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二階俊博 日本・インドネシア友好議員連盟会長会見

日本とインドネシアの交流を促進、新幹線失注に関しては「“残念である”、この一語につきる」

2015年11月23日(現地時間) 開催

記者会見を行なう二階俊博 日本・インドネシア友好議員連盟会長

 11月23日(現地時間)、インドネシア ジャカルタ市内の各ホテルにおいて、「日本インドネシア観光交流拡大シンポジウム」「訪日旅行商談会」「JALスカラシップ40周年記念フォーラム『人材交流が拓く、インドネシアと日本の未来』」など、日本とインドネシアの交流を促進するイベントが各種行なわれた。

 これは、6月12日にインドネシア政府が観光目的でインドネシアを訪問する日本人に対する査証免除制度を導入。それを機に、日本とインドネシアの相互交流を一層促進させるために、二階俊博 日本・インドネシア友好議員連盟会長(自由民主党総務会長、衆議院議員)のイニシアティブにより、1100名規模の交流団がインドネシアに派遣されたことによるもの。交流団は、経済、観光等の面で、インドネシア側と会議やシンポジウムを重ね、両国関係の発展を目指していく。

 それらのスケジュールも半ばを過ぎた23日午後、インドネシア市内のホテルで二階俊博 日本・インドネシア友好議員連盟会長による記者会見が開催されたのでここにお届けする。

 記者会見の冒頭、在日インドネシア大使はインドネシア記者団に向かって二階氏を紹介した後、今回の訪問団についてコメントした。

「両国、日本とインドネシアは互いにビザ免除政策を採りました。そのお祝いのために二階先生が、1100名の日本人とともにインドネシアを訪れました。日本政府がインドネシア国民のためにビザ免除政策をしてくれていることに心より感謝します。(ビザ免除政策については)この後のインパクトが大きいのではないかと思っています」「経済だけ、文化だけでなく、ほかの広い分野にも影響があるように期待しています」。

国会議員17名、一般参加者1100名の交流団の持つ意味

 駐日インドネシア大使の紹介を受け、二階氏は今回の「日インドネシア文化経済観光交流団」の持つ意味について語った。

「本日、国会議員17名、一般参加者1100名からなる交流団、谷垣大使、大八木実行委員長、田川実行委員長、関係の皆様にお集まりをいただいていますが、私から簡単に経緯を申し上げます」。

「日本とインドネシアの一層の交流を目的として、国会議員、地方自治体、産業界、観光業界など1100名を超える民間大使・日本人が、インドネシア文化経済観光交流団として、このホテルに集結します。長い両国の交流の関係でも、これだけ多様な分野を代表する1100名におよぶ民間大使がみんな揃って海を渡り、こうしてジャカルタに一堂に会したというのは、おそらく両国の観光交流史上においても初めてのことだと思っています」。

「この交流団は本年(2015年)の5月、私がインドネシアを訪問し、ジョコ大統領と会見の際、両国のビザの免除が実現したら、両国の交流を一層促進するために大型の交流団を派遣することをジョコ大統領に提案し、賛同を得たことに始まります交流団にご参加いただいている方々は、いずれも両国の交流関係を願う気持ちから自発的に参加しており、そこにこの民間交流の意味があると思っています」。

「日本は昨年(2014年)12月から短期滞在的目的で訪問するインドネシアの方々に対して、またインドネシアは本年6月から(30日以内の)観光目的で訪問する日本人に対してビザ免除を開始しました。ビザ免除というのは簡単なようでありますが、国と国との間に信頼関係がなければ成立しません。今回のビザ免除は両国の交流の大きな第一歩だと思います。このことを日本およびインドネシアの国の人々とお祝いしたいと思います。この際、私たちは防災協力、あるいは観光促進、ビジネス関係のセミナーをそれぞれ開催することにしています。今日までですでに終了しておりますセミナーは、インドネシアの協力をいただき、ことごとく成功したというふうに思っています」。

「また、私は明後日、約50名の同志とともにアチェを訪問します。津波災害などやその後の取り組みについて現状を視察し、今後の両国の防災協力に活かしていきたいと思っています。また、私事でありますが、本年(2015年)の8月にインドネシア政府より、ジャサウタマ勲章の叙勲の提示を賜わりました。先ほど大統領宮殿において、ジョコ大統領より、勲章を授与いただきました。大変光栄なことであるとともに、今後とも両国の発展にさらに努力していくことを決意したしだいです。その後、ジョコ大統領と私ども国会議員が関係者の皆さんと、大統領をあるいは閣僚のみなさんを囲んで、友好的な雰囲気の中で両国の関係をさらに一層強化するということで一致をしたしだいであります。日本とインドネシアは、ご承知のとおり、長年にわたり基本的な価値観を共有する大切なパートナーであります」。

「最後になりますが、今回のこのイベントにご協力いただいた両国の関係者、またこの交流の夕べを主催いただいた日本インドネシア友好協会の皆様に感謝を申し上げたいと存じます」。

「大統領との会談のなかで、とくに簡単に申し上げますと、観光分野での協力、ビザの相互免除、1100人の訪問団に対する感謝のお言葉がありました。次に私たちはインドネシアンのご協力もいただき世界津波の日の制定に努力しておりますが、おかげさまで現在は124カ国の国々から津波防災の日(11月5日)の提案に賛成し、かつ我々の提案に対しては共同提案国として協力をするという、お約束をいただいています」。

「農業分野での協力は重要でありますが、とくに灌漑事業、青年の招聘、インフラ整備、とくに港湾整備等の課題について忌憚のない意見交換の交換を行ないました。以上、簡単に申し上げました」。

 記者からは、日本がインドネシアの高速鉄道建設(新幹線建設)を失注したことについて、ジョコ大統領と話し合ったかということについての質問が出た。その質問に対し、二階氏は次のように答えた。

「新幹線の問題については、首脳会談においてすでに話し合いが行なわれているわけでありますから繰り返し申し上げませんでしたが、とくに我々の感ずるところ、インドネシアと日本は戦略的パートナーとして、今後とも両国はお互いに相手を必要とする立場であって、かけがえのない友人であるという判断から、新幹線の問題について、今後こうした高速鉄道をはじめとして、他のインフラの整備などについて、日本を必要とする場合は、我が国としては協力する用意はある。ただし、先般の結果については“残念である”、この一語につきる」。

「今申し上げたようなことを会談の際にもお話ししましたが、大統領は私の発言に対してしっかりと聞いておられたので、我々の意は十分伝わったと思っております」。

 そのほか、「農業技術を学んでもらうための受け入れ枠を具体的に増やしていく、とくに灌漑などの支援を強化していくという考えを述べた」と語った。

在インドネシア日本国大使、在日インドネシア大使らと記念写真

(編集部:谷川 潔)