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ギャラクシーとモンテカルロSBM、日本でのカジノを含むIRの展開について会見

「インバウンド6000万人を可能たらしめるのがIR」

2018年5月9日 発表

ギャラクシー・エンターテインメント・グループとモンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・ドゥ・メールが日本でのIR展開について説明した

 マカオでIR(統合型リゾート)の開発・運営を手掛けるギャラクシー・エンターテインメント・グループは5月9日、同じくモナコでIRを運営するモンテカルロSBM(ソシエテ・デ・バン・ドゥ・メール)とともに会見を開き、日本でのIRの展開について説明した。

 日本国内でカジノを含むIRについては、いわゆるIR実施法案が6月20日までの今国会で成立が見込まれており、海外からの参入表明が相次いでいる。

 会見で登壇したギャラクシー・エンターテインメント・グループ 取締役相談役のマイケル・メッカ(Michael Mecca)氏は、IRを展開する自治体各地の土地柄を活かしつつ、日本ならではのリゾートを作ることで「ワールドクラスの日本を体験してもらう」と意欲を示し、モンテカルロSBMとのパートナーシップについては「日本におけるIRの姿を共有できている」ことが提携を結んだ理由であるとした。

 同社はマカオで「ギャラクシー・マカオ」「ブロードウェイ・マカオ」「スターワールド・マカオ」の3つのIRを展開しており、特にギャラクシー・マカオには「ザ・リッツカールトン・マカオ」「JWマリオット・ホテル・マカオ」「バンヤン・ツリー・マカオ」「ホテル・オークラ・マカオ」「ギャラクシー・ホテル」の5軒の五つ星ホテルを内包するなど、最大級の規模を誇っている。

ギャラクシー・エンターテインメント・グループ 取締役相談役 マイケル・メッカ(Michael Mecca)氏

 一方、モンテカルロSBMは2013年に創立150年を迎えており、著名な「オテル・ド・パリ・モンテカルロ」や「カジノ・ド・モンテカルロ」など4軒のラクジュアリーホテルと4軒のカジノを運営してきた歴史を持つ。また、ミシュランで三つ星を獲得し続けている「ル・ルイ・キャーンズ・アラン・デュカス・ア・ロテル・ド・パリ」に代表されるレストランや、「オペラ・ド・モンテカルロ」「モンテカルロ・バレエ団」といったエンタテイメント領域の経験も豊富で、モンテカルロSBM 会長兼CEOのジャン=リュック・ビアモンティ(Jean-Luc Biamonti)氏は「我々の資産はこの分野で最もアイコニック(象徴的)な存在」と説明した。

 ビアモンティ氏は、同社の主要株主であるアルベール2世モナコ大公の政府とともに2015年からIR分野のパートナーを模索するなか、特にアジア・日本で展開することが決まり、財務的にも非常に成功しているギャラクシー・エンターテインメント・グループにたどり着いたという。「最も大事なのは2社で同じ価値観を共有していることで、事業を展開する地域に敬意を持ち、それは日本の市場でも重要だと考えている」と述べ、文化的な感性や心からのサービスを行なっているという点は「日本のおもてなしの心とも共通している」と説明した。

モンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・ドゥ・メール 会長兼CEO ジャン=リュック・ビアモンティ(Jean-Luc Biamonti)氏

 会見後の質疑応答で2社の強みについて問われたメッカ氏は、日本におけるIRの姿を共有できていること、(IRを展開する地域の)コミュニティに対する配慮を重視していることだと回答。今回の日本に限らずIRの立ち上げにあたっては何千人もの雇用を創出してきており、「地域からの雇用を第一としている」という。

 アジアにはマカオやシンガポールといったIRがすでに存在しているが、日本が魅力的な市場になれるかという問いに対しては、「日本はすでに観光大国であり、素晴らしい国だという印象を得ている。政府はインバウンドを現在の2800万人から10年で倍にしようとしているが、それを可能たらしめるのがIRで、日本の観光に大きな価値を与えるだろう」と回答した。