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JR西日本、ICOCAで行ける「国宝 彦根城」などのキャンペーン

秋季の日帰り旅行プラン「彦根散策 湖国八珍と近江牛を味わう」を現地で紹介

2016年10月1日~12月22日 開催

ひこにゃんを中心に、右に西日本旅客鉄道株式会社 執行役員京都支社長 岩崎悟志氏、彦根駅長 松下浩氏、左に黄色の法被を着た彦根市長 大久保貴氏、公益社団法人 彦根観光協会副会長 木村昌弘氏、と「ひこねお城大使」小山舞海さん、安松花子さん

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は、2013年春から“歴史を知ると、散策がさらに楽しくなる”をテーマに、地域と連携し、期間限定の特別企画を紹介する「ちょこっと関西歴史たび」キャンペーンを四季ごとに開催しているが、2016年の秋季は、「国宝 彦根城」として実施する。

 JR東海道線の彦根駅から徒歩で15分で行くことのできる彦根城は駅からでも天守を見ることができ、夜になるとライトアップされた天守が浮かび上がって見える。JR西日本では、JR西日本「ちょこっと関西歴史たび」秋季キャンペーン「国宝 彦根城」の連動企画として「彦根城ICOCAで行こか!」キャンペーンを実施する。

 キャンペーン特典として、彦根城、彦根城博物館、玄宮園の入場料をICOCA(Suicaなど交通系ICカード全般が対象)で支払うと割り引き料金となる。彦根駅までのJR利用と合わせると、彦根市観光案内所(彦根駅西口)で抽選ができ、「ひこにゃん」やICOCAのマスコットキャラクターの「イコちゃん」のグッズがもらえる。期間は10月1日~12月22日で、観光案内所の営業時間は8時45分~17時30分。

戦国時代ブームで彦根エリアに追い風

西日本旅客鉄道株式会社 執行役員京都支社長 岩崎悟志氏

「国宝 彦根城」の開催にあたり、滋賀県彦根市の彦根城博物館で報道向け発表が行なわれた。JR西日本 執行役員 京都支社長の岩崎悟志氏が「ちょこっと関西歴史たびは“歴史を知ると、散策がさらに楽しくなる”がテーマ」「1つの施設にスポットを当てて地元の協力のもと、普段は見ることのできない特別公開やガイドによる説明、特別講座などを用意」と説明、今回が4回目のキャンペーンとなり、彦根エリアでの開催については「最近は、戦国時代ブームで大変このエリアが注目を集めていて、彦根観光にこれまでにない追い風が吹いているのではないかと思う」と期待を寄せた。

彦根市長 大久保貴氏

 地元からは彦根市長の大久保貴氏が「秋の観光シーズンが始まるということで、彦根屏風や大阪夏の陣の資料の展示をはじめ、NHK大河ドラマ『真田丸』で使用された石田三成役の山本耕史さんが着用した甲冑を、4月から開国記念館で開催中の『MEET三成展』に展示するなど、さらにバージョンアップして披露する」と展示の充実ぶりを挙げたほか、城のライトアップややぶさめの実施などを行なうと説明した。「26年度(2014年度)からは施設入場時にICOCAなども使用できるようになり、より便利に散策などができるように歴史観光都市としての成熟度を増していきたいと思っている」と述べた。

彦根市のキャラクター「ひこにゃん」
彦根城博物館前の「ちょこっと関西歴史たび」の旗が掲げられた

彦根城博物館では、期間中に彦根屏風など展示

 その後、キャンペーン期間中に特別公開される「国宝 風俗図(彦根屏風)」や「大坂の陣 関連資料」について彦根城博物館職員が解説した。

 彦根屏風については、「いろいろな角度から見てさまざまな魅力が詰まっていて、とても高い技術が使われていることから国宝として指定」「彦根藩主である井伊家が所有していたことで彦根屏風と言われており、江戸時代初期に描かれたとされる」と概要を説明。

 さらに当時の最先端の風俗をよく表わしていてファッションの歴史などではよく取り上げられるという。「着物の柄や表情などがとても細かく描かれており、人物の配置が金の単色地に描かれているとは思えないくらいバランスよく描かれていてる」「幕府の遊里への締め付けが厳しくなった時代を人々の表情で表わしている」などと見どころを紹介した。

「国宝 風俗図(彦根屏風)」について説明する彦根城博物館の高木氏
博物館入口にはレプリカが展示されている
「国宝 風俗図(彦根屏風)」
「大坂の陣 関連資料」朱地井桁紋旗印と朱漆塗紺糸威縫延腰取二枚銅具足
若江合戦図

彦根城はガイド付きのコースが充実

 彦根城は、1606年に天守が完成し、今も現存する城。ガイドウォークでは「軍事的な要所であるこの地域には、時代の要職を担った武将が居城した多くの城が築かれていたところ。彦根城は徳川家康が実権を握ったあとに築かれたことから、短期間かつ低コストで築城するために、周辺の廃城となった城から資材などを調達、天守はほぼ大津城のものを使用したと言われている」「これまで何度か改修工事が行なわれているが、大きく破損しているもの以外は釘1本に至るまで当時のものを使用している」と説明された。

