ニュース

2020年には日本からの渡航者10万人が目標。スリランカ政府観光局がセミナー開催

歴史遺跡と自然、人々が織りなすハーモニー

2018年9月25日 開催

スリランカ政府観光局は9月25日、「スリランカ観光セミナー&ワークショップ 2018」を開催した

 スリランカ政府観光局は9月25日、都内で「スリランカ観光セミナー&ワークショップ 2018」を開催。セミナーは大使館より持参した燭台に光を灯す神聖なセレモニーから厳かにスタートした。

 セミナーでは、ビーチツーリズムから伝統医療体験まで、幅広くスリランカの魅力が紹介された。

伝統的な燭台への光の点灯儀式からスタート。1本ずつロウソクに登壇者と来賓たちが炎を灯していく

 まずは、駐日スリランカ大使のダンミカ・ガンガーナート・ディサーナーヤカ氏があいさつ。「日本では、一般的な感覚ですとスリランカがインド大陸の一部と思われていますが、完全に大陸とはまったく異なる経済・文化、社会面を持つ島国です。緑が豊かで空気も美味しく、穏やか。日本人と似た和の心(ハーモニー)を持っているため身近に感じていただけると思います。

 北海道より少し小さい面積で人口は約2080万人。教育レベルと収入が高く、南アジアの玄関口として長い間活躍してきました。その昔『必ずや不思議な出会いがある島』(セレンディブ)とも呼ばれ、『千夜一夜物語』でシンドバッドがたどり着いた宝石のあふれる島がスリランカとも言われています。

 私どもとしては、ご自身でぜひ一度スリランカを訪れていただけたらと考えております。そして肌でスリランカのよさを感じ、ご理解いただけたら大使として一番うれしく思います」と述べた。

駐日スリランカ大使のダンミカ・ガンガーナート・ディサーナーヤカ氏がスピーチ

 そしてスリランカ政府より環境開発・キリスト教省副大臣ランジー・アルハイレ氏がステージに。「日本のマーケットはスリランカにおいて非常に重要だと考えております。スリランカは、好奇心旺盛な日本人観光客の皆さまにとって魅力的なコンテンツを数多く有しております。美しい島々に多種多様な文化。フレンドリーな人々が温かく迎え、歴史的な名所とともに最近ではヘルスツーリズムやハネムーン先としても人気です。

 改めて政府代表として日本におけるパートナーシップを通じスリランカ観光の促進を図っていきたいと考えています」と話した。

環境開発・キリスト教省副大臣ランジー・アルハイレ氏もセミナーの冒頭であいさつ

 続いてスリランカ政府観光局 マーケティングディレクターのマドゥーバニ・ペレーラ氏がスリランカの代表的な観光エリアを紹介。基本情報として、マルコ・ポーロにより「世界で最も美しい島」と称されたことや、1330kmの海岸線に囲まれ6万5610km2の面積とコンパクトな国ながら、多くのアクティビティが楽しめることに言及した。日本人観光客数は2012年から2017年までの統計で毎年増加傾向にあり、2018年度も2017年度に比べ8月時点で好調であるとのことだ。

スリランカ政府観光局マーケティングディレクター マドゥーバニ・ペレーラ氏

 トピックスとしては、海でのアクティビティや世界遺産、豊かな自然にアーユルヴェーダ、さらにセイロンティーやフェスティバルなどに注目。

 水温が平均27℃であり、ヒカドゥワやニラヴェリはダイビングやシュノーケリングなどが楽しめ、アルガム・ベイはアジア屈指の波のよさでサーフィンの名所であるなど、目的に合ったビーチでバケーションが満喫できビーチツーリズムに最適と紹介した。

 また8つの世界遺産があり、熱帯雨林のシンハラジャからアジア初の千年紀の保存都市・シーギリヤ、仏歯寺の遺跡や美しい街並みが楽しめるキャンディなど自然から古代都市まで幅広く楽しめることなどを話した。

スリランカについての基本情報
サーフィンやシュノーケリングなど充実の海でのアクティビティが楽しめる
世界遺産は8か所。3000年を超す月日のなかで築かれてきた歴史と自然を肌で感じることができる

 女性が特に気になる、アーユルヴェーダや名産の紅茶に関しても言及。スリランカは独特の治療法で身体を健やかに導くアーユルヴェーダ発祥の地。長きに渡り伝わってきた伝統的な療法は、身体とともに精神と魂も豊かにするのが特徴。エステやスパとはまったく異なり、内側から癒す世界最古の医療という。

 さらにスリランカ紅茶は世界一であり、2017年にセイロン・ティー委員会が150周年を迎えたことに触れた。

身体と心と魂を健やかに導く伝統医療アーユルヴェーダについて解説
名産品スリランカ紅茶は、2017年にセイロン・ティー委員会が150周年を迎え、さらに世界に美味しさと質のよさを世界に発信していく

