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タイ最大の旅行商談会「THAILAND TRAVEL MART 2016 PLUS」開幕、スポーツツーリズムで誘客
2016年6月9日 17:17
- 2016年6月8日~10日(現地時間) 開催
タイ国政府観光庁は、同国最大のツーリズム商談会「THAILAND TRAVEL MART PLUS 2016(TTM+ 2016)」をタイ北部のチェンマイのチェンマイ国際会議場(CMECC:Chiang Mai International Exhibition and Convention Centre)で開催している。会期は6月8日~10日(現地時間)。同イベントはこれまで年に1回、首都バンコクで開催してきたが、今年は初めてバンコク以外での開催となった。
ちなみに、チェンマイでは「Chiang Mai & The North Travel Mart(CTM)」も2年に1度、プーケットと1年交替で開催されている。今年はその開催年となることから、TTM+ 2016の一部としてCTM 2016も開催されている。こちらはイベント名のとおり、チェンマイやタイ北部地方の旅行商談を行なうものとなる。
TTM+ 2016には開幕日前日時点の登録数で、345の企業や機関が出展。55の国と地域からバイヤーなどが参加するという。
イベント最初の講演には、タイ 観光・スポーツ大臣のコープカーン・ワッタナワラーンクーン(Kobkarn Wattanavrangkul)氏がタイが注力するスポーツツーリズムについて紹介した。
同氏はまずタイの旅行者、消費額動向について触れ、2015年は約3000万人の旅行者数に達し、その消費額はタイのGDPの16%に相当するものとした。2016年第1四半期(1月~3月期)についてもさらに伸長しており、旅行者全体の消費額は前年同期比16%増の6800億バーツとなっている。このうち、海外からの旅行客の消費額は20.1%増、国内旅行者の消費額は7.7%となっている。
これを受けて、第2四半期の目標として、渡航客は対前年同期比6.9%増の746万人を目指す。国・地域別では、中国人旅行客が同9.3%増の218万人、ヨーロッパでは同7.5%増の101万人。特にイギリスからの訪問客は同10%増を見込んでいる。2015年にAEC(ASEAN経済共同体)が発足して市場の重要度が増しているというASEAN地域からの訪問客も同6.7%の218万人という数字を挙げた。
一方で、国内旅行についても、主要観光地に続いて、新たな観光地への訪問を行なう人が増えることが予想され、その消費額は対前年同期比6.5%増を見込むとした。
2016年全体では、海外からの訪問客と国内旅行者を会わせて、3200万人の旅行者数、2兆4000億バーツの消費額を目標に掲げている。
タイが生み出す次のツーリズム「スポーツ」
そして、タイには美しくエキサイティングな人を引きつけるもの、充実した文化や世界遺産があり、多くの5つ星のホテルやレストラン、インフラの充実や、タイの人々の笑顔が強みであるとし、「そのタイが生み出す次のツーリズム」としてスポーツツーリズムを紹介した。
タイは政府としてスポーツ振興に力を入れてきたとのことで、すでに充実したスポーツ施設を備えていることを理由の一つに挙げた。例えば、タイには300を超えるゴルフコース、5000以上のボクシングジム、国際大会を行えるレーシングサーキット、643kmをカバーする93のバイクルート設定などを挙げた。
また、国立のトレーニングセンターも国内4カ所。プーケットのタンヤプラには、東南アジアで唯一、FINA(国際水泳連盟)が認定した50mプールを持つトレーニングセンターがあり、ここではオーストラリアやイギリスの水泳ナショナルチームがトレーニングを行なったという。
そうしたタイ国内には国際レベルのアスリートも多い。例えばバドミントン女子世界ランク1位のRatchankok Intanon選手、スポーツ射撃のSutiya Jiewchaloemmit選手、ゴルフのLGPAツアーで3勝をあげているAriya Jutanugarn選手、世界13位の女子バレーボールチームらを紹介。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックには11競技で出場が決定しているという。
加えて、海外スポーツへのスポンサーシップについても言及。岡崎慎司選手が所属していることでも知られるサッカー英プレミアリーグのレスター・シティFCのオーナーがタイ人であることを挙げた。
さらに タイ人はスポーツがとても好きで、エクササイズに興味があり、軽くできる運動も好きであると紹介。そうした軽い運動に適した施設もあり、バンコク・スワンナプーム空港のまわりには飛行機を見ながらサイクリングを楽しめる「SKY LANE」と呼ばれる23kmのサイクリングコースがあるという。
ワッタナワラーンクーン氏は、こうした例を通じてレベルの高いスポーツを体験できる多くの場所があり、スポーツを愛する人をタイへ引きつけることができるとした。そうした場所へのインフラ整備も進めており、空港へアクセスするスカイトレインや地下鉄を主要都市でさらに拡張する見込みであるという。
ビジネスの面においても、競技場の運営やスポーツクラブの運営、スポーツ用品の販売など、スポーツ産業には多くの機会があるとする。マラソン、サイクリング、トライアスロン、ダイビング、モータースポーツなどの多くの国際的な大会やイベントもタイで開催されている。
プロだけでなく、スポーツをしたい人、スポーツのトレーニングをしたい人を引きつけ、「それを受け入れるポテンシャルがタイにある」ことをアピール。スポーツツーリズム振興に注力していく姿勢を示した。