 今回の報道向けには主なところを40分程度で案内されたものとなったが、ボランディアガイドによるガイドコースは複数用意されており、短いものもあるが、最長で3時間というものまである。事前申し込みが必要で、1週間前までの受け付けとなる。

「国宝 彦根城天守」
間隔がまばらで傾斜のある山道
幾重にも見える石垣
城内にはさまざまな積み方の石垣がある
西側(琵琶湖方面)の守りはかなり強固だという
瓦などに井伊氏の家紋(橘)が、3層目には火灯窓が見える
彦根城前にて、西日本旅客鉄道株式会社 執行役員京都支社長 岩崎悟志氏、彦根市長 大久保貴氏
今回案内してくれた彦根ボランティアガイド協会 村田さん
彦根城郭旧観図
城内に入ると井伊直弼の像がある
天守から南西方向を望む
彦根城天守最上部
国宝指定書
移築の際に使用されなかったと思われるほぞ
敵の侵入に備えた急な階段
柱や梁などほとんどが当時のまま
蝶番や釘なども解体時に錆などを落として、再使用している
天守北側。奥の屋根は付櫓と多聞櫓のもの。写真中央には玄宮園が見える
ライトアップされた「開国記念館(佐和口多聞櫓)」
駅前にある「井伊直政」像
彦根駅
西口にある「観光案内所」
彦根駅から見えるライトアップされた天守
玄宮園から見た天守
井伊直弼学問所「埋木舎(うもれぎのや)」
重要文化財の太鼓門櫓と続櫓
重要文化財の西の丸三重櫓と続櫓
三重櫓から見た北西の堅固な備え
玄宮園から見た天守

日帰りプランの「彦根散策 湖国八珍と近江牛を味わう」昼食を公開

「国宝 彦根城」の開催に合わせて、京阪神の主な駅からの往復のJRきっぷと昼食券を組み合わせたプラン「彦根散策 湖国八珍と近江牛を味わう」を開始、実際に提供される料理を報道向けに公開した。

びわ湖畔味覚の宿 双葉荘
双葉荘に入ったところ
琵琶湖が正面に広がる

 このプランは、10月1日から12月22日出発分まで実施。2名以上で利用の3日前までの発売となる。プランには主要駅からの往復のJRきっぷと昼食が含まれ、「かえり券」の提示で、彦根城各施設の入場券およびセット券が割引になる。大津駅から姫路駅や奈良駅、宝塚駅、和泉府中など主要駅が出発対象となっており、大阪市内からは大人7300円、子供3400円。

駅長おすすめ駅プラン用ランチメニュー

 プランに含まれる昼食は「びわ湖畔 味覚の宿 双葉荘」で提供される。琵琶湖のほとりにある静かなたたずまいの双葉荘は料理の宿として50年続く旅館で、リピーターも多いという。その双葉荘がプランのために用意した献立は「湖国八珍と近江牛」。

ランチメニュー献立表
料理の解説をする双葉荘の片岡良介氏

 双葉荘の片岡良介氏によれば、「湖国八珍とは30年位前から出されている双葉荘の定番ランチメニューで、滋賀県ならではの魅力が詰まっている」とのことで、今回はJR西日本のプラン用にアレンジしたという。

 メニューの内容は従来から提供している料理のほか、滋賀県や琵琶湖のイメージである環境や水質のよさなどがアピールできるようなものを集めているとのことで、滋賀県でよく食べられている海老豆、赤こんにゃく、うろり 湖魚の稚魚の佃煮、諸氏南蛮漬け、う巻などがあるという。仕入れの都合などで鴨ロースや諸氏南蛮漬けは、鮎や近江牛に変わる可能性があるというが、「湖国八珍という滋賀県のもの」からは外さず、「基本的には滋賀県のその時期の最高の食材を提供する」と述べた。

 また、「湖国八珍はお酒好きの方には、お酒のあてになるようなもの、女性の方にはご飯の進むようなもの」としたと説明。しじみ汁は滋賀減の味噌汁の代表的な具材としたほか、ご飯やデザートも滋賀県内のものを使っているという。なお、子供には子供用のメニューが用意される。

 メイン料理の近江牛は、すき焼きかしゃぶしゃぶを選択することができ、グループ内でも別々に選択できる。お楽しみとして滋賀の地酒 金亀(2人で1合)もしくはソフトドリンクがサービスされる。金亀はすっきりとしながらも甘口のお酒で少し酸味のあるフルーティーな味わいがあり、多少日本酒が苦手な人でも美味しく楽しめるという。

湖国八珍
近江牛生産流通組合の認証を受けた近江牛
琵琶鱒のお造り
山菜おこわ笹蒸し
近江米の新米としじみ汁
米原メロンとマスカット