクション)安楽川橋(三重県亀山市・仮称)の建設現場と、E-MAC技術研修センター(岐阜県各務原市)の2カ所。本稿では前編として安楽川橋建設現場の見学会を紹介する。

我が国のインフラ事業の将来に興味をもつ39名の学生が建設現場を見学

建設中の高架を見上げる参加者に説明するNEXCO中日本の橋場幸彦氏

 定員を超える応募のなか、抽選で選ばれた当日の参加者は39名。理系の学生が33人、文系は3名の女性参加者を含む6人で、東京都、福岡県、富山県、福井県など中部圏以外からの参加者も多く、その熱意がうかがえた。

 見学したのは現在建設中の新名神 新四日市JCT~亀山西JCT(23.4km)の亀山西JCT部分。下を流れる安楽川をまたぐ高架部分の建設現場だ。見学前に新名神高速道路事業のPRを行なう「虹のハイウェイ館」で概要説明を受け、ここでヘルメットと反射板の付いたベストを受領。バスで現場に向かい、橋の上部とたもとの2カ所を見学した。

 スケジュールの都合で短時間の見学にとどまったが、「普段、完成形しか見ることのできない高速道路の建設現場で、そのスケール感を感じてほしい」と、現地での説明にあたったNEXCO中日本 名古屋支社 四日市工事事務所 副所長 橋場幸彦氏の思いのとおり、参加した学生たちは間近に見る巨大構造物の迫力を感じ取っていたようだ。実際橋脚のたもとから見上げる真新しいコンクリートと、まだ鉄筋がむき出しになっている建設中の橋の迫力は、開通後にはなかなか味わえない独特のものだ。

 いままでの建設現場公開は、沿線住民に理解を求めるためのものが多かったが、今回のような、インフラ事業に携わることを目指す学生への見学会の実施は、学生にとっても、将来学生を受け入れる側の企業にとっても、意義深いものであろう。

写真右上の地図、ピンクの星印が今回の見学箇所
「虹のハイウェイ館」で参加者は工事概要の説明を受けた
これから見学する場所の説明とあって参加者は皆真剣だ
説明後、参加者を乗せたバスは現場見学へ
大型の観光バスが山間の工事現場へ進む
まずは橋の上部でヘルメットとベストを身に着け降車
現場担当者から説明を受ける参加者
橋のたもとからの見学
開通直前の一般公開は近年多く見られるが途中の公開は珍しい
こちらでも説明があった
建設中の橋には波型鋼板ウェブ箱桁(白い部位)と呼ばれる構造が見られる
隣の既存開通区間の外観はすべてコンクリート。並んでいるとその違いが見られて面白い
説明を受ける参加者も興味津々だ

 なお今回学生たちに概要説明を行なった「虹のハイウェイ館」は一般公開されているので誰でも見学可能だ。

新名神高速道路事業のPRを行なう「虹のハイウェイ館」。こじんまりとした建物で、一見簡素な展示だが、その内容は濃く、充実している
パネル展示も充実。今回見学した安楽川橋(仮称)の説明も充実している
使われている部材を手にすることができる。表面の質感の違いや、思いのほか重かったり軽かったりする部材を自分で体感するのはなかな面白い

 現在建設中の新名神 新四日市JCT~亀山西JCTは、東名阪自動車道の四日市JCT~亀山JCTの西側をほぼ並行し、今回建設現場を見学した亀山西JCTで新名神の開通済み区間に接続するため、現在の東名阪自動車道の大幅な渋滞緩和が見込まれている(全線開通は2018年度の予定)。

現在の東名阪自動車道の大幅な渋滞緩和が見込まれる新名神高速道路 新四日市JCT~亀山西JCTの全線開通は2018年度の予定だ(NEXCO中日本Webサイトより)