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「星のやバリ」オープン前日に東京でバーチャル内覧会
1月20日開業
2017年1月19日 22:36
- 2017年1月20日 開業
星野リゾートは1月20日にインドネシアのバリ島・ウブドに「星のやバリ」を開業するにあたり、19日に東京オフィスで発表会を開催した。
発表会では星のやバリの概要説明や現地とのネット回線を使った施設紹介、ウブドの観光情報の紹介などが行なわれた。
星のやバリは「星のやのクオリティをしっかり反映したよい施設だと思う」
発表会ではまず、星野リゾート代表の星野佳路氏が登壇し、星野リゾートと星のやバリの概要について説明した。
長野県軽井沢町で温泉旅館としてスタートした星野リゾートは2017年に103年を迎えたが、当初は一貫して行なっていた宿泊施設の所有と運営を切り離し、運営に特化したことが星野リゾートの特徴であり、成長の一因であると紹介。
個人投資家が日本の観光の成長に投資できる環境を作るために星野リゾート・リートを立ち上げ、多くの宿泊施設をリートが所有し、それを星野リゾートが運営する、という形で成長パターンを構築できたと説明した。
「星のや」ブランドとしては、2005年の軽井沢開業から始まり、2009年開業の京都はコンデナスト・トラベラーのゴールドリストに3年連続で登録されていることに触れ、武富島が2012年、富士が2015年、東京が2016年と順調に開業していることを紹介しつつ、「星のや」ブランドの6軒目として、海外初展開として星のやバリが1月20日に開業すると話した。
新築での海外開業が初めてということもあり、当初2014年9月のオープン予定だったものが2017年1月となってしまったことを振り返りつつも、「海外で工事を行なうことがいかに大変なことか、学ぶことができました。しかしながら、オーナーは質にこだわってくださって、星野リゾートが設計・企画したものを再現できたと思います。星のやのクオリティをしっかり反映している、よい施設ができあがったと思っています」と語り、挨拶を終えた。
バリ島への観光客数は増加傾向
続いてインドネシア共和国 観光省 ビジットインドネシアツーリズムオフィス 日本地区事務所代表の成田忠彦氏が登壇し、バリ・ウブドの観光について説明した。
インドネシアは赤道直下、東西5120kmにわたる大きな島嶼国家であり、その中心付近にバリ島がある。人口は約390万人で、約90%がバリ・ヒンドゥー教を信仰している。
インドネシアを訪れる外国人は2015年は1040万人を記録、2016年は11月までの調査で前年の1040万人を超え好調であると紹介。訪問・滞在地の内訳としては、バリ、ジャカルタ、バタムの3カ所が多いという。
バリ島にフォーカスすると、外国人のバリ島への訪問者数は2007年から増加傾向にあり、2013年のデンパサール空港改修からさらに数字が増えていると紹介した。国別の訪問者数トップ15カ国を見ると、1位はオーストラリア、2位は中国、数字としては離れているが3位に日本が入っている。
ウブドはバリ芸術・芸能の中心地
バリ島は南に主立った観光スポットが集まっており、サヌールはバリでも古い観光地。ヌサ・ドゥアやジンバランが新しく開発された観光地。そしてバリ島の中心寄りにあるのがウブド。
ウブドは昔から欧州の人たちが別荘を所有することが多い土地で、本国から招いた人をウブドの別荘に泊めたことから、「ヴィラ」という名前で宿泊のビジネスが始まったといわれているそうだ。
1960年~1970年代はバリ島は欧州や米国が主要な観光地として利用しており、1970年代から日本からの観光客が徐々に増えてきた。
ウブドは高原リゾートエリアであり、バリ・ヒンドゥー教徒の信条である「トゥリ・ヒタ・カナラ」が根付いており、「人と神の調和」「人と人の調和」「人と自然の調和」という考えが受け継がれているという。
バリの伝統芸能は本来神様に捧げるものだったが、それを観光客にも見られるように確立されており、特にウブドは伝統的な華やかな祭礼・儀式など、昔ながらの文化・生活を体感できることが魅力だという。
2012年にユネスコ世界遺産となった「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナ哲学にもとづくスバック灌漑システム」は、建造群や湖、景観などをまとめたもので、そのなかにスバックシステム(水の分配)と棚田が含まれている。
