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準天頂衛星「みちびき」にも対応し、GPS衛星電波で時刻合わせするシチズン「アテッサ F150」「アテッサ F900」

6月13日に「CITIZEN Satellite Wave-GPS Exhibition 2015~Fan Meeting~」開催

2015年6月10日 発表

シチズンがバーゼルワールドで発表した「エコ・ドライブ サテライト ウエーブ F900」。写真は全世界限定1700個のCC9004-51E(24万円[税別])で10月下旬発売。6月10日に発表されたのは、同じムーブメントを使った量産タイプになる

 シチズン時計は6月10日、GPS衛星からの電波受信で時刻合わせを自動で行なうGPS衛星電波時計「ATTESA(アテッサ) F150」「ATTESA F900」の2シリーズ6モデルを発表した。価格は17万円~23万円(税別)で、発売日はF150シリーズが8月中旬、F900シリーズが10月下旬。

 6月10日は「時の記念日」となり、同社はこの記念日に合わせて内覧会「CITIZEN Satellite Wave-GPS Exhibition 2015」を開催。会場にはこれまで発売してきたGPS衛星電波時計に加え、新製品のF150シリーズ、F900シリーズ、そして、シチズンの腕時計の特徴となっている「Super Titanium(スーパーチタニウム)」の技術展示なども行なわれていた。

 F150シリーズ、F900シリーズの特徴となっているのが、シチズンのGPS衛星電波時計として、これまでの時刻情報に加え、位置情報も取得するようになったこと。これにより、自動でタイムゾーンを判定し、時刻に加えカレンダー情報も修正してくれる。さらにGPS衛星からの情報取得も高速化しており、時刻情報だけであれば世界最速の最短3秒で取得できるという。

 また、日本地区では準天頂衛星「みちびき」に対応しているため、高層ビル街など遮蔽物の多い地域でも、受信可能な衛星数の増加が期待できる。同社独自のダイレクトフライト機能(リュウズを引き出して都市名に合わせるだけで時差を修正)も搭載しているため、従来同様の手軽な時差補正も可能だ。

 F150シリーズのラインアップは、文字盤やバンドなどの違いにより「CC3010-51E」「CC3010-51A」「CC3015-57E」の3種類。いずれもケース素材、バンド素材にスーパーチタニウムを用いており、CC3015-57Eのみより傷のつきにくいデュラテクトDLC加工が行なわれている。

CC3010-51E、17万円(税別)
CC3010-51A、17万円(税別)
CC3015-57E、19万円(税別)

 F900シリーズは、GPS衛星受信など基本機能はF150シリーズと同様だが、より機能強化を図った多機能タイプの時計。時刻合わせの際に高速に針が動くよう「高速ツインコイルモーター」を採用。時差±1時間の場合、2秒足らずで修正できるという。

 ワールドタイム機能については、メインタイムとローカルタイムのデュアルタイムを持ち、2つの時刻を簡単に入れ替え可能な「ダブルダイレクトフライト」を採用。クロノグラフ機能を搭載する。

 F900シリーズのラインアップは、「CC9015-54E」「CC9010-66A」「CC9017-59E」。いずれもケース素材、バンド素材にスーパーチタニウムを用いており、CC9015-54Eは一部デュラテクトDLC加工、CC9017-59EはデュラテクトDLC加工が行なわれている。

CC9015-54E、20万円(税別)
CC9010-66A、19万円(税別)
CC9017-59E、23万円(税別)
会場には準天頂衛星「みちびき」の写真や衛星の模型などが飾られていた
2011年に、世界で初めて人工衛星から時刻情報を受信する時計として発売された「エコ・ドライブ サテライト ウエーブ」(CC0005-06E)。世界限定990個のため、すぐに売り切れたとのこと

柔らかい純チタンをステンレス以上の表面硬度に

 シチズン独自のスーパーチタニウムは、本来柔らかい素材の純チタニウムに表面硬化処理(デュラテクト)を施したもの。これにより、ステンレス以上の表面硬度となり、傷がつきにくくなっている。

 このスーパーチタニウムの重さは、同体積のステンレスの40%程度。表面硬化処理をしたことで、錆びにくい性質も獲得している。

スーパーチタニウムの特徴
チタン
傷の付きにくさを確認する展示
ステンレスとの重さの比較
耐腐食性の展示

 旅行、とくに海外旅行においてはワールドタイム機能のしっかりした時計は大切なアイテムだ。とくにビジネスシーンでは、ローカルタイムと母国の時差の把握は必須で、“デュアルタイム機能のある時計でないと”という人も多いだろう。F150シリーズは8月中旬、F900シリーズは10月下旬と、発売はまだ先だが、GPSで時差修正が不要など魅力的な機能を搭載した製品だ。

 なお、シチズンは、6月13日に東京 表参道の「シチズンデザインスタジオ」でF900シリーズなどを先行展示する「CITIZEN Satellite Wave-GPS Exhibition 2015~Fan Meeting~」を一般向けに開催する。詳細はシチズンのWebサイト(http://citizen.jp/topics/2015/20150601.html)を参照のこと。

編集部:谷川 潔