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ハイアット、日本における新ブランド「ハイアットプレイス東京ベイ」開業を発表

2019年開業、顧客ニーズに合わせる「セレクトサービス」のホテルに

2016年12月1日 発表

ハイアットプレイス東京ベイ(完成イメージ、画像提供:ハイアットホテルズコーポレーション)

 12月1日、Hyatt Hotels Corporation(ハイアット・ホテルズ・コーポレーション、以下ハイアット)は、東京・虎ノ門のアンダーズ東京で記者発表会を行ない、相互物産ならびに各関連会社を通じてホテル運営受委託契約を締結し、日本における新たなホテルブランド「ハイアットプレイス東京ベイ(Hyatt Place Tokyo Bay)」を千葉県浦安市明海に開業することを発表した。

「ハイアットプレイス」はハイアットがアメリカ国内を中心に展開している「セレクトサービス」のブランドで、今回が日本初進出となる。24時間必要なサービスを提供する利便性、フレキシブルな居住空間とスタイリッシュなデザイン性を重視し、ビジネス、レジャー、どちらの利用にも幅広く対応する。

ハイアットプレイス東京ベイの完成イメージ(画像提供:ハイアットホテルズコーポレーション)

「地域の方々にも愛される国際的アップスケールホテル」を目指す

相互物産株式会社 代表取締役社長 小澤真也氏

 発表会では、はじめに相互物産 代表取締役社長の小澤真也氏が登壇し、建築概要の説明が行なわれた。

 同氏はホテルの建築コンセプトとして、恵まれた立地を活かしたシンプルな配置(シンプル・ゾーニング)、効果的なリゾート演出(リゾート・スケープ)、太陽光とライトアップで変化に富んだ表情を見せる正面デザイン(オールデイ・ファザード)を挙げた。

 建物の規模、構成については、敷地面積は1万240m2で、建物は地上10階、地下1階となる。客室数は2室のスイートを含めて365室で、屋上テラス、料飲施設、多目的会議室などを設置することが明らかにされた。レストランや会議室については「ホテルゲストはもちろん、地域の方々にも利用していただきたい」(小澤氏)という。

 同氏は大きなテーマとして「地域の方々にも愛され、ビジネスにもレジャーにも幅広く対応した国際的なアップスケールホテルを作り上げること」を挙げ、近隣住民にも愛されるホテル作りを強く意識していることを強調した。

計画地の紹介。「利便性と景観を高度に兼ね備えたアーバンリゾートの魅力あふれる土地」(小澤氏)だという
建築コンセプトとして、3つの要素を挙げた
恵まれた立地を活かし、シンプルに考えた「シンプル・ゾーニング」。建物を海側へ配置して、恵まれた景観を活かしつつ、近隣の小学校へも配慮したという
海辺のリゾートを魅力的に演出する「リゾート・スケープ」。パームツリーの並木、木陰にレストランのオープンデッキを作り、賑わいを演出する
昼は太陽光による陰影、夜はライトアップで、変化に富んだ豊かな表情を見せる正面デザイン「オールデイ・ファザード」
規模、構成の概要。地上10階、地下1階規模で客室数は365室。約140台に対応する駐車場を備える
セットバック(上の階の外壁を下の階の外壁より内側にすること)を活かしたテラス付きの部屋を用意する
オーシャンビュー、花火大会などのイベントが満喫できる屋上テラスも計画している
通常のハイアットプレイスにはない同ホテル独自の施設として、相互物産が運営する鉄板焼きカウンター、寿司カウンターを設置する

従来型ホテルとは異なる「新しいホテルの使い方を提案する」ハイアットプレイス

日本ハイアット株式会社 代表取締役 阿部博秀氏。日本初進出となるハイアットプレイスについて説明した

 続いて、日本ハイアット株式会社 代表取締役の阿部博秀氏が登壇し、ホテルブランドの紹介が行なわれた。

 ハイアットは世界54カ国で12ブランド、679のホテルを展開している。「パークハイアット」「グランドハイアット」「ハイアットリージェンシー」といった日本でもおなじみのブランドは、レストラン街やスパなど付帯施設を有し、包括的なサービスを提供する「フルサービス」のブランドとなる。

