ニュース

東京メトロ、日比谷線の新型車両13000系を公開

2020年に向け、3扉と5扉が混在するすべてを4扉車両に更新

2016年8月31日 公開

東京メトロ日比谷線の新型車両13000系(手前)と並ぶ1988年から導入され現行車両の03系(奥)

 東京メトロ(東京地下鉄)は、東京メトロ日比谷線に2016年度中に導入を予定している新型車両13000系を8月31日に報道陣向けに公開した。

 新型車両13000系は、東武スカイツリーライン新型車両70000系とともに、現行車両の3扉と5扉の車両が混在する車両すべてを4扉の車両に統一し、設備や仕様を共通化する車両。2016年度から営業運転を開始し、2020年に向けて全44編成(2編成増)を13000系に更新する。

 その後日比谷線では、2020年以降に2年かけてホームドアを導入するとしている。全車両を近畿車輛が製造する。編成は従来の18m車の8両編成から、新型は20m車の7両編成となる。今回公開されたのは13101編成。

 車両デザインは、路線が通るビジネス街がもつ都会的なイメージを持たせ、外観はシルバーを基調とした洗練されたデザイン。インテリアはオフィスをイメージしたシックなデザインを採用。歴代の3000系、03系車両のイメージも引き継いでいる。公開当日は晴天で、強い日差しがアルミ合金製ボディに反射しシャープな印象。公開場所の周囲に建つ高層建築物にマッチしていた。

 駆動には永久磁石同期モーター(PMSM)を採用しモーター効率を向上。03系との比較で25%の消費電力削減が見込まれる。台車は狭軌路線としては初の片軸操舵方式で、カーブ通過時の振動や騒音の低減、快適性向上が図られている。また、オイルフリーコンプレッサによってメンテナンス性も上がっている。

 デザインが特徴的なヘッドライトには、LEDを採用し、視認性と省エネルギーに貢献している。行先表示器はフルカラーLEDで、カラーの駅ナンバリングを表示させ、観光客などへの利便性を向上させている。

13000系全景。7号車側から
13000系正面。LEDライトが目立つ現代的なデザイン
ヘッドライト周辺
ヘッドライトのアップ
尾灯に切り替えたところ
行先表示器には駅ナンバリングも表示される
列車番号表示もLED
連結器
現行車両03系(左)と並んだ13000系(右)正面。イメージを踏襲しつつ現代的デザインになった
車両は全長20mで4扉
全長18m 3扉の03系と並んだ場面。1号車側から
3扉の03系車両
5扉の03系車両
連結部分
車体デザインと車いす、多目的スペースのマークを一体化
ドア付近
種別と行先表示を交互に表示する
駅ナンバリングも表示される
車両番号表示
東京メトロのロゴ
台車はモノリンク式。ボルスタ付き片軸操舵台車
運転台。3画面の液晶モニタで情報を表示する
乗務員室。扉開閉用の操作盤や非常運転スイッチなど
乗務員室。放送用設備

 車内の照明はLED。光を分散反射させる間接照明にしていて、落ち着いた車内空間となっている。荷棚がガラスでできており、伝統的な江戸切り子模様を入れている。この荷棚の壁側内部にも照明が入っていて、ガラスの江戸切り子模様を介して下の座席をほのかに照らす仕組みになっている。夜間には手元を照らし、読書がしやすい配慮となっている。
 座席幅は現行の03系の43cmから46cmへと拡大。扉横の脇仕切りが強化ガラスになり、混雑時には座った人の顔に当たらないように顔周囲まで覆うように大型化されている。

 また全車両に座席のないフリースペースを設置。車いすやベビーカーはもとより、大型スーツケースでの乗車もしやすい。腰のあたりにくる部分にパッドが付けられ、もたれかかる時のクッションになっている。フリースペースと対面する座席は優先席になっていて、こちらも全車両に設置されている。優先席のつり革位置は少し下げられている。

 扉上部に17インチワイドサイズが3画面並んだ車内表示モニタが設置されていて、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に対応した情報が表示される。訪日旅行者向けに無料Wi-Fiも導入の予定(時期や方法は未定)。

13000系車内
座席。2-3-2にてスタンションポールが分割
1人あたりの座席幅は46cm幅に拡大された
扉横の脇仕切は強化ガラスを使い、圧迫感なく大型化している
車内の照明は27WのLED
間接照明となっている。反射面は凹凸のある構造で光を効率よく拡散
エアコンは58.0kWと能力が高められている。現行の03系は48.8kW
車内放送システムは高音質なステレオ対応
つり手高さは03系より8cmほど低く設置。荷棚も低くなっている
荷棚はガラスでできている。伝統的な江戸切り子模様入り
荷棚の壁側内部に照明が入っていて、ガラスの江戸切り子模様を介して、座席を照らす
17インチワイドサイズが3画面並んだ車内表示モニタ
右2画面で案内表示。日本語表示
中国語表示
韓国語表示
英語表示。この英語表記は各国語とミックス表示されていた
別画面では各種情報や広告を表示している
フリースペース部分。全車両に設置されている
腰のあたりに当たるパッドが付いている。軽く腰をあずけることができる
車両間のドアは強化ガラス製で手動開閉
運転台側の車内側
運転台側車内上部に無料Wi-Fiを設置する予定のスペースがある(未設置)。この部分のみ樹脂製で電波を通す作り
車両番号表示。車両は近畿車輛製。LED照明使用を示すステッカー。全車両禁煙
乗降用扉のステップには黄色いマーカーで滑り止め
東京メトロ新型車両13000系は、高層建築ともマッチする都会的なデザイン