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イタリア、日伊国交樹立150周年記念のコラボも見られるラヴェンナ・フェスティバル

2017年のプログラムも世界初公開

2016年3月15日 発表

 イタリア政府観光局(ENIT)は3月15日、北東部の街ラヴェンナで毎年開かれている音楽と芸術のフェスティバル「ラヴェンナ・フェスティバル」に関するプレゼンテーションを実施。5月13日からスタートする2016年の見どころに加え、2017年のプログラムの一部を世界に先駆けて公開した。

エミリア・ロマーニャ州 海外文化保護促進課長 マリア・クリスティーナ・トゥルキ氏

 イタリア北東部のアドリア海に面したエミリア・ロマーニャ州ラヴェンナは、「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」として、初期キリスト教の教会やモザイク画を高い品質で残す8つの建築物が世界遺産に登録されている。

 そんな歴史的な街で、1990年から毎年開かれている音楽祭が「ラヴェンナ・フェスティバル」で、今年で27回目を迎える。2016年は5月13日~7月13日に開催。また、2012年からは秋にも「秋の三部作」を上演するようスケジュールを変更しており、2016年は10月14日~23日にかけて開催される。

 プレゼンテーションでは冒頭、ラヴェンナが属するエミリア・ロマーニャ州 海外文化保護促進課長のマリア・クリスティーナ・トゥルキ氏が挨拶。ラヴェンナ・フェスティバルについて「イタリア全土にとって非常に素晴らしいイベント。世界的に有名で、クオリティの高さが認められている」とアピール。

 さらに、「今年は、このようにラヴェンナ・フェスティバルを東京でアピールする機会に恵まれた。今年は日本・イタリア国交樹立150周年でもあり、ロマーニャ州が日本との関わりを強くもちたいと思っており、素晴らしいフェスティバルがあることをお知らせしたかった」と日本からロマーニャ州への訪問を呼びかけた。

ラヴェンナ・フェスティバル総裁 アントニオ・デ・ローザ氏

 続いて、ラヴェンナ・フェスティバル総裁のアントニオ・デ・ローザ氏が、2016年のフェスティバルを紹介した。

 同氏がまず紹介したのは、東京で3月16日から始まる「東京・春・音楽祭」において、リッカルド・ムーティ指揮の「日伊国交樹立150周年オーケストラ」の公演があることだ。ムーティが指揮を執るルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団と、日本の東京春祭特別オーケストラの記念公演となる。これは、1997年にラヴェンナ・フェスティバルで提唱された「友情の道」プロジェクトから生まれたもので、サラエボやベイルート。近年では、ミラノ万博のモチーフとなった「生命の樹」があるオートラント大聖堂でも公演を行なったという。それが今年は3月16日と17日の2日間にわたって東京で公演を行なうことになった。

 ラヴェンナ・フェスティバルについては、例年どおり日々さまざまなイベントが行なわれ、8つの世界遺産では、毎朝11時からフランチェスコ修道院の近くにある「神曲」で知られるダンテの墓での演劇、夜19時からは晩鐘の音楽会が開催される。

 また、2016年のフェスティバルは「ネルソン・マンデラへ捧げる」がテーマとなっており、6月9日~12日には、マンデラ氏の人生の重要な時期をテーマにしたケープタウンオペラによる「ネルソン・マンデラ三部作(トリロジー)」を上演。

 日本にゆかりのある内容としては、6月1日にピアニストの内田光子氏によるシューベルトの即興曲全作品などのリサイタル、6月14日に山海塾の舞踏ダンスを予定しているほか、先述のリッカルド・ムーティ指揮ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団、日本の東京春祭特別オーケストラによるコンサートが7月3日に開かれる。

 10月14日~23日に行なわれる秋の三部作は、「ドナウ川」をテーマとしたオペレッタで、「公爵令嬢マリツァ」「コウモリ」「メリー・ウィドー」というドナウ三大作品の上演を予定している。

サン・ヴィターレ大聖堂
リッカルド・ムーティ氏
ネルソン・マンデラ三部作

 さらに、アントニオ・デ・ローザ氏が「どの国よりも先に日本で初めて紹介する」として2017年のプログラムの一部を公開した。

 2017年は5月28日~7月8日に行なわれ、期間中のラーズィ劇場では神曲の「地獄編」を34日間をかけて34のすべての歌を上演するという。

 そのほかに予定されているプログラムは下記のとおり(予定は変更される可能性あり)。

5月28日~7月8日:フランシスコ派修道院回廊(11時)

ダンテ朗読会

5月28日~7月8日:サン・ヴィターレ大聖堂(19時)

晩祷

5月28日~7月8日:ラーズィ劇場(21時30分)

「地獄編」
マルコ・マルティネッリ-アルベ劇団、34日に渡り34歌上演

5月28日:パラッツォ・マウロ・デ・アンドレ(21時)

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:セミヨン・ビシュコフ
ピアノ:ジャン=イヴ・ティボーデ

6月1日~4日:アリギエーリ劇場(21時)

マシュー・ボーンの赤い靴

6月16日:アリギエーリ劇場(21時)

ポッリーニ・プロジェクト
マウリッツィオ・ポッリーニ・ピアノリサイタル

6月18日:パラッツォ・マウロ・デ・アンドレ(21時)

ベルリン放送交響楽団
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ

6月30日:パラッツォ・マウロ・デ・アンドレ(21時)

RAI国立交響楽団
指揮:ユライ・ヴァルチュハ
ピアノ:ダヴィッド・フレイ
ロベルト・シューマン イ短調ピアノ協奏曲作品54
リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲作品64

7月3日:パラッツォ・マウロ・デ・アンドレ(21時)

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ズービン・メータ

7月8日:パラッツォ・マウロ・デ・アンドレ(21時)

ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団
指揮:リッカルド・ムーティ

(編集部:多和田新也)