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商船三井フェリー、「さんふらわあ だいせつ」の火災が鎮火

2015年8月10日発表

 商船三井フェリーは、7月31日17時15分頃に発生したカーフェリー「さんふらわあ だいせつ」(旅客定員154名、車両搭載容量 乗用車62両/大型トラック160台)の火災事故について、8月10日14時53分に完全に鎮火したと発表した。

 「さんふらわあ だいせつ」はこの後、室蘭港まで曳航され、事故原因の本格的な調査が行なわれる予定。火災発生から鎮火まで約10日間を要したことに関し、同社は「火災が発生した車両を格納するDデッキは密閉度が高く、外からの直接放水が難しい状況だった。8月6日に液化炭酸ガスローリー車を載せた作業台船を接舷し、炭酸ガスの注入による消火活動の開始までは、外部からの放水で船体の温度を冷やすのに留まらざるえなかった」とのこと。

 「さんふらわあ だいせつ」は、大洗港~苫小牧港への航海中に、苫小牧沖南方55kmの付近の海域で車両甲板より火災が発生。乗員による1次消火活動が行なわれるも鎮火には至らず、船長の判断により、乗客と乗員全員の退船が決定。乗客71名全員は付近を航海中のフェリーや海上保安庁の巡視艇に救助され苫小牧港に到着。乗員23名のうち、消火活動に従事した二等航海士1名が行方不明になり、その後の救助活動で船内捜索で倒れている同航海士を発見したものの死亡が確認された。

 「さんふらわあ だいせつ」は船体自体は安定しており、海上への油などの流出は確認されていない。同社では、事故の原因究明について当局による調査に協力していくとのこと。

 なお、同社では今回の事故に対し、安全対策として以下の内容を行なっている。

・車両への電源給電盤の再点検をし、異常なく動作することを確認
・車両甲板の照明設備が異常なく作動することを再確認
・航海中の乗組員による見回りの際に、車両甲板り冷凍・冷蔵貨物車の冷凍機の運転状況の点検を、これまでより時間を掛けて入念に点検
・乗客の安全避難のために、緊急時の役割分担、避難ルートとその手順を乗組員が再確認

 また、大洗港~苫小牧港間のフェリー運航に関し、10月までの運航スケジュールを発表。「さんふらわあ さっぽろ」と「さんふらわあ ふらの」「さんふらわあ しれとこ」による1日1往復~1.5往復の運航となる。

(編集部:柴田 進)