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2017年の「京の冬の旅」は、大政奉還150年記念をテーマに初公開寺院など用意
京都ディスティネーションキャンペーン
(2016/3/15 00:00)
- 2016年3月14日 発表
京都市、京都市観光協会、京阪バス、JRグループは3月14日、JR京都駅と隣接するホテルグランヴィア京都において、第51回「京の冬の旅」に関する全国宣伝販売促進会議を開催した。
「京の冬の旅」は京都ディスティネーションキャンペーンの一環として行なわれているもので、初回は1967年(昭和42年)に実施。その後、1980年(昭和55年)からはJRグループ(当時は国鉄)が協力し、春と秋が繁忙期である京都観光の平準化などを視野に入れて開催されている。
「京の冬の旅」に関する全国宣伝販売促進会議は、前年の「京の冬の旅」期間中に開催され、次回の「京の冬の旅」に関する説明を全国の旅行関係会社に向けて行なっていくものだ。
第51回「京の冬の旅」が対象とする期間は2017年1月1日~3月20日。2017年が京都の二条城で行なわれた大政奉還から150年となることから、大政奉還150年記念をテーマに初公開寺院などを用意し、非公開文化財の特別公開を実施する。また、京都市では2016年度(平成28年度)から2017年度(平成29年度)にかけて「大政奉還150年記念プロジェクト(仮称)」も実施。第51回「京の冬の旅」は、その幕開けを飾るものになるという。
会議の冒頭に挨拶を行なった京都市長 門川大作氏は、「京の冬の旅」の歴史に触れ、この「京の冬の旅」を実施してきたことにより、京都の観光客の繁閑差(繁忙期と閑散期の差)が3.6倍から1.5倍を割るまでになったと紹介。
大政奉還は徳川幕府最後の将軍となった徳川慶喜が採った施策だが、その結果日本が近代国家へと発展するきっかけになったほか、鎌倉幕府以来続いてきた武士政権が終わりを告げた。この幕末における歴史的なイベントは京都が舞台であり、大政奉還につながるさまざまな要素に関連する史跡も京都に多数ある。2017年の「京の冬の旅」では、初公開寺院3カ所を含む幕末ゆかりの寺院を公開していくという。
また、史跡だけでなく、伝統文化・伝統産業も観光要素として組み込むほか、朝観光、夜観光のコースも充実していくという。京都には大きな産業がなく、伝統産業である西陣織は最盛期の8%、京友禅は2.8%まで縮小して厳しい状況とのこと。しかしながら、この伝統産業が伝統文化を支えており、そこに焦点を当てることで、産業振興の成功例にしたいとの思いを語った。
最後に、京都移転が検討されている文化庁についてもふれ、「1000年を超えて文化の中心であった京都に文化庁を戻してもらうという気持ちで取り組んでいく」と挨拶を結んだ。
京都市観光協会 会長 柏原康夫氏、JR西日本(西日本旅客鉄道)取締役兼常務執行役員 営業本部長 堀坂明弘氏、国土交通省 近畿運輸局長 天谷直昭氏も、それぞれ挨拶。訪日外国人の増加が大きな話題となっているが、国内の人の観光消費のほうがはるかに大きく、国内需要喚起が大切ということを、それぞれの立場から語った。
なお、JR西日本は国内最大級の鉄道博物館を4月29日にオープン。京都観光の大きな後押しになるとの見込みを示したほか、2019年(平成31年)の春には鉄道博物館に隣接した新駅を開業するとのことだ。
公開する寺院などについては概要説明のビデオが放映され、その一部を下記に掲載する。