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中部国際空港、空港などで活躍する特殊車両28台が勢揃い「はたらくクルマ大集合inセントレア」

2015年10月31日~11月1日10時~16時 開催

入場無料

「はたらくクルマ大集合inセントレア」では、家族連れが多く訪れており、子供たちが耐火服を着て記念撮影していた。でも、誰だか分からない・・・・・・

 中部国際空港(セントレア)は10月31日、11月1日の2日間、臨時駐車場において「はたらくクルマ大集合inセントレア」を開催している。入場は無料。開催時間は10時~16時。2014年に続いて2回目の開催となるが、1回目は延べ3万人が訪れたほどの人気のイベントだ。10月30日の記事では前日搬入の模様をお伝えしたが、今回はすべてのクルマが揃った1日目10月31日の模様をお伝えする。

ファミリー層を中心に多くの来場者を集める

 9時過ぎに最初のファミリーが列に並ぶと、その後も続々と来場者が集まり、10時の開場を迎える頃には200名あまりに膨らんだ。開場時間になると、思い思いにお目当てのクルマの前に。運転席に乗ったり、クルマの前で写真を撮ったりと、子供たちが一様に笑顔だったのが印象的。

乗車体験ができるクルマにはすぐに列ができた
説明中は展示中には閉じているドアを開いてくれるなんて特典も
一番人気はパトカー

 その後、すぐに行われたボーイング787型機の試験飛行初号機「ZA001」を、現在の駐機場所から27番スポットへと移動する実演では、柵の前で多くの来場者が見守った。この移動実演は11月1日にも、スポットから駐機場所に戻る方向で実施される。時間は閉場間際となる15時45分ごろの予定となっている。

ボーイング787型機試験飛行初号機の移動実演。近くで見ることができるだけに大迫力
ボーイング747型機の飛び入り
787型機と並ぶ貴重なシーンも

 ランチタイムを挟んでからは給水車を使ったイベントを実施。1つ目は小学生以下の子供による「綱引き」、2つ目は「放水実演」。綱引きは当日配布された抽選整理券に見事に当選した50組が参加。30t近い給水車を引っ張ったが、最初はまったく歯が立たず。保護者はもちろん進行を務めるMCやスタッフまで参加して、なんとか動かすことに成功! 目の前で見ることができる放水実演も人気で、水しぶきを浴びながら多くの歓声が上がっていた。

子供たちと給水車による綱引き。なかなか手ごわい相手だったようだ
給水車を使った放水実演も行われた

 はたらくクルマ大集合inセントレアは、11月1日にも実施される。空港前から臨時駐車場へはバスも運航しており(10時~19時)、駐車場利用者優先となるもののアクセスは良好。大人なら歩いても10分もかからないので、日ごろの運動不足解消がてら、ブラブラするのもアリ。また、クルマによってはMCと担当者による車両説明が行われる。実務担当者ならではのディープな話題や装置の実演なども行われるので、時間をチェックして参加することをオススメしたい。

 最後にもうひとつ。10月30日の記事にも書いた通り、会場内にトイレは用意されるが飲食の販売は行われないため、飲み物や軽食程度は用意しておいたほうが安心。また、天候にもよるが風を遮る場所がないため、防寒対策も忘れずに。

