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カナダ・オンタリオ州観光局、ナイアガラを含めた魅力ある観光スポットを紹介
2018年11月1日 00:00
- 2018年10月15日 実施
カナダ・オンタリオ州観光局は10月15日、旅行業界向けセミナーとワークショップを開催した。当日は現地から13の企業と団体が集まり、日本の旅行代理店に対して熱心にアピールした。
オンタリオ州はカナダの東部に位置し、オンタリオ湖、エリー湖、ヒューロン湖、スペリオル湖に面し、カナダのなかでもっとも人口の多い州として知られている。首都であるオタワやカナダ最大の都市であるトロントを抱え、政治や経済の中心になっている場所でもある。トロントまでは羽田から毎日直行便が飛んでおり、約12時間で到着する。アメリカとの国境にあるナイアガラの滝が旅行先として特に有名だ。
トロント観光局
トロント観光局は3点を紹介。まずはアートで、約100年前に活躍した「Group of Seven」という芸術家グループの作品を集めた美術館「McMichael」がピアソン国際空港から北にクルマで25分ほどの場所にある。当時は写実的な絵が多いなかで、ワイルドな作風が特徴的だ。「赤毛のアン」の作者であるルーシー・モード・モンゴメリーは人生の半分をトロント近郊で過ごしており、モンゴメリーの過ごした家と教会が重要文化財として保存されており、こちらも見どころとしている。
ナイアガラ観光の新しい提案として紹介したのは、トロントからの日帰り旅行。トロント近郊を走る列車「GO Train」を使えば、朝出かけて夜にはトロントに戻って来ることができ、観光シーズン中はナイアガラ周辺の料金の高いホテルを使わずに格安でナイアガラ観光が楽しめるとしている。
最後は冬の観光。11月3週目からクリスマスまでの5週間は、イルミネーションやライトアップでトロントが一番彩られる時期でとても街並みが美しく、地元の人たちの楽しみでもあるクリスマスマーケットも開催される。また、11月の第4金曜日「Black Friday」には多くのショップがセールを行なうので、こちらも注目してもらいたいとのことだ。
チェルシーホテル トロント
チェルシーホテル トロントは、客室数1590室を誇るカナダ最大のホテル。ほとんどの部屋にトロント中心街を一望できるバルコニーが付いており、館内には無料のWi-Fiが完備されているのも特徴。
2階にあるファミリーファンゾーンには屋内プールを備え、「コルクスクリュー」と呼ばれるウォータースライダがあり、大人向けゾーンにはフィットネスセンター、サウナ、屋内プール、ジャグジーなど、幅広い年齢層に対応する館内施設も魅力となっている。
立地しているのはトロントのダウンタウンで、近くには小売店230店以上が並ぶイートンセンターやオンタリオ美術館、ロイヤルオンタリオ博物館などもあり、タウン観光にも大変便利であると紹介した。
ウエスティン・ハーバーキャッスル・ホテル、トロント・シェラトンセンター・ホテル
ウエスティン・ハーバーキャッスル・ホテルはオンタリオ湖に面しており、素晴らしいレイクビューが特徴。客室は977室あり、すべての部屋からオンタリオ湖が見えるようになっている。食事についてはアジア料理の提供が可能とし、味噌汁や漬物、ご飯の用意もできるそうだ。早朝には湖畔をジョギングしたりレンタルサイクルでサイクリングを楽しんだりする宿泊客も多く、「日常を離れた感動を与えてくれる」という。
トロント・シェラトンセンター・ホテルはトロントの中心に位置する立地のよさが特徴で、1372の客室とシェラトンブランドの設備とサービスを提供することで国外からも多くの観光客が訪れている。館内には無料Wi-Fiが完備されており、美しくて広い中庭でリラックスすることも可能。ホテルはトロントの地下街「PATH」に直結しており、そこからショッピングやシアターなど、市内のアクティビティにアクセスできるのでとても便利なホテルであるとのことだ。
ナイアガラフォールズ観光局
ナイアガラの滝(ナイアガラフォールズ)はカナダとアメリカの間に位置し、北にはオンタリオ湖、南西にはエリー湖が広がっている。トロントからはクルマやバスで1時間30分~2時間、アメリカ側の近郊にあるバッファロー国際空港からは約45分ほどの距離にある。トロントはオンタリオ湖の対岸にあるので、ヘリコプターだと約15分でいくことができる。
