ニュース
HELLO CYCLING×ドコモ・バイクシェア、シェアサイクルのポートの共同利用へ。相互に貸し出し・返却が可能に
2024年7月10日 10:00
- 2024年7月10日 発表
レンタル電動自転車など、ともにシェアモビリティ事業を手掛けるHELLO CYCLING(OpenStreet)とドコモ・バイクシェアは7月10日、シェアサイクルのポートの共同利用で業務提携を発表した。
両社のサービスをまたいで利用・返却が行なえるようになるもので、利便性の向上を図るほか、自転車の再配置やバッテリ交換を協業することで、オペレーションの効率化にもつなげる。
ポートの共同利用は2025年度に開始する見込み。システムやハードウェア面の準備は2024年度末~2025年度の早いうちに済ませて、(現在の横浜市のような)相互補完性の高い地域からサービスインする予定という。
なお、現時点では料金体系については変更の予定はなく、地域によっては同じポートにある両社の自転車でそれぞれ料金が異なるという状況も発生する想定だが、そこも利用者の選択肢として提供する。
会見でドコモ・バイクシェア 代表取締役社長の武岡雅則氏は同社の事業について、2011年に横浜市の社会実験から始まり、自治体との共同事業を進めるなか市場を拡大してきたと述べ、現在は全国28エリアで直営事業を展開し、30エリアでシステムを提供、計58エリアでサービスを行なっている。2023年度の年間利用回数は2200万回を超えており、これまでの累計利用回数は1億回以上という。
ドコモの持つ人流データや各ポートにおけるリアルタイムの自転車在庫などを加味して、AIを使った自転車の再配置を行なったり、効率的なバッテリ交換などの積み重ねたノウハウに強みがあると説明した。
一方、HELLO CYCLINGを運営するOpenStreet 代表取締役社長CEOの工藤智彰氏は、ドコモ・バイクシェアが主に展開する都心部に対して、郊外住宅地を含む広いエリアをカバーしていることが特徴と述べ、現在25都道府県で123の自治体と協定を結んでおり、ステーション数は約8500か所。
Googleマップの経路検索結果から最寄りのポート選び・予約へスムーズに移行できる仕組みを持つためインバウンドの利用が増えていること、PayPayとLINEにミニアプリを用意したことで、別途HELLO CYCLINGのアプリをインストールする必要なく、PayPay/LINEのユーザー・決済情報ですぐに利用できることなど、機動性の高いサービスについて説明した。
ドコモ・バイクシェアが都心部でサービスを開始、あとを追うようにHELLO CYCLINGがその周辺でサービスを展開したという経緯から、互いに利用エリアが細分化されてしまっている現状もあり、例えば東京都心で言えば、ドコモ・バイクシェアでは荒川を超えられないとか、横浜市なら臨海都市部と中部をドコモ・バイクシェア、北部と南部はHELLO CYCLINGといった分断が起こっている。
今回の提携によって、ドコモ・バイクシェアのポートで借りてもHELLO CYCLINGのポートで返せる(もちろんその逆も)となれば、これまで範囲外で利用を諦めていたユーザーへもアプローチできるようになり、ポート内の空き自転車ラックがより有効に活用できるようになる。
また、実は両社の自転車とバッテリは共通のメーカーから調達を行なっており、再配置やバッテリ交換を連携することでさらにオペレーションの最適化・効率化を進められるという。
今回の提携はあくまでポートの共同利用で、それ以上については決まった予定はないとのことだが、今後将来的には、互いのアプリで互いの自転車を予約できるようになったり、料金体系を見直したりといった展開も視野に入っているという。