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ことでんの新型車両「2000形」を見てきた。オールステンレスの66年ぶり新造車、最新装備多数で消費電力7割減

2026年10月1日 運行開始
ことでん新型車両「2000形」

 ことでん(高松琴平電気鉄道)は10月1日、新型車両「2000形」の運用を開始した。同日、ことでん琴平線の仏生山駅で出発式を行なっている。

 今回導入した新型車両の2000形は、66年ぶりとなることでんオリジナルの新造車両だ。総合車両製作所のオールステンレス車両「sustaina S13」をベースにした2両で1編成の構成で、10月1日から2編成4両の運用を開始している。

「香川の新しい風」をテーマに、瀬戸内海や空をイメージした青いカラーリングを施した、一般公募で選ばれたデザインを採用。また、最新設備を取り入れることで、乗り心地、安全性、操作性、メンテナンス性を高めている。

2000形が走行する様子

2000形車両を詳しく紹介

 2000形の車両は総合車両製作所のオールステンレス車両「sustaina S13」をベースにしており、これまでことでんが運用していた中古車両にはない設備を多数取り入れている。

 SiC素子採用のVVVFインバータ制御装置および補助電源装置の搭載、空気バネ搭載の台車、シングルハンドルマスコン採用の運転台、シングルアーム式パンタグラフ、電気連結器付き密着連結器、大型LED先行表示器などがそれで、すべてことでんの車両としては初搭載。

 こういった最新設備の導入により、従来車両と比べて消費電力は約7割減と大幅な省電力化を実現するとともに、操作性、安全性、メンテナンス性が高められている。また、走行時の揺れや振動も軽減し、乗り心地を向上した。このほか、台車には重量センサーを備え、乗客数に応じて加減速やブレーキの強度を自動調節することで、安定した運転が可能になっているとのことだ。

新しく導入した2000形車両。1編成2両で、2編成を導入。2027年2月にはさらに2編成の導入を予定している
正面は丸みを帯びた独特のデザインを採用
正面上部には大型LED先行表示器を設置
ことでん車両初となるSiC素子採用のVVVFインバータ制御装置および補助電源装置を搭載
空気バネ搭載の台車を採用し乗り心地を向上
シングルアーム式パンタグラフの採用もことでん初
連結部
連結器には電気連結器付き密着連結器を採用
運転台にはことでん初のシングルハンドルマスコンを採用
台車に重量センサーを搭載しており、乗客数に応じて加減速やブレーキの強度を自動調節することで、乗客数に関わらず常に同じ操作で安定した運転が可能
液晶モニターで車内温度や乗車率、機器状態を一括確認できる
2000形車両の外観

 車内設備には、行き先や路線案内などを日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で表示する大型LCD表示器を1車両あたり3台、車内防犯カメラを1車両あたり3台、ドア開閉警告灯やチャイム、運転室横の腰掛けクッション、車椅子スペースを兼ねるフリースペースにクッションや2段式手すり、専用暖房機などを配置するなど新設備を搭載。空気バネ搭載台車による乗り心地の向上と合わせ、車内快適性も高めている。

2000形の車内
シートの布地(モケット)に高松の海や栗林公園の池の色を表現したブルーを採用
優先座席付近は手すりやつり革をオレンジに配色
扉は両開きの2枚扉
扉上部には、開閉時に赤く光る警告灯を配置し、チャイムも鳴る
扉上部、3か所に大型LCD表示器を設置
行き先表示や各種映像などを表示する
日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語表示に対応
ことでん初の車内防犯カメラを1車両あたり3台設置
運転室横の壁に腰掛けクッションを設置
車椅子スペースを兼ねるフリースペースには、クッションや2段式手すり、専用暖房機などを配置
乗務員と直接インターホン会話が可能な非常通報装置も設置
非常時に備え避難はしごも設置している

 2000形は、10月1日から琴平線と長尾線に1編成ずつ投入して運用を開始。そして、2000形の導入に伴い、運用車両のなかで最も古い1957年~958年にかけて製造された1070形の2編成4両が2000形に置き換えられ、通常運用から外れることになる。また、2027年2月にはさらに2編成4両の2000形を導入する予定。

 2000形の導入コストは1編成2両あたり約5億円で、今回の2編成4両分で約10億円。2027年2月までに導入する追加の2編成4両を加えると、総事業費は22億円。このうち約9割は国、香川県および沿線自治体からの補助金でまかなわれる。

2000形導入に伴い置き換えられる1070形車両。ことでんが運用している車両のなかで最も古い1957~958年にかけて製造された車両だ

10月1日に実施した出発式

 初日の出発式には、ことでん代表取締役社長の植田俊也氏と2000形を製造した総合車両製作所代表取締役社長の照井英之氏をはじめ、沿線の自治体首長など多くの関係者が臨席。

2000形運用開始を記念し、10月1日にことでん琴平線仏生山駅で出発式を開催。車両関係者に加え、ことでん沿線の自治体首長など多くの関係者が参加した

 出発式の冒頭、ことでん社長の植田氏は、「新型車両の2000形は、ステンレスを採用したスタイリッシュでフレッシュなデザインはもちろん、安全性能や快適性能、バリアフリー性能、省エネルギー性能と、すべての項目において現在都市圏で走っている通勤形車両と比べてもまったく遜色のない仕上がり、仕様となっています。これから四国の玄関・香川の顔として、数十年間にわたる活躍は間違いないものと思っています。

 さらには、香川のブランド力の発信やお住まいの皆さまのシビックプライドの醸成に少しでも寄与できたらと考えています。今日から通勤通学でご利用されるお客さまの利便性向上、安全対策はもちろん、今後は香川の観光振興や地域の活性化に資するイベントなどに積極的に2000形を投入したいと思っていますので、どうかご期待ください」と述べた。

高松琴平電気鉄道株式会社 代表取締役社長 植田俊也氏

 また、総合車両製作所 代表取締役社長の照井氏は、「この2000形車両は、sustainaシリーズという我々の最新鋭の車両で、外装はレーザー溶接を多く使って窓枠やドアの周辺を可能な限りフラットとなっています。外装ではことでんのコーポレートカラーであるブルーを基調として、特に先頭部が丸みを帯びているという特徴があります。内装は、座席の布(モケット)に高松の海や栗林公園の池の色を表現したブルーを採用しています」と話している。

株式会社総合車両製作所 代表取締役社長 照井英之氏
関係者のあいさつの後、2000形導入を祝い来賓全員でテープカット
出発式には、ことでんマスコットキャラクラーのことちゃん、ことみちゃんも参加
参列した来賓などを乗せ、2000形が出発