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スロヴェニアとクロアチア、両政府観光局がセミナー。豊かな自然と文化遺産をアピール

2019年9月19日 実施

スロヴェニア政府観光局とクロアチア政府観光局が観光セミナーを開催した

 スロヴェニア政府観光局とクロアチア政府観光局は9月19日、共同で観光セミナーを開催した。

 会の冒頭では臨席した両国の大使が登壇、スロヴェニア 特命全権大使のアンナ・ポラック・ペトリッチ氏はスロヴェニアと日本の関係を紹介しつつ、直近の日本からの観光客は3万6000人で、「(スロヴェニアは)小さい国だがアクティビティを多く見つけられる」と述べた。一方、クロアチア共和国 大使のドラジェン・フラスティッチ氏は、本セミナーが毎年開催されているもので今回が4回目と述べ、「クロアチアには美味しいワインと蒸留酒、自然と食べ物、人の優しさがある」と紹介した。

駐日スロヴェニア共和国大使館・総領事館 特命全権大使 アンナ・ポラック・ペトリッチ氏
クロアチア共和国大使館 大使 ドラジェン・フラスティッチ氏

水の豊かなスロヴェニア

 スロヴェニアについて説明したのは、大使館の茂石チュック・ミリアム氏。スロヴェニアとクロアチアはアドリア海に面しており、いわゆるイタリアの長靴の付け根付近にスロヴェニアは位置している。北はオーストリア、東にハンガリー、南はクロアチアと接している。1991年に独立し、2004年にEU(欧州連合)に加盟。公用語はスロヴェニアだが、英語が広く使われている。

 国土の60%は森林で、その地表の3分の1が保護地区になっており、「水が豊かで安心して飲むことができる」という。スライドでは公共の水道から水をボトルに移している様子が映し出され、水質の高さがうかがい知れる。

 また、「4つの地理的世界がある欧州唯一の国」として、アルプス山脈、地中海、パノニア平原、カルストを挙げた。カルストは浸食された石灰石の台地のことだが、ここでは山・海・平原に続く地形として地下の鍾乳洞などを指している。

 日本でも知られているスロヴェニアの観光地といえば、湖の中央に浮かぶ島に教会がある「ブレッド湖」。教会の鐘を鳴らすと願いが叶うと言われており、湖の様子を写真で見たことがある人も多いはず。

 そのほかお勧めの観光地としては、スキージャンプのファイナルが行なわれるプラニツァ、カヌーやカヤックなどが楽しめるソチャ川、欧州最大・最古の羊飼いの開拓地でもあるヴェリカ・プラニナ平野、ハイキング/カヤッキングが盛んなマウントペツァ、インディジョーンズのような体験ができる世界最大の洞窟城・プレドヤマ城、樹齢400年でいまも果実の収穫ができるという世界最古のブドウの木があるマリボル市などが挙げられた。

 スロヴェニアは温泉大国でもあり、全国15か所の温泉ですべてで正規の天然療法が実施されており、やや低めの温度でじっくり癒やすように浸かるのだという。日本と異なるのは水着を着て入浴する、という点。

スロヴェニア大使館 茂石チュック・ミリアム氏
スロヴェニア政府観光局の示したスライド

文化遺産に基づくイベントが楽しいクロアチア

 続いてクロアチアを紹介したのは、元クロアチア政府観光局(現ドバイ政府観光・商務局日本事務局長)のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏。クロアチアは海沿いエリアと内陸エリアに分かれており、南北に延びる海岸線に1244の島が分布する国。8つの国立公園があり、国土の10%が保護地区に指定されている。

 クロアチアは観光が最大の産業で、400万ほどの人口に対して年間1800万人の訪問者があり、そのうち日本市場は16万人。住んでいるところを大事にする民族性で、世界遺産に登録されているのは一つの建物ではなく地域全体。食については、海沿いと内陸でエリアが分かれているように、北は肉、南は魚に代表的な食材が分かれている。ミシュランガイドも発行されていて、傾向としては日本と同じようにソースをあまり使わず、素材を活かす料理が中心とのこと。

 世界4位の無形文化遺産を抱え、日本でも開催されている世界最大のEDM音楽フェス「ウルトラ」、伝統工芸である刺繍を身につけた人々でパレードが行なわれる「ジャコバチュキ・ヴェゾヴィ(ジャコヴォの刺繍祭り)」、無形文化遺産の「シニスカ・アルカ(シニの騎士トーナメント)」、ベネチアとの戦いを再現するバカル湾の海戦再現パフォーマンス、古代ローマの円形闘技場で当時の戦いを見るフェスティバル「プーラ・スペリオルム」など、豊富な文化遺産を背景にしたイベントが盛りだくさん、という印象を受けた。

元クロアチア政府観光局(現ドバイ政府観光・商務局日本事務局長)のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏
クロアチア政府観光局の示したスライド

【お詫びと訂正】初出時、エドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏の肩書きに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。