このスバックシステムは星のやバリからみて北に広がるエリアについて世界遺産登録されたもので、そこから分配された水が、星のやバリの敷地内を流れているそうだ。
ウブドは特にスピリチュアルなエリアとして知られているそうで、癒しの効果を活かした伝統の高原スパや芸術・伝統のプログラム、これらが世界中にウブドを知らしめた要因となっているという。
2017年にウブドで開催される注目イベントも紹介された。「バリ・スピリット・フェスティバル2017」は3月19日~26日に開催され、世界中から7000を超える音楽愛好家が集まる、インドネシア最大の音楽とダンスの祭典だという。
最後に成田忠彦氏は、「星のやバリは、2017年のウブド観光の起爆剤になるのではと期待しております」と挨拶し、バリ・ウブドの説明を終えた。
星のやバリ
開業日:2017年1月20日
敷地面積:約3ヘクタール
客室数:全30室
チェックイン/チェックアウト:15時/12時
所在地:Br. Pengembungan, Desa Pejeng Kangin, Kecamatan Tampaksiring, Gianyar 80552 Bali, Indonesia
アクセス:デンパサール空港からクルマで約70分
Webサイト:星のやバリ
発表会では星のやバリとネット回線によって中継が行なわれ、星のやバリの総支配人である伊藤靖兼氏が、星のやバリについて現地からプレゼンを行なった。
星のやバリはバリ島の高原避暑地ウブドにあり、南部のデンパサール空港からクルマで約70分(47km)。星のやバリは約3ヘクタールの敷地に30室の客室と運河プールがある客室エリアと、スバックという水路を挟んだ谷側のパブリックエリアから構成されている。
3本の運河のようなプールに沿って30棟のヴィラが建ち並んでおり、ヴィラは3タイプ。すべてのヴィラから最長70mの運河プールにダイレクトアクセスできるようになっている。
3タイプあるヴィラについても説明があった。「ヴィラ・ブラン」(Bulan:月)は広さが208m2で定員は3名。寝室、浴室、ガーデンテラスがあるフロアから1フロア下がる形で、運河プール沿いにくつろげる「プールサイドリビング」が用意されている。
「ヴィラ・ソカ」(Soka:山丹花)は広さが187m2で定員は2名。メゾネットタイプで1階には室内のリビングと「プールサイドリビング」の2種類があり、2階には書斎を備えた寝室が設けられている。
「ヴィラ・ジェラク」(Ja l ak:カンムリシロムク)は広さが198m2で定員は3名。ガーデンテラスやリビング、寝室などが、段差が少ないフラットフロアにレイアウトされている。
設計のこだわりとしては、、すべての客室にあるガゼボ(東屋)、運河プールへのダイレクトアクセスはもちろん、インドネシアの熟練の職人が手彫りしたストーン/ウッド・カービングが大きな特徴だと説明した。
星のやバリのパブリックエリアでは、スパや食事を提供
続いてパブリックエリアについても紹介された。「カフェ・ガゼボ」は「ジャングルのなかで浮かんでいるような感覚を楽しめます」と伊藤靖兼氏が語るように、鳥かご状の谷底に浮いているような、浮遊感のあるガゼボが設けられ、そのなかでインドネシアのフルーツを使用したスムージー、インドネシアの地ビールといった飲み物や軽食を楽しみながら、ウブドの深い緑の景色を堪能できる。
夕食/朝食をとるダイニングでは、夕食はコンテンポラリー・バリニーズをコンセプトに、バリの食材を熟知したシェフが仕上げるコース仕立てとなっている。朝食は和食/アメリカン/インドネシアから選択可能。ナシゴレンなどのバリらしい料理を客室に届けるサービスも用意されている。
スパではバリで古くから伝わる癒しの技を星のや流にアレンジした「星のやバリニーズマッサージ」を利用客に提供。アクティビティについては、星のやバリの周辺は貴重な古くからのバリの文化が残るエリアであり、バリの文化や自然を感じられるアクティビティを用意したという。
伊藤靖兼氏は「バリの伝統様式を随所に施した建物と、星のやのインテリアのなかで、上質なお時間をお過ごしください」と話し、プレゼンテーションを終えた。そして星のやバリのイメージ映像と、現地中継レポートなどが行なわれた。