どの時期でも見応えのある景色であるが、時期と曜日によっては夜に花火の打ち上げがある。クリスマスウイークやニューイヤーウイークにも実施される。11月3日から翌年の1月末までは、ライトアップも行なわれるとのことだ。また周辺で製造されているアイスワインも有名で、1月にはフェスティバルも行なわれるので注目してもらいたいポイントであるそうだ。
ナイアガラ・ヘリコプターズ
同社はナイアガラの滝で唯一、遊覧飛行を提供している会社であり、創業から50年を数える。運航に使用しているヘリコプターは最新のエアバス H130で4機を運用。3年間ほど使用しているが利用客からは大変好評を得ているそうだ。同社のポリシーは安全を第一にした運航であり、常にチェックする体制ではあるが、万が一不備が発見された場合は運航中止を即時に実施しているとのこと。
H130は前に3人、後部に4人が搭乗でき、広い窓からは雄大なナイアガラの滝がよく見える。また、以前はヘッドフォンを使って観光案内をしていたが、機内が大変静かになったことからスピーカーからの案内が可能になった。観光案内は12か国語に対応しており、日本語でも提供している。ヘッドフォンがいらなくなったことから会話を楽しみながらの遊覧飛行も可能としている。遊覧飛行は約10分間が基本だが、カスタマイズすることも可能で、VIP向けに近隣のワイナリーを訪れることもできるそうだ。
ワイルドプレイ・ナイアガラフォールズ
同社からは2つの新しいアトラクションが紹介された。まずは滝を間近に見ながらジップラインを体験できる最先端のアトラクションである「Zipline To The Falls」。ナイアガラの滝を見ながら、67mの高さから時速70kmで、670mほどワイヤーロープ伝いに滑空するものだ。4つの並行したジップラインがあり、家族や友人と一緒に楽しむこともできる。さらにイルミネーションの灯る夜間のスケジュールも追加された。移動先の展望台ではナイアガラの滝をバックに写真が撮れるスペースも提供されているので記念になるとのことだ。
もう一つの新しいアトラクションは「Zipline Park」と「Aerial Adbenture Course」。ナイアガラの滝からはクルマで5分の場所にあり、Zipline Parkは3つのコースに12のジップラインが用意されている。Aerial Adbenture Courseは吊り橋を渡ったり、ロープをよじ登ったりするアスレチックであり、こちらも美しい景色を眺めながら楽しむことができる施設になっている。
ホーンブロワー・ナイアガラ・クルーズ
同社はナイアガラの滝を間近で見れるクルーズ船を運航している。クルーズ船は700人乗りで、シーズン中は15分間隔で運航し、約20分間のダイナミックな時間を味わえる。可能な限り滝に近付くので水しぶきを浴びる体験は前提であり、無料でミストポンチョが貸し出される。一方で船内にはガラス張りの客室も用意されているので、浴びたくない人も楽しめるようになっている。
時期や時間によっては、イルミネーションで彩られた幻想的な景色や頭上で花火が打ちあがるナイター見物もあり、こちらも人気になっている。定期船のほかにも142席が用意されたチャーター船もあり、団体利用客にも対応可能とのことだ。
モネステリ―・ワイナリー(ナイアガラ)
ナイアガラの滝の近くに位置するワイナリーで、もともとは教会の敷地だった場所をワイン畑にした歴史を持つ。教会とワイナリーを見学し、試飲できるのがこちらの特徴だ。また、こちらで製造されているワインはカナダのワインの品質認証基準「VQA(Vintners Quality Alliance)」に基づいたもので、現地で生産されているブドウを100%使用したものになっている。種類は白ワイン、赤ワイン、アイスワインの3種類で、アイスワインは国際的な賞を受賞した実績を持つ。スタッフのなかには日本人もおり、予約すれば日本語で案内することも可能であると紹介された。
ザ・ヘア・ワイナリー(ナイアガラ)
こちらのワイナリーがある場所はカナダ最大のブドウ栽培地域であり、ワイン生産の一大拠点になっている。ナイアガラ・オン・ザレイクのメインストリートに面しており、トロントやナイアガラの滝からもアクセス良好な場所にあるのも特徴。こちらの地域は質のよいアイスワインの製造が盛んであり、同ワイナリーにおいても高品質なアイスワインが生み出されている。
