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静岡鉄道、「ちびまる子ちゃんラッピング電車」を7月27日より静岡清水線で運行

ラッピング電車のデザインを発表する、静岡鉄道株式会社 鉄道部 副部長 兼 安全推進課長 北武忠氏(左)、株式会社ドリームプラザ 代表取締役社長 大井一郎氏(左から2番目)、静岡市観光交流文化局 局長 木村精次氏(右)

 静岡市とドリームプラザ、静岡鉄道は、7月27日より静岡清水線にて「ちびまる子ちゃんラッピング電車」を運行する。運行期間は約1年間。同鉄道の1000系の1011編成をラッピングに使用する。7月21日に都内で行なわれた記者会見では、ラッピング電車のデザインが発表された。

発表された「ちびまる子ちゃんラッピング電車」のラッピングデザイン。静岡鉄道の1000系の車体に登場するキャラクターが乗客たちを出迎えるようにラッピングされている
車内の装飾などは、7月27日の出発式時以外は現時点で予定はないとのこと
車両の前面にはヘッドマークが掲出される
ヘッドマークは主人公「まる子」が静岡鉄道の制帽を被ったデザインに

 「ちびまる子ちゃん」は、さくらももこ氏作のコミック作品で、1986年7月より集英社の漫画雑誌「りぼん」で連載開始。1990年にはテレビアニメの放送が開始され、最高視聴率は39.9%を記録する国民的な作品だ。さらに、英語、ドイツ語、中国語、韓国語、アラビア語など14の言語に翻訳され、50カ国以上で展開されている。2015年はテレビ放映25周年記念となるほか、2015年12月23日には新作の映画の公開も予定されている。

 さくらももこ氏の出身は静岡県清水市(現 静岡市)であり、静岡に縁がある作品として、静岡市の複合施設「エスパルスドリームプラザ」3階には作品の世界観を体感できる「ちびまる子ちゃんランド」がある。また、静岡鉄道は新静岡駅~新清水駅間を結ぶ11kmの鉄道で、「ちびまる子ちゃんランド」は新清水駅の近隣にあるため、静岡鉄道で今回のラッピング電車の登場となった。

 記者会見では、最初にちびまる子ちゃんの着ぐるみが登場し、「まるちゃんの静岡音頭」を披露してくれた。

主人公「まる子」の着ぐるみが登場
「まるちゃんの静岡音頭」を踊ってくれた
テレビアニメにも登場した「まるちゃんの静岡音頭」。作詞はさくらももこ氏、作曲は細野晴臣氏、歌はピエール瀧氏、振り付けはパパイヤ鈴木氏によるもの
株式会社ドリームプラザ 代表取締役社長 大井一郎氏

 次に本取り組みについて「ちびまる子ちゃんランド」を運営する、ドリームプラザ 代表取締役社長 大井一郎氏は「静岡は多くの外国客船が入港するようになり、静岡空港を中心に航空路線も13路線が開設されています。インバウンドの増加率は前年比200%という伸びを見せています。静岡に降り立つ外国からのお客様は多くなっていますが、その多くが通過して別な目的地を目指します。静岡で回遊され滞在されるお客様が多くないため、我々としてはいかに回遊して滞在して頂けるかが課題です。静岡は観光資源に恵まれている県です。富士山はもちろん、三保の松原などがあり、お茶の産地としても全国的に有名です。静岡市の清水区はさくらももこ先生のご出身の地です。30年あまり愛され続けてきた“ちびまる子ちゃん”は我々の誇りです。また“ちびまる子ちゃん”は東南アジアの方を中心に大変人気があるコンテンツです。回遊に活用するという観点で、静岡と清水を結び、作中にも出てくる電車である静岡清水線を運行する静岡鉄道や静岡市と手を携えて、何かできないかという事で誕生したのが本ラッピング電車です。インバウンドはもちろん、東京や地元静岡の方にも、静岡のよいところを見に来て頂いて、その中で“ちびまる子ちゃん”にも触れて頂ければと思います。2015年12月23日より新作の映画の上映もあります。ぜひ“ちびまる子ちゃん”の生まれた場所で映画を見て頂ければと思います。7月27日には出発式も行ないます。今後は“ちびまる子ちゃん”のゆかりの地を回るスタンプラリーなども企画しています。我々の考える回遊性を高められればと思います」と述べた。

静岡鉄道株式会社 鉄道部 副部長 兼 安全推進課長 北武忠氏

 さらにラッピング電車の運行を担当する静岡鉄道 鉄道部 副部長 兼 安全推進課長 北武忠氏は「静岡清水線は、開業当初は静岡市内から清水港までお茶を運ぶ鉄道として運行していました。現在は、静岡と清水を結ぶ旅客鉄道として年間1100万人にご利用頂いております。内訳としては静岡へ向かう通勤客が大半を占めます。清水のほうも賑やかになって欲しいという想いから“ちびまる子ちゃん”のアニメ25周年や“ちびまる子ちゃんランド”開業15周年という契機もあり、皆様が回遊できるようにラッピング電車を運行することになりました。本ラッピング電車は1日に13往復ほどの運行を予定しております。Webページにも運行予定を掲載する予定です。他にも劇団四季の『美女と野獣』のラッピング電車なども運行しておりますので、ぜひこの機会に静岡にお越し頂ければと思います。他にも12月の“ちびまる子ちゃん”の映画公開に合わせてグッズの発売やICカード『LuLuCa(ルルカ)』のデザインカードの発売も企画しています。ぜひこの『LuLuCa(ルルカ)』を使って回遊して頂ければと思います」と述べた。

静岡市観光交流文化局 局長 木村精次氏

 また、報道陣から静岡市の施策について質問された静岡市観光交流文化局 局長 木村精次氏は「静岡市は台湾からの誘客に力を入れておりまして、10月と11月に台北と台中で旅行博があります。そこで“ちびまる子ちゃん”を軸にシティプロモーションを行なっていきます」と答えた。

 静岡駅は東京駅や名古屋駅から東海道新幹線「ひかり」で1時間ほど。静岡駅から静岡鉄道 新静岡駅には歩いて行ける。手軽な日帰り旅行として「ちびまる子ちゃんラッピング電車」に乗って、「ちびまる子ちゃんランド」を訪れてみてはどうだろうか?

「ちびまる子ちゃんランド」限定の「しずおかサイダー」が振る舞われた。富士山の裾野にあり、良質な水が豊富な静岡ならでは。シンプルなサイダーだが、使っている水の良さが感じられて美味だった
(編集部:柴田 進)