週末駅弁
「大館名物 鶏樽めし」
樽形の容器に入った東北の復活駅弁
(2015/9/25 18:13)
弁当名 | 「大館名物 鶏樽めし」 |
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価格 | 1100円 |
販売駅 | JR東日本 大館駅、秋田駅、青森駅など |
購入場所 | 東京駅 駅弁屋 「祭」 |
購入日 | 2015年9月25日 |
全国に多数ある駅弁のなかで「これはいつか紹介したい」というネタを記者もいくつか持っておりますが、その中の1つがこの「大館名物 鶏樽めし」です。大館駅の名物駅弁と言えば、花善の「鶏めし」ですが、「大館名物 鶏樽めし」は、樽形のプラ容器に入った「鶏めし」です。同梱されていた説明によると、これは1970年~1976年頃に販売されていたもので、容器を作る金型が壊れてしまったため、販売ができなくなったとのことです。それを復活させたのが「大館名物 鶏樽めし」です。掛紙も当時使用されていた物を一部修正して作成されており、クラフト紙に印刷されたレトロな雰囲気がよい味を出しています。
花善の駅弁は一般的な容器に入った「鶏めし」とおかずの種類が多い「特上 鶏めし」などがあります。また、大館駅前の花善の店舗では定食として食べることもできます。さらに、寝台特急「あけぼの」が運行していた頃は、あらかじめ電話で予約しておけば、上野駅発~青森駅行きの下り列車が大館駅に到着する時刻に合わせてホームまで「鶏めし」や「特上 鶏めし」を配達してくれました。記者は、友人らとの旅行で寝台特急「あけぼの」の中で朝食として食べた、出来たてのほんのりと温かい「鶏めし」の味を今でも覚えています。
中身は、秋田の駅弁らしく「あきたこまち」を炊き込んだご飯に、国産鶏肉の甘辛煮と青森むつ湾産のホタテの甘露煮、秋田の宮城屋蒲鉾店のいそあげ(蒲鉾)、厚焼き玉子、椎茸甘露煮、秋田県産のカタウリを使用した「なら漬け」、栗の甘露煮、国産のショウガを使用した紅ショウガが入っています。
実際に食べてみると、変わらぬ美味しさに懐かしさと安心感が押し寄せてきました。やはり一番の美味しさは名前の由来にもなっている炊き込みご飯の「鶏めし」です。ちょうどよく味が染みて、これだけでおかずが無くてもいくらでも食べられそうです。もちろん、贅沢に乗せられた鶏肉との相性も抜群です。鶏肉も日本人なら誰でも懐かしさを覚えるような煮物の味がしっかりとついています。いそあげ(蒲鉾)も全体の味を引き立ててくれます。厚焼き玉子や椎茸甘露煮も定番のおかずとして、食べていてホッとする味です。量の面でも申し分ありません。これだけで1食として十分に満足できる内容といえます。