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北海道エアシステムの鶴丸塗装初号機が定期便に就航

前日に鹿児島からのチャーターフライトで札幌・丘珠空港へ

2016年4月28日 就航

4月28日に丘珠空港に到着したHACの鶴丸塗装機

 HAC(北海道エアシステム)は4月29日、同社所有機材で初めての“鶴丸”塗装機を定期便に就航した。同機は前日28日にジャルパックが提供するチャーターフライトで札幌・丘珠空港に到着。丘珠(07時45分)発~函館(08時25分)着のHAC231便で早速の定期便就航となった。

 HACは2014年10月にJAL(日本航空)グループとなり、2015年6月から企業ロゴ、空港カウンターを鶴丸デザインへ変更してきた。さらに4月1日からはCA(客室乗務員)の制服もJALグループの統一デザインへとリニューアル。そして、鶴丸デザインの飛行機が登場した。

 鶴丸デザイン初号機となったのは「JA02HC」で、中国の済南でリペイントが行なわれたあとは、委託先のJAC(日本エアコミューター)の整備場がある鹿児島空港で整備が行なわれた。

 同社の保有機材は3機でいずれもSAAB340B。1号機はJALグループとなる以前、2011年に採用された新ロゴのカラーである緑をベースとした機体。3号機はJALの旧デザインである「The Arc of the Sun」をベースとしたものになっている。これらも順次鶴丸塗装へ変更することが予定されており、次は3号機を秋頃を目処にリペイント。2017年度に緑の1号機も変更する予定となっている。

 ちなみに、2号機が塗装/整備に入っている間は、JACより同じSAAB340Bを借用して3台体制を維持。このJACからの借用機は、鶴丸初号機初便出発に先だって、鹿児島空港へ向けてのフェリーフライトに飛び立っていった。

前夜にはHAC所有の3機、翌朝にはJAC機を含めて4機のSAAB340Bが丘珠空港のランプに並んだ
HACの鶴丸初号機の代行を務めたJACのSAAB340Bが鹿児島へ帰っていった

 初便となったHAC233便には、菊地機長、加野副操縦士、松川CAの3名が乗務。丘珠空港では搭乗口を抜けたあとターミナルビルから徒歩で飛行機へ向かい搭乗するスタイルとなっており、HAC代表取締役社長の桑野洋一郎氏やCAが、機体の脇で乗客を出迎え。33名の乗客を乗せた飛行機は、14滑走路から8時57分に飛び立った。

 乗客を出迎えた桑野氏は、「待ちに待った飛行機がやっと来たなという気持ちと、正直ほっとしている。時間もかかったし、いつ来るかなと思っていた。もう1つは気持ちを新たにしっかりやっていかなければならないと改めて思っている」と新塗装導入に際しての気持ちをコメント。「飛行機の鶴丸で見た目にも大きくJALブランドに統一され、お客さまにもJALのネットワーク、ブランドということでよりHACをご利用いただけるのではないかと期待している。ただ、外側が変わっても中が変わらないとダメなので、道民をはじめお客さまに選んでもらえる航空会社にする努力をする大事な年度だと思っている」と気持ちを引き締めた。

初便の乗務員。左から菊地機長、加野副操縦士、松川CA
乗客が搭乗を開始。ターミナルビルから歩いて飛行機へ
株式会社北海道エアシステム 代表取締役社長の桑野洋一郎氏らが乗客を出迎え
初便の乗客には、HAC従業員による手書きメッセージ入りの鶴丸塗装機の絵はがき、札幌市北区にあるアンシャルロットのマカロンをプレゼント
整備士の指示で片方ずつエンジンを始動
桑野社長らがランプを離れる鶴丸初号機と、その乗客に手を振って見送った
函館へ向けて飛び立った鶴丸初号機の定期便初便
株式会社北海道エアシステム 代表取締役社長の桑野洋一郎氏

 また、JACは2017年からATR 42-600型機をSAAB340Bの後継として導入をはじめるが、HACの機材更新については「白紙の状態。そろそろ後継機を考えなければならない時期だと思っているので、今年度にも方向性について関係者とも検討して、数年内に更新することになるだろうと思っている」とコメント。短い滑走路で乗り降りできる飛行機や現在の搭乗率から、36名乗りのSAAB340Bと同程度の規模の機体になるだろうとの見通しを述べるとともに、現在JACに委託している整備については「自社で整備体制を築くのは難しいと思うので、どこかの力を借りなければならないこともあり、委託先の検討も含めて機材を選定していく」とした。

 2016年10月30日からはJALとジェイ・エアとの運送の共同引き受けが開始され、HACもJAL便名で運航するが、囲み取材ではシステム統合についても質問があがり「順調に進んでおり、現在はスケジュールどおり実施される予定」との見通しを語った。

(編集部:多和田新也)