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那覇空港、空港滞留者対策として、台風時一時待避所訓練を実施
大人数収容の県立武道館を待機所として利用
2016年7月19日 13:29
沖縄県の台風時観光客対策協議会は7月11日、那覇空港滞留者対策として「平成28年度 台風時一時待避所訓練」を実施した。
今回想定された状況は、台風による欠航があり、21時以降の那覇空港内の滞留者が許容数を超え、暴風警報が発表されていない場合に、空港の東側の奥武山公園・奥武山総合運動場内にある県立武道館を一時待機所として利用し、滞留者を移動させるというもの。
訓練には沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)、航空各社、空港職員、旅行会社、交通機関、ホテル等の約50機関が参加した。
参加者は事務局、観光客役、退避所担当など役割を決め訓練に挑んだ。観光客役には、一般客のほか高齢者、妊婦、外国人客などの役も割り当てられた。
訓練では、日本語アナウンスとともに英語、中国語でのアナウンスも実施。一時待機所として県立武道館が利用できることをアナウンスし、滞留客を受付に集め同意書へのサインを求める。県立武道館においては、食事等の用意はないことなどの注意事項を周知した。
利用者は大型バスにて県立武道館まで移動。車内でも日本語、英語、中国語でのアナウンスがなされた。現地の概要のほか、再度、飲食物などの提供がないこと、また翌朝5時に退避所を出発することなどが伝えられた。
県立武道館では、アリーナ(体育館)と道場の二カ所が退避所として用意されている。
アリーナの滞在はブルーシートが敷かれるだけの簡易なもの。訓練参加者からは、寝るには背中が痛いためマットなどを用意したらどうかとの意見があった。
次に3階にある道場に移動。階段またはエレベータを使うことになるが、エレベータは基数が少ないため高齢者や妊婦、障害者が優先。そのため大きな荷物を持って階段で移動するのはキツいのでは、という意見が出た。3階の道場は畳敷きのため、アリーナよりは快適だ。畳はクッション性もあるので、お年寄りにも辛くなさそうだ。
意見交換では参加者から有益な意見が挙げられた。実際に訓練をしたことで見えてきた課題もあったようだ。
これから本格的な台風シーズンを迎える。スムーズでムダのない誘導は、滞留客の不安を取り除くことにつながるだろう。