ニュース
エアバス CEO トム・エンダース氏、東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館で講演
2018年11月29日 23:03
- 2018年11月29日 実施
エアバス CEO トム・エンダース氏は、東京ビッグサイトで11月30日まで開催されている「国際航空宇宙展2018東京(JA2018:Japan International Aerospace Exhibition 2018 Tokyo)」にあわせて来日。11月29日に東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館において講演会を行なった。
エアバスと東京大学 大学院 工学系研究科は11月28日、将来のエンジニアとなる優秀な才能を、エアバスと世界の大学が協力して育てる「エアバス・グローバル・ユニバーシティ・パートナーシップ・プログラム(AGUPP)」で提携しており、この講演会はそれを受けてのものとなる。
トム・エンダースCEOは、学生へ向けて「航空宇宙業界の将来、学生への期待」をテーマに講演。講演の冒頭、「建学以来150年の歴史をもち、日本の近代化を担い、さらには15人の総理大臣や、ノーベル賞受賞者、宇宙飛行士を輩出している東京大学は、世界の科学を形作った名門大学であります」と語り、そのような東京大学と提携することで、「ともにパートナーシップを組んで将来を形作っていきたい」と、提携に込めた思いを紹介。現在のエアバスと日本との結びつきを、ANAのA380型機購入、JALのA350型機購入など分かりやすいところから始め、リサーチや製造協力まで紹介。「年間10億ユーロのものを日本の企業から調達しています。円に直すと約1300億円。A380型機の貨物室のドアは三菱重工業、垂直尾翼の前縁と後縁はSUBARU」と具体例を挙げたあと、技術部門のトップであるCTO(Chief Technology Officer)が一緒に来日していることを紹介。「日本のスタートアップから重工業の皆さまと、一緒になって航空宇宙産業のチャレンジに向かっていきたい」と協業の決意を表明。エアバスがいかに新しいチャレンジに行なっているか、学生に紹介した。
トム・エンダースCEOが講演のなかで常に強調していたのが、現在が変化の時代であること。通信革命である5Gや、量子コンピュータ、そしてAIやマシンラーニングなど、さまざまな例を挙げつつ学生にチャレンジを呼びかけた。
講演の最後には、「力強く夢をつかんでほしい」「大きく見た夢を、経済性という面からも見てほしい」「学びは生涯やっていくこと」と3つのポイントを紹介。人間関係を広げ、リスクのあることも前向きに捉えて力強く進み、生涯勉強していくことで将来を見通しづらい変化の時代に対応してほしいという思いを実例を挙げつつ述べていた。
トム・エンダースCEOの講演後は、東京大学 大学院 工学系研究科 教授 中須賀真一氏、同 准教授 矢入健久氏、同 准教授 今村太郎氏も加わってのパネルディスカッション。その後は、学生からの質疑応答を行ない、トム・エンダースCEOを囲んでの懇親会も開催された。