【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2016

日本各地の伝統工芸品を多数展示・販売、実演も盛況

山鹿灯籠ブースでは山本寛斎さんが登場

2016年9月22日~25日 開催

灯籠まつりを模して山鹿灯籠頭上に乗せ踊る踊り手

「ツーリズムEXPOジャパン2016」において、伝統的工芸品産業振興協会は、各地の伝統工芸を紹介するブースを設けていた。通路の両側に、各工芸品が並ぶという構成で、工芸品の販売や手作り体験を行なっているコーナーも多い。

伝統的工芸品産業振興協会の「伝統的工芸品」ブースが並ぶエリア

「山鹿灯籠(やまがとうろう)」―熊本県山鹿市

 和紙と糊だけで立体構造に組み上げる、室町時代からあるとされる工芸品。置物、お土産、インテリアなどに利用されている。山鹿灯籠を女性踊り手の頭上に乗せ踊る灯籠まつり(2016年は8月15日~16日開催)は有名。

 9月23日には、ファッションデザイナー 山本寛斎さんがブースに現われ挨拶があった。山鹿市の魅力を発信する「山鹿元気プロジェクト」のアドバイザーとして、PRポスターの制作などを手がけている。山鹿灯籠をイベントで使うなど、今後もさまざまな取り組みをする。

山鹿灯籠は和紙と糊だけで立体的に組み上げている。とても軽いのが特徴
「山鹿元気プロジェクト」のアドバイザーとしてブースに登場した山本寛斎さんと、KANSAIファッションガールズ
ミニチュアの灯籠制作体験
灯籠はさまざまな形がある。

「江戸木版画」―東京都

 浮世絵版画を、下絵を書く絵師、これを版木に彫る彫師、紙に摺る、摺り師の分業で制作する伝統工芸。

浮世絵版画の作品展示
作品は販売もしている
版画を刷る体験コーナー

「近江上布(おうみじょうふ)」―滋賀県愛荘町ほか

 室町時代から続く代表的な麻織物産地の近江で、17世紀に彦根藩の振興により発展した織物。着尺や甚平といった夏用の上質な着物の地物として、近江商人によって全国に広がった。

近江上布の反物など版画を刷る体験コーナー
近江の麻を使った制作体験。無料のコーヒー試飲があった
なぜコーヒー試飲なのかというと、愛荘町には工場が多くUCCの工場もあるため

「仙台箪笥」―宮城県仙台市

 江戸時代に誕生し、仙台藩の産業として発展。ケヤキの木目が浮かぶ木地呂塗に、豪華な鉄の飾り金具が付くのが特徴。

仙台箪笥とスピーカー
指物と呼ばれる技法で釘はいっさい使わず、木と木を組み合わせている
指物の制作体験

「丸亀うちわ」―香川県丸亀市

 17世紀中頃からあり、現在うちわの全国生産の90%を占める。柄と骨が1本の竹から作り出されているのが特徴。

丸亀うちわ
丸亀うちわ制作の実演
瀬戸内国際芸術祭2016のうちわを配布
丸亀市観光親善大使

「樺(かば)細工」―秋田県仙北市

 18世紀後半に下級武士の副業として始まった、樹皮特有の美しさを表現する細工。山桜の樹皮を木地に貼ったもの、貼り重ねて彫刻したものなどがある。実用的な堅牢さも兼ね備えている。

樺細工の工芸品
樺細工制作の実演
樺細工の小物製作体験

「波佐見焼(はさみやき)」―長崎県波佐見町ほか

 16世紀末大村藩主が朝鮮出兵の際に連れ帰った陶工により開窯。大村藩の保護を受けて栄えた。良質の天草陶石にコバルト色の呉須下絵を染め付けた磁器。全国的に人気があり、多くの家庭で愛用されている。

素地に絵付けをする「濃(だ)み」と呼ぶ技法
焼くと色が変化し、サイズがかなり縮む
カラフルなコップなどもある
波佐見焼アクセサリー作り体験

「結城紬」―茨城県結城市

 縦糸と横糸ともに真綿の手つむぎ糸を使い、独自の地機(じばた)を使って織る代表的な手織り紬。近年では着物以外のさまざまな洋品や小物にも展開し、手織りの風合いが好評を得ている。

地機織りの実演。1反織るのに約1カ月、細かな模様だと1年かかることもある
絣くくりと呼ぶ作業。くくった部分は染色されない。図案に基づき、この組み合わせで模様を作る
真綿の手つむぎ実演
結城紬の反物
着物の見本
着物の試着も行なわれていた
着物以外の小物もある

「越前焼、越前漆器、越前打刃物、越前箪笥、越前和紙」―福井県

 福井県の伝統工芸の越前焼、越前漆器、越前打刃物、越前箪笥、越前和紙は、「越前ものづくりの里プロジェクト」としてブースを構えていた。

越前焼の展示
ろくろを使った越前焼制作実演
越前漆器の箸など
越前箪笥の技術を使ったiPhone用のサウンド音拡大装置「KicoeLu」シリーズ。スピーカーではなく、筒に付けた穴からでる音で大きく聞こえる。そのため電源不要
こちらは、金具を使った高級伝統工芸品クラス。すべて最新のiPhone 7 Plusでも大丈夫なサイズ
越前打刃物の包丁やナイフ。右上の料理膨張で14000円