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スペイン政府観光局、コロナ禍の現況を説明。トレド大使「ヨーロッパでもっとも安全な国の1つ」
2021年11月25日 08:00
- 2021年11月24日 実施
スペイン政府観光局は11月24日、都内で会見を開き、ホルヘ・トレド駐日スペイン特命全権大使が現地の最新状況などを説明した。
国土の広さや山岳国家であることなど日本との類似点をいくつかのデータで挙げたトレド大使は、「スペインは50年前から世界をリードする観光国だった」と前置きし、それはUNWTO(世界観光機関)本部がマドリードにあることからも分かるという。
観光産業はGDPの12.3%を占め、観光に従事する労働者は人口の約14%に相当。世界第2位のインバウンドを受け入れており(1位はフランス)、コロナ前には8000万人以上の観光客が訪れている。同じ時期(2019年)の日本の4倍近い数字を記録していることについて、観光的・歴史的な側面に加えて、自然・都市・美術・特に食事といったすべてが8000万人以上を呼び込む決め手になっていると説明し、「スペインは非常に魅力的な国」と自信を覗かせた。
また、2019年にスペインを訪れた日本人旅行者は68万6000人で、以前と同じように旅客便が運航し国境が開かれれば、今後100万人の大台に乗せることも不可能ではないと考えを示した。
現地のコロナ禍の現況は、すでに国民のワクチン接種率が90%を超えており、「ヨーロッパではもっとも安全な国の1つ」という。一方でコロナ禍のインバウンドは70%も落ち込んでいるため、520億ユーロ以上の投資を行なっており、うち70億ユーロ以上を観光誘致・教育、インフラや遺跡の修復などに費やしたとのこと。
そしてスペインを含むEUでは、デジタルまたは紙のワクチン接種証明書「EU Digital COVID Certificate(EUデジタルCOVID証明書)」の運用が始まっており、提示することで域内の移動における隔離などが免除されている。
また、スペインでは、7月にマドリードの中心部が「光の景観(プラド通りとブエン・レティーロ公園地区。芸術と知の景観)」として、世界文化遺産に登録されたばかり。
ヨーロッパの都市で最初に作られた並木道「プラド通り」を始め、レティーロ公園、ヘロニモス地区など190ヘクタール(1.9km 2 )の地域に含まれる89か所が、歴史的な都市景観として一体登録されている。このエリアは、国立プラド美術館や王立植物園、国立ソフィア王妃芸術センター、アルカラ門、シベレス宮殿(マドリード市庁舎)、王立天文台といったメジャーな観光スポットを含んでおり、もちろんピカソ、ゴヤ、ベラスケスの作品やハーシェル望遠鏡といった21点の重要文化財も含まれている。
スペイン大使館 観光参事官/スペイン政府観光局 局長のハイメ・アレハンドレ氏は、この新しい世界遺産をコロナ後の観光素材として活用していくと説明した。