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ハワイアン航空、テオ・パナジオトゥリアス グローバルセールス&アライアンス上級副社長が日本市場のハイライトについて説明

2018年8月27日 実施

ハワイアン航空 グローバルセールス&アライアンス上級副社長 テオ・パナジオトゥリアス氏

 ハワイアン航空は8月27日、同社 グローバルセールス&アライアンス上級副社長 テオ・パナジオトゥリアス氏が日本市場のハイライトについて語る機会を設け、日本支社内で報道向け説明会を実施した。

 パナジオトゥリアス上級副社長は、以前はオアフ島ホノルルにある本社がメインの勤務地だったが、7月1日以降は日本支社に3週間、ホノルル本社に1週間程度のペースで勤務。これは、日本市場を最重要のマーケットと見ているほか、JAL(日本航空)と始まった包括的業務提携においてJAL経営幹部との打ち合わせを行ないやすくするためだという。

 ハワイアン航空とJALは2017年9月26日、包括的業務提携契約に合意した。この包括的業務提携契約により、2018年の夏期ダイヤが始まる2018年3月25日から双方の日本~ハワイ路線でのコードシェア(共同運航)、ラウンジの相互使用などを開始している。

 パナジオトゥリアス上級副社長は、ハワイアン航空の現状を「ハワイ路線に特化したエアライン。足下の10年で路線網の拡大に成功した」とし、その特徴は「“ホオキパ”というのが私どものブランドが約束する一番重要な価値。日本語でおもてなしになります」であると説明した。

 ハワイアン航空の路線網は、ハワイ諸島と米国西海岸10都市・東海岸1都市(ニューヨーク)を結び、米国以外の国際路線は10路線。ハワイ諸島間では11の島間路線を運営する。現在保有している機材数は62機で、20機を発注中だという。年間の利用客は1200万人超で、13年連続で成長を続け、7100人強の社員数となっている。利益率はライアンエアに次いで2位で、これは9度目のことだという。

 過去7年の間、すべてのインターナショナルマーケットでプレゼンスを伸ばしてきたとし、もっとも顕著に現われているのが日本であるとした。

ハワイのおもてなしを約束
ハワイアン航空の路線
利益率
2010年から急速な投資・拡大をスタート
2014年からは進化の期間
国際マーケットで存在感を確立

 ハワイ~日本路線においては、座席提供数は全体の23%。日本路線というのは年間でハワイに到着する国際線の割合として60%を占めており、ハワイにとって最大のインターナショナルマーケットになっている。

 この日本路線をさらに成長させるために、ハワイアン航空は組織を再編。2016年に事業の再構築をはじめ、成田~ホノルル線を週7便で運航、羽田~コナ路線を週3便、羽田~ホノルル線を週4便で就航した。2017年には虎ノ門にオフィスを移転し、前述のようにJALとの包括的業務提携を発表している。

 2018年2月から、新千歳~ホノルル線にはボーイング 767型機に代えて、エアバス A330型機を投入。これはハワイアン航空の最新のビジネスクラスシートなどを搭載する機体で、新千歳便が好調なことから機内設備のグレードアップを図っている。

日本~ハワイ間の座席提供数ではリード
日本組織の再編
2018年のマーケットハイライト

 2018年は、JALとの包括的業務提携の初期ステップが進行中で、コードシェア、ジャルパックによる販売などが開始されている。

 次のステップとしては、数か月先に予定しているハワイアン航空とJALのマイレージの相互利用で、利用客はより便利になるという。ただ、これはハワイアン航空とJALの相互利用であり、ハワイアン航空がワンワールドに加盟することではないとのことだ。

 ハワイアン航空とJALは、日本~ハワイ路線における独占禁止法の適用除外(ATI:Antitrust Immunity)を、2018年6月15日に日本とアメリカの当局である、国土交通省と米国運輸省に行なっており、このATIが認められると運航スケジュールの最適化、サービス・商品の強化、ネットワークの拡大などより多くの共同事業が行なえるようになる。これらJALと連携したサービス拡大があるため、パナジオトゥリアス上級副社長は多くの時間を日本に割いていることになる。

 また、2020年以降ハワイアン航空はボーイング 787-9型機を10機導入していくが、これも日本市場を念頭に入れたものだという。ただ、日本市場専用というわけではなく、オーストラリア路線や米本土の長距離路線、香港路線の拡大も見据えてのものだという。

日本での成功は戦略的投資の成果
JALとの包括契約に関する初期のステップ
ATIが認められたあとの共同事業
2020年以降ボーイング 787-9型機を10機導入

 気になるハワイ島の噴火問題については、噴火している地域が非常に狭く(ハワイ州観光局によると、ハワイ島の1%)、地元のニーズから微調整は行なったものの、とくに運航スケジュールに影響のあるようなものではないとのこと。地元の人たちも使う便なので、大きなスケジュール変更をする理由もないという。「すごく大切なことは、(この問題は)スモールパートであり、コナ空港に影響はないことです」と語った。

 また、すでに始まっているジャルパックによる販売については、「おかげさまで良好に推移している。多くのオプションをお客さまに提供することが大切です」とし、十分手応えを感じているようだ。

 ハワイアン航空とJALの提携は始まったばかりだが、ATIが認められると次の段階へと進み、今後パナジオトゥリアス上級副社長が積極的に日本にいることで新たな展開を見ることができるだろう。