 これに対し、今回開業する「ハイアットプレイス」は、顧客のニーズにフォーカスし、必要なサービスを厳選して提供する「セレクトサービス」のカテゴリに属する。宿泊特化型のビジネスホテルともまた違う「新しいコンセプトの業態であり、お客さまに新しいホテルの使い方を提案する」(阿部氏)ブランドとなる。

ハイアットホテルは世界54カ国に679ホテルを展開する
ハイアットが展開する12ブランド。ハイアットプレイスは「セレクトサービス」に属する
国内のホテル展開。2019年までにハイアットプレイス東京ベイを含めて6つのホテルを開業予定
ハイアットプレイスはこれまで主にアメリカ国内を中心に展開してきたが、すでに255ホテルともっとも数が多いブランドとなっている。2014年にはじめて中国深センで開業して以来、現在アジアで3ホテルが開業している

ライフスタイルの変化に合わせ、フレキシブルな利便性と居住空間を重視

 安部氏は、ハイアットプレイスというブランドが生まれた背景には、若者を中心としたライフスタイルの変化があると語る。高級ブランド志向から自分の価値観、コストパフォーマンスを重視する傾向が強まるとともに、デジタル機器やソーシャルメディアが生活に欠かせないものとなり、そうした機器がスムースに使える環境が求められるようになっているという。

 また、ホテル業界をとりまく環境も変化しており、ホテル需要の増加に伴ってホテルブランドも増加、多様化し、自分のスタイルや旅の目的に合わせてホテルブランドを選ぶ時代へと変化してきているという。

 今回ハイアットプレイスを選んだ理由としては、こうした背景に加えて、東京ベイエリアというロケーションから、東京ディズニーリゾートで多くの時間を過ごす顧客層、ビジネス層を主要ターゲットとして想定していることを挙げた。こうした顧客層には、豪華な施設や過剰なサービスよりも、利便性を重視したシンプルで質の高いサービスを提供するハイアットプレイスが最適だと判断したという。

今回の計画地(浦安)になぜハイアットプレイスを選んだかについての理由。特に東京ディズニーリゾートで多くの時間を過ごす顧客層を強く意識したという

 同氏は、ハイアットプレイスの具体的な内容として、居住性にこだわった客室、24時間営業のダイニングエリア、同じく24時間営業のコーヒー&カクテルバー、テイクアウトコーナーなど利便性を重視した設備、さらにPCをはじめとする電子機器がスムースに使えるデジタルサポートなどを紹介した。客室へのルームサービスはないが、ダイニングエリアの食事を客室に持ち帰ることができるという。

 なお、このあとに行なわれた質疑応答においては、ハイアットプレイスブランドを今後も日本に展開していくのかという質問に対し、「(ハイアットプレイスの業態は)これからも需要が大きいと認識している」と今後さらに展開していく可能性を示唆した。

ハイアットプレイスがどのようなホテルとなるのか。ギャラリー(ホテルロビー)のフロント付近のイメージ
サンドイッチやペットボトルドリンクなどを購入できるテイクアウトコーナーを用意
ギャラリーメニューと呼ばれるダイニングエリアは24時間温かい食事を提供する。客室のルームサービスはない代わりに、ここの食事を客室に持ち帰ることもできる
宿泊客が無料で利用できる朝食バフェを用意する
全館Wi-Fiを完備するほか、PCやプリンタを備えたスペースを用意する
客室は居住性にこだわり、ゆったりくつろげるソファ、ビジネスも快適にできるワーキングデスクを備える。ファミリー向けに4つのベッドを備えた部屋、海に面したテラス付きの部屋なども用意する
調印式のあとには小澤氏(左)と阿部氏(右)ががっちりと握手した