 なお、スリランカのアクセスに関しては多くのエアラインがバンダラナイケ国際空港に就航しており、コロンボまで約20~25分ほどで移動が容易であること。また国内移動に関してもヘリコプターやシープレーン、鉄道、バスとさまざまな手段が用意されていると述べた。

船舶から各種航空関連まで移動手段の充実をアピール
国内線はバス移動も便利とのこと
鉄道利用の場合は豪華列車で優雅なひとときも過ごせる

直行便のスリランカ航空利用で約10時間のフライトを快適に過ごす

 日本とスリランカを結ぶ唯一の直行便を運航する、スリランカ航空もセミナーに参加。その利便性を中心にプレゼンテーションを行なった。今年日本就航34周年を迎えるスリランカ航空は、特徴としてインドへの路線網が豊富。モルディブのヴェラナ国際空港では、外資系として最多のフライト数を誇る。

 成田国際空港より直行便が月、木、土、日曜の週4便出ており、現地到着後(現地時間17時50分着)にキャンディやシーギリヤへの移動ができる。経由便の場合は23時以降となるため、疲れを取る意味でも早めの到着が理想。そのうえ短期間の滞在でも翌日からフルで時間が使えるメリットがある。

スリランカ航空の旅客営業部 小萱雅彦氏がプレゼンテーション
スリランカ航空の基本情報からスタート
日本からスリランカへの唯一の直行便を運航。利便性の高さをアピールした
2018年下期スケジュール

 使用機材はエアバス A330-300型機とA330-200型機を使用。ビジネスクラスはフルフラットシートで約10時間の旅が快適に過ごせる。また機内食はビジネスクラス、エコノミークラスともに3種類からチョイスが可能。和食なども用意しているが、やはり本場の味が楽しめるスリランカカリーが人気。スリランカ航空としては食後はコーヒーもいいが、ぜひ本格的なセイロンティーを味わってほしいとのこと。

 さらに経由便についても言及。行きは直行便、帰りは経由地のシンガポールやクアラルンプールで滞在し2か国周遊を楽しめるとメリットを紹介した。なお、2018年10月1日搭乗分からは出発65時間前まで一部の座席指定が有料となる。対象は長距離路線のみ。

成田線はエアバス A330-300型機、エアバス A330-200型機を使用
機内食は人気のスリランカカリーとセイロンティーを!
2018年10月1日より長距離路線の一部座席指定が出発65時間前まで有料となる

初めてのスリランカ、どこへ行って何食べよう! スリランカ政府観光局マーケティングディレクターからアドバイス

 スリランカ政府観光局 マーケティングディレクターのマドゥーバニ・ペレーラ氏に日本マーケットへの期待や初めてスリランカを訪れるならば、どこへ行くべきなのかを伺った。

 まず日本のマーケットに関しては、「日本はスリランカの観光業にとって非常に重要です。2017年はトータルで約4万5000人の日本人渡航者数となりました。2018年8月までの時点で約3万5000人ですので、2018年は12月末までに約6万人を目指したく考えております。2020年に向けて約10万人の方々を日本からお迎えできたらと思います」と話してくれた。

スリランカ政府観光局マーケティングディレクター マドゥーバニ・ペレーラ氏にお勧めエリアや食事についてアドバイスももらった

「初めてスリランカを訪れる観光客にオススメのエリアは?」との質問には、セミナーでも出ていたユネスコ世界遺産のキャンディとシーギリヤを提案。キャンディはスリランカ最後の王朝であり、植民地政策に対抗した最後の砦であった都。仏歯寺では7月または8月に盛大なお祭り「エサラ・ペラヘラ」が開催され、飾り付けられた象たちに数千の踊り子が街中を練り歩くとのこと。

 そしてシーギリヤでは標高200mの王宮跡では栄華と孤独を感じることができ、「一度は訪れてほしい名所」と話してくれた。

 さらに、「多くの象が一度に観察することができるミンネリヤ・タンクの『エレファント・ギャザリング』のポイントへも9月に足を運んでいただけたら。丘陵地帯は、スリランカならではの紅茶畑が広がる景色や、広大な自然も堪能できます。そして、7月から9月までは東部、11月から4月までは南部・南西部のビーチがお勧めです。海や山をはじめとする自然、そしてスリランカの歴史をぜひ感じてください」とコメントした。

 また、スリランカキュイジーヌについてもお勧めを聞いてみた。やはり定番からが入りやすいとのことで「まずはミルクライスから味わってみてはいかがでしょうか。スリランカの朝食の定番で、ココナッツミルクでお米を炊いて作りますが、とても簡単で美味しいんです。チリやオニオン、お塩などを加えて辛めに仕上げてるのもお勧め。

 ほかにはジャグリーと呼ばれるキトゥル椰子から作った自然糖も紅茶と一緒に味わっていただけたら。また、ホッパーも忘れてはいけません。米粉を伸ばしてお椀にしたものですが、中に卵を落としてエッグ・ホッパーにしても抜群です。ぜひスリランカならではの味を楽しんでください」と次々とお勧めを教えてくれた。