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高野山金剛峰寺、高野山開創1200年記念のプロジェクションマッピングを見てみた
伝統の儀式音楽に乗せ、檀上伽藍大塔に大日如来が浮かび上がった
(2015/5/15 14:03)
- 2015年5月17日まで実施
- 1回目19時20分~
- 2回目20時10分~
- 公演時間:30分前後
高野山金剛峰寺は、高野山の開創(かいそう)1200年を記念し、壇上伽藍根本大塔にプロジェクションマッピングによる映像とレーザーを投影するイベント「高野山1200年の光 南無大師遍照金剛」を5月17日まで開催している。
当初開始を予定していた5月12日は台風6号により延期となり、5月13日が初日となった。この様子をリポートする。
高野山は弘法大師空海により密教の道場として紀伊山地に開かれた。2015年は高野山が開かれて1200年を迎える。これを記念し、高野山では様々な行事が執り行われている。今回のプロジェクションマッピングもその記念行事の1つだ。コンセプトは「声明(しょうみょう)とプロジェクションマッピングとレーザーによる光の響演」としており、ただ建物にプロジェクションマッピングをするだけではなく、仏教の伝統的な儀式音楽の「声明」と融合させることで「僧侶=大塔=大日如来=弘法大師を結ぶ」という世界観を作り出す公演だ。
声明は「高野山真言宗 兵庫宗務支所 青年教師会」、総合演出は「COSMIC LAB」、映像効果は「ColoGraPhonic × JamieGoodenough」、照明効果は「YAMACHANG」、音楽は「和楽器演奏集団 独楽(こま)」が担当する。
プロジェクションマッピングが行なわれるのは高野山金剛峰寺にある「壇上伽藍根本大塔」。内部には大日如来像、その四方に金剛界四仏を安置している。
公演開始は19時10分からだが、18時30分ごろには大勢の人が壇上伽藍 根本大塔の近くに集まってきた。19時前には塔の前は人で埋まるほどに。
いよいよ公演がスタート。塔の前に僧侶たちが並び、声明を詠みあげる。声明は謡曲や浄瑠璃などのルーツとされており、お経にメロディがついたような独特の音楽が広がる。そして2人の僧侶が塔の中に光る玉を持って入り、扉が閉まるとプロジェクションマッピングが始まった。
プロジェクションマッピングは、最初に天から花びらが舞い降り、密教の法具「三鈷杵(さんこしょ)」を形作ると建物全体が虹色に彩られた。そして大日如来像などが投影されるとクライマックスを迎え、和太鼓の独奏のあとに三鈷杵が回転しながら映し出され、僧侶たちが塔の中に入り終幕となった。
公演中の一般の撮影は禁止されているが、講演後に数分間、特別に撮影の時間が設けられた。
プロジェクションマッピングは塔の前に設けられた2基のヤグラから行なわれた。
1回目と2回目の公演のあいだには塔にレーザーで星が降るような演出がなされた。