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2018年の明治維新150年に向け広域観光プロジェクト「平成の薩長土肥連合」を設立
鹿児島県、山口県、高知県、佐賀県の4県の知事が参加し盟約を締結
(2015/9/1 14:50)
- 2015年8月31日 発表
8月31日、東京都港区の明治記念館にて2018年(平成30年)に迎える「明治維新150年」に向け、かつての「薩長土肥」、現在の鹿児島県(薩摩)、山口県(長州)、高知県(土佐)、佐賀県(肥前)が観光事業の連携し各県の観光産業の育成・強化を図る広域観光プロジェクト「平成の薩長土肥連合」の開始を宣言。盟約締結式を行った。
4県のPRパフォーマンスで開幕
式典に先立ち、会場では各県の観光PRが行なわれた。鹿児島県の「薩摩観光維新隊」は西郷隆盛、大久保利通、NHKの大河ドラマでもおなじみの篤姫(天璋院)に扮した3人が薩摩の歴史と明治維新の原動力となったパワーを感じてほしいとアピールした。
山口県の「山口どこでも紙芝居連絡協議会」は、こちらもNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公 杉文(吉田松陰の妹)の生涯の前半部を紙芝居で披露。後半はテレビで楽しんでほしいとさりげなくドラマをアピール。
高知県のパフォーマンスはJR高知駅前などでステージショーを展開する「土佐おもてなし勤王党」が担当。坂本龍馬をはじめ土佐ゆかりの偉人に扮したパフォーマーが「ここで数分話しただけで土佐の魅力は伝わりません。(来場の報道陣に向け)まずはカメラを置いて、スーツを脱いでおいしいカツオのたたきを食べ酒を酌み交わそう」と語り、ダンスステージショーを披露した。
佐賀県のPRは佐賀を拠点に活動する役者ユニット「幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊」が実施。大隈重信を始めとする佐賀の八賢人の功績と佐賀の魅力をコント仕立てのステージでアピールした。
県知事によるプレゼンテーションと盟約締結式
各県のPRパフォーマンス終了後、各県の知事が県をアピールする映像とともに「平成の薩長土肥連合」に対するそれぞれの想いを語った。
鹿児島県 伊藤祐一郎知事はプレゼンテーションの中で、一つの文化や文明が成熟期、頽廃期を迎え新しい文化を作らなければならない。そういう時代において地方の活力が落ちる現状のいびつな戦後の中央集権型のシステムのあり方には疑問があると語り、その対策として、各地の観光産業が地域の特性を際立たせ、それを全国に発信する形で新しい方向性を見出せるのではないかと提案した。
続いて木戸孝允に扮して登壇したのは山口県 村岡嗣政知事。観光産業の発展は地方経済にとって大きな意義がありそれぞれの歴史的な魅力を持った4県が今回が組み観光の力を高めていこうという今回の取り組みを心強く思っていると語った。山口県は幕末・維新の歴史を感じる様々な歴史的はもちろん三方を海に囲まれた立地による食文化や50を超える温泉など旅の楽しみもアピールした。
高知県 尾﨑正直知事は坂本龍馬に扮して登壇。地方創生に向けた努力をそれぞれに続けてきた4県が平成の薩長土肥連合という子達で成し遂げていこうという意思の元でこれから様々なイベントなどを企画していくので期待していてほしいと語った。高知県でも坂本龍馬の貴重な資料が一堂に常設展示できる新館を加えリニューアルされる坂本龍馬記念館を始め多くのプログラムを用意しているとのことだ。
派手な大隈重信に扮して登壇したのは佐賀県 山口祥義知事。今回の薩長土肥連合の4県の中で明治維新の時唯一血を流していない(戦をしていない)佐賀県が加入しているのは日本の近代化をリードしてきた高い工業技術などの技と大隈重信を始め全国で活躍した佐賀の人の力だという。この薩長土肥の交流による人の力こそがこれからの地方創生の力になるだろうと語った。
連合を組んだ4県はそれぞれが人口減少、高齢化による生産年齢人口の減少という問題を抱えていることも共通だ。そのような中、今回は全国的にも珍しい歴史をテーマとした遠隔地の連携という特徴を生かし幕末・維新をテーマとする広域観光ルートの形成などで相互客_送の体制を構築し各県観光の知名度の向上や各地域の観光産業の育成・強化を図っていく。なお今回のプロジェクトの構成は各県の観光担当課、観光連盟・協会で構成される。