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国交省、奄美大島&徳之島をモデルケースに大型クルーズ船の寄港地開発を検討
カリブ海のような滞在型の寄港地観光促進を狙う
2017年8月14日 19:17
- 2017年8月10日 発表
国土交通省 港湾局は8月10日、島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査結果を発表した。これはクルーズ船が島嶼部に寄港し、ビーチなどでのんびり過ごす1日滞在型の寄港地観光が行なわれているカリブ海のようなシーンを想定した寄港地開発を図るもので、「訪日クルーズ旅客を2020年に500万人」という政府目標達成に向けての取り組みの一つとなる。
日本においては、南西諸島は山海の豊かな自然を有し、東アジアクルーズの発着地である中国とも近いことから、地域資源を活かした寄港地観光メニューを備えた開発可能性の高い地域として設定。国交省では、島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関して、南西諸島のなかから奄美大島、徳之島をモデルケースとして調査。候補地検討にあたって評価すべき課題などを整理したうえで、候補地の評価や実現可能性などを検討した。
発表された概要では、寄港候補地の条件として「係留施設の設置水深が12m以上あること」「水深12m以上でクルーズ船の回頭域(直径722mの円)を確保できること」「静穏度のよい場所であること」「養殖場がないなど漁業への影響が軽微であること」「珊瑚礁がないなど環境への負荷が小さいこと」「近くに一定のビーチがあるなど観光資源があること」の6項目を列挙。回頭域は、現時点における世界最大のクルーズ船の全長(L)361m(ロイヤル・カリビアン・インターナショナルのオアシス級客船)を想定し、その2倍(2L)の722mを回頭場の直径にしている。
こうした条件を満たす場所として、奄美大島から9カ所、徳之島から1カ所を選定。それぞれの候補地において係留施設の規模、静穏度、国立公園区域指定の有無、サンゴなどの環境、漁業/養殖への影響、背後の土地、周辺道路、地域消費地へのアクセス、周辺観光資源などの項目について評価している。
国交省では今後、島嶼部の大型クルーズ船寄港地開発の実現に向けて、地元自治体とも連携して検討を進めるとしている。