そのなかでもオーナーが自信を持って紹介したいのはVQA品質の赤ワインで、カベルネ・フラン、メルロー、ソーヴィニヨンなどから醸造されており、数々の賞を受賞しているとのことだ。それほど大きなワイナリーではないが、10~20人ほどのランチを提供できる場所もあり、高級ホテルや日本食レストランとのケータリングサービスも提携しているので食事を楽しみながら見学や試飲もできるという。
オタワ観光局
オタワはカナダの首都であり、英語圏とフランス語圏の2つの文化を持つ。ユネスコの世界遺産に認定された「リドー運河」はオタワのダウンタウンを流れ、5月~10月まではボートツアーも行なわれている。このリドー運河は冬季には氷結するため世界最大のスケートリンクになり、オタワの住人のなかにはスケートしながら通勤する人もいるそうだ。
緑に囲まれた美しい街並みは徒歩で観光することも可能で、国内最大のカナダ国立美術館やカナダ博物館、カナダ自然博物館など、カナダの文化や歴史を知る施設も多い。毎年5月に開催されるチューリップフェスティバルでは、300万本の花が観光客を魅了する。
また、カナダ最大のミュージックフェスティバルである「RBCオタワ・ブルースフェスト」では、30万人の音楽ファンが訪れて楽しむそうだ。そのほか、300kmにおよぶ自転車専用道路も整備されており、サイクリストにとっても魅力のある街であると紹介された。
キングストン観光局
キングストンはトロントとオタワの中間にあり、その昔は首都として発展してきた歴史のある街だ。300年の歴史は伝統的な建築物や食文化を育み、現在も古都として多くの観光客が訪れる。見どころは多いが、その一つ「フォート・ヘンリー」は1837年に修復された19世紀のミリタリー史跡になり、現在は大砲を撃つといったショーなどのインタラクティブな体験もできる。12月から2月下旬、もしくは3月上旬までの冬季には「LUMINA BOREALIS」というプロジェクションマッピングを用いたインタラクティブショーも開催される。
オンタリオ湖からセント・ローレンス川が流れ始める一帯はサウザンド・アイランズと呼ばれ、大小さまざま島からなる景色を眺めるクルーズも人気だ。もっとも大きなウルフ島では、自然を楽しむアクティビティも用意されている。
セントローレンス・パークスコミッション
セントローレンス・パークスコミッションからはセントローレンス川流域の観光が紹介された。キングストン観光局のプレゼンテーションのなかでも紹介された「フォート・ヘンリー」であるが、カナダ国定史跡でもあり、19世紀の英国軍要塞を探索できる貴重な施設として人気が高い。衛兵による行進や軍楽隊のマーチングショーなど、季節ごとにイベントが多く実施されているのも特徴だ。
次に紹介されたのは「アッパー・カナダビレッジ」で、1860年代の村を再現したアトラクション。40以上の伝統的な建物を見ながら、この時代の生活や自然を体験できる。こちらも季節ごとにイベントが行なわれるが、見どころは9月から10月にかけて行なわれる「パンプキンフェルノ」。7000あまりのカボチャ細工が訪れた人を楽しませてくれる。ほか、歴史のあるキングストン刑務所のツアーやジップラインで森を移動するスカイウッド・エコアドベンチャーなども紹介された。
ノースオンタリオ観光局
ノースオンタリオ観光局からはオンタリオ州の北部について紹介された。トロントやオタワなど、大都市はオンタリオ州の南東部に位置するが、スペリオル湖やヒューロン湖に面した北部は雄大な自然が残されている。20万におよぶ湖沼や森の素晴らしい景観を楽しむことができるそうだ。スペリオル湖とヒューロン湖の間に位置し、アメリカとの国境付近にあるスー・セント・マリーでは、「カナディアン・ブッシュプレーン・ヘリテージ・センター」や「パークスカナダ運河」などを楽しむアトラクションがある。
また、トロント観光局のプレゼンテーションで紹介されたGroup of Sevenがキャンバスに残した景色を楽しめる「アガワ渓谷ツアー・トレイン」もこちらから乗車することができる。列車観光は2時間ほどで、ランチを楽しんだり日本語も含めた6か国語でガイドされる。付近の州立公園や国立公園では釣りやハイキング、キャンプなども楽しむことができ、チャンスがあれば夜にオーロラを見ることもできるそうだ。