「はたらくクルマ大集合inセントレア」で展示されたクルマたち

ハイリフトローダー

 飛行機にコンテナやパレットを積み下ろしするクルマ。一度に7.5tまで持ち上げることが可能。

ハイリフトローダー
除雪車

 飛行機に積もった雪を溶かして取り除くためのクルマ。ゴンドラは12mまで上げることができる

除雪車
12mまで上げることが可能なゴンドラ
放水ノズル部分
給油車

 日本に5台しかない国内最大の給油車。給油だけでなく整備時など燃料を抜く際にも使われる。

給油車
操作部はゴンドラ式で上昇可能
操作部。ゴンドラ部分にもメーター類が備わるという
フードローダー

 機内食を積み込むためのクルマ。荷台は8.5mまで上げることができる

フードローダー
バッテリータグ/バルクカート

 バッテリータグはバルクカートなど2.5tの牽引が可能。バルクカート1台の積載力は2t

バッテリータグとバルクカート
バッテリータグ
シンプルな運転席
バルクカート
タイヤサイズのわりにハブボルトが多い
牽引部分
航空機牽引車

 ボーイング777型機まで牽引することが可能。ボディーサイズは全長7660×全幅3250×全高2810mmとそれ程大きくないが、総重量は25490kgもある

航空機牽引車
前後で顔が違う
左右どちらも運転席
サービサー

 地中のパイプラインから航空機のタンクに燃料を送り込むためのクルマ。1分間に3800Lの給油が可能

工場的なメカメカしさがあるサービサー
操作部
トーバーレス航空機牽引車

 文字通りトーバーを使わずに航空機をけん引できる、バッテリー駆動の牽引車。ビジネスジェットなどの小型機用。

小型機用のトーバーレス航空機牽引車
ステアリングよこのメーターはバッテリー残量計
航空機牽引車

 飛行機を引っ張ったり、押し出したりするためのクルマ。

航空機牽引車
前後両方に運転席がある
コンテナドーリー

 荷物やコンテナなどを積載するための車両。トーイングトラクターでけん引し最大6台まで連結できる。

空港でよく見かけるコンテナドーリー
トーバー

 航空機牽引車と航空機をつなぐためのアタッチメント。これはボーイング747型機用。

ボーイング747型機用。途中で展示から外されたと思いきや実際に使われていた
除雪車

 航空機に積もった雪を温めた専用の薬剤を使って溶かすためのクルマ。冬季以外は高所作業車としても利用。

除雪車
トーイングトラクター

 ターミナルから航空機など空港内で貨物を運搬するためのクルマ。

トーイングトラクター
燃料電池フォークリフト

 一般的なフォークリフトはバッテリー駆動だが、これは水素を燃料とする。現車はトヨタ「ミライ」より1世代古いシステムを搭載しているが、2016年には同じシステムを積んだモデルを用意、関西国際空港で実証実験を行う予定。

燃料電池フォークリフト
燃料電池車を示すロゴ
座席下にフューエルセルや水素タンクなどを装備
フォークリフト

 コンテナや荷物などの積み下ろしに活躍するコンパクトなフォークリフト。

バッテリー式のフォークリフト
給水車

 セントレア内の消防署に常駐。化学消防車への給水だけでなく、ルーフに搭載した放水銃で単独での消火活動も可能。

照明車と給水車
給水車
ルーフのタンクは化学消防車用の薬剤
照明電源車

 セントレア内の消防署に常駐。夜間の事故などで必要となる照明をはじめ発電機や救命機材を搭載する。

照明電源車
照明部分は上にあげることができる
照明部分が重く空気抵抗も大きいため風力計が備わる
はしご車(10時~12時)

 ビル火災などで活躍するはしご車は今回初登場。はしごを最大まで伸ばすとビルの12階まで届く長さがある。

はしご車の展示は午前中のみ
トーバーレス航空機牽引車

 リアに飛行機の車輪を挟み込んで浮かせるため、トーバーを使わず動かすことが可能。移動速度も速い。

トーバーレス航空機牽引車
除雪車

 ボルボ製トラックをベースにした除雪車。愛称は「エレファントミュー」。耐荷重200kgバケットは最大15mまでアップでき、そのまま走行することが可能。スタッフによると「逆風時は水を浴びるしアップ時はかなり揺れるので怖い」とか。

除雪車
灯器洗浄車

 一見、単なるパネルバンだが、車体後部にはロボットアーム付の洗浄装置が備わる。滑走路上の誘導灯などタイヤカスの汚れをドライアイスで除去する。

外観はちょっと変わったパネルバンといった風
荷台にはロボットアームが装備されている
フロアには大穴が空いている
ボックス上の部分にあるカメラで灯器を認識し自動的に最適な位置にアームを動かす。上のスリットがドライアイスの噴出口
停車位置を確認するためのカメラ
運転席にはカメラ映像を見ることができるモニターを装備
プラウ付凍結防止剤散布車

 フロントに大型のスノープラウを付けた除雪車。通常は後部に装着され12.1mまで広げることが可能なスプレーバーで凍結防止剤を散布。滑走路は2台1組で作業を行う。降雪量が多くなり積雪した際はスノープラウで除雪作業を行う。

プラウ付凍結防止剤散布車
スプレーバーの実演
スノースイーパー

 4.82mの回転式ブラシで除雪を行う。雪を吹き飛ばすための大型ブロアーも装備。

スノースイーパー
ブラシ部分
説明時には回転させてくれる
大型のブロアーを装備
震災対策車(31日のみ)

 震災など道路状況の悪い所でも走行可能なウニモグをベースにしたモデル。

ベースはウニモグ
フロントにウインチを装備
渡河も可能とするシュノーケル
レスキュー車(31日のみ)

 災害現場での人命救助に使われる。ウインチや照明、発電機、クレーンなど、さまざまな機器を搭載。

レスキュー車
パトカー

 空港内をメインに使われるセダンタイプとRVタイプの2台を展示。クラウンはごく一般的だが、サファリのパトカー仕様はちょっと珍しい。

トヨタ「クラウン」をベースにしたパトロールカー
日産「サファリ」をベースにしたパトロールカー

(安田 剛)