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【ハワイ現地発】ワイキキ横丁跡地にアジア料理をとことん味わうフードホールが登場!

カラカウア通り側の入り口からはエスカレーターで降りられる

 今月のハワイの話題といえば、ワイキキにグランドオープンした「STIX ASIA(スティックス アジア)」(2250 Kalakaua Ave Lower Level 100, Honolulu)だろう。カラカウア通り沿いにあるワイキキショッピングプラザの地下が丸ごとアジアンなフードホールとなった。

 オープニングセレモニーは、入り口前にマイレの葉のレイがかけられ、ハワイの聖職者による祈祷と宮司によるお祓いというミックスカルチャーのハワイらしいスタイルで執り行なわれた。

報道陣に囲まれるなか、神聖なセレモニーが行なわれた

 この場所は、パンデミック前には日本食をコンセプトとした「ワイキキ横丁」だったところで、このたびアジアの食に特化したフードホールに生まれ変わった。17の店舗が集結し、日本、中国、台湾、韓国、シンガポールなどの食と文化を体験することができる。

ビル内から地下へ降りる入り口もある
「STIX ASIA」と書かれた大きな提灯

 この日はメディア向け試食イベントで、さっそくフロアガイドをチェックしてぐるりと歩いてみた。地下に位置することや、照明が明るく全体がスッキリしている感じは、ハワイではめずらしくほかにない新鮮さを感じた。

全17店が軒を連ねている
シンプルで凛とした雰囲気が心地よい

 中国の旧正月という季節柄、獅子舞が館内を練り歩き、太鼓演奏とともにオープンを祝った。

獅子舞は「ライオンダンス」と呼ばれ、ハワイでもなじみあるめでたい慣習の一つ

 ホールの中心に位置しているのが「上海バー」。アジアンフュージョンバーで、革新的なカクテルのほか、生ビールはもちろん、ウィスキーやバーボン、テキーラ、ウォッカ、日本酒、焼酎なども揃っている。

カウンター席。路地裏のバーのように気軽に飲める雰囲気
テーブル席もあるので、落ち着いて飲むこともできる

 バーの向かいあるのは「うどん やま」。讃岐うどんの店で、香川県のある有名な家族直伝のレシピで作っているのだそう。

店内ではうどんを打っているところを見ることができる

 肉うどんを試食させてもらったが、麺はしっかりコシがありながらもツルッとした食感。煮干し、昆布、醤油などで作る自家製の出汁も味のバランスが素晴らしかった。人種を問わず、試食した人のほとんどが「美味しい!」と絶賛していた。

かけうどんはハワイでは激安の5.95ドル
手際よく湯ぎりをして出汁をかけて出してくれる

 その隣は寿司店「すし まつり(瀬戸の祭)」。新鮮な魚介類と地元の食材を使用したにぎりや巻き寿司が手頃な価格で食べられる。

寿司を気軽に食べられるので欧米からの観光客にも人気が出るだろう

 値段は一皿25ドルくらいから。日本人の寿司職人が握っていて、マグロ(ハワイではアヒと呼ぶ)はかなり新鮮だった。「選び抜いた」というキングサーモンも脂がのっていて、これもみんなが満足していた。

ほどよく脂がのったネタとシャリのバランスもよかった
節分だったこの日は生のサーモンが入った恵方巻きが振る舞われた

 次は韓国へ。「K ストリート フード ワイキキ」は、伝統的な韓国のストリートフードメニューが揃う。

人気のストリートフードの一つコーンドッグ
さつま揚げにも味が染みているトッポッキ

 トッポッキやコーンドッグ、ハワイで話題の韓国フライドチキンなどが並ぶ。もっちりした食感がたまらないトッポッキはかなり辛め。ビールと好相性で一皿と一杯だけで十分満たされた。この気軽さはハワイでは貴重に思う。

 その並びは「Nabe Aina」という、特製黄金スープが自慢の「パンパシフィック鍋料理」の店。キムチ鍋、トムヤム鍋、マーラ鍋、味噌鍋、海鮮豆腐鍋など、個性豊かなアジアの鍋を食べられる。

和州牛をその場で切って鍋に入れてサーブしてくれた
鍋は各33.99ドル。暑いハワイでも鍋は人気料理の一つ

 サシがほどよく入った和州牛が味わい深かった。和州牛とは、和牛とアメリカのブラックアンガス牛を掛け合わせ、アメリカ牛の肉質を和牛に近づけた肉。和牛よりリーズナブルなのでハワイでは重宝されている。

 あっさり派なら、ロコに愛されてきたそばとうどんの店「心玄」へ。北海道から取り寄せる新鮮なそば粉を使用する自家製麺は、上品で香り高い。

ハワイで有名な店。若き社長がやりくりしている
五感で堪能できる自家製そばと薄紅うどん

 お勧めは、ハワイではスイーツで大人気のウベ(芋)の粉を生地に練り込んだオリジナルの薄紅うどん。鮮やかでつるんとした食感の逸品。麺類以外にもポケや天ぷらなどの一品料理もあるほか、麺類とミニ丼のセットはディナーでも21ドルくらいと良心的な価格。

 奥には「ヌードルストリート」エリアがあり、4軒のラーメン店が並ぶ。

麺好きなら「ヌードルストリート」へ
壁に掲げられたラーメンマップで各地の味のおさらいもできる

 ミシュランガイドにも名を連ねる北海道旭川発祥のラーメンの名店「梅光軒」。醤油バターコーンがローカルの一番人気メニューだが、今回は店長イチ押しの生姜ラーメンにチャレンジしたらビンゴだった。生姜の香りとピリリとしたアクセントが絶妙の限定メニュー。

梅光軒は「ワイキキ横丁」時代とまったく同じ場所に再オープンした

 豚骨がどこまでもまろやかに甘く上品なスープとなった神戸豚骨ラーメン「賀正軒」。とことんこだわった職人技が光る店で、最後の一滴まで飲めるスープだった。

チャーシューにのった辛みをときながら食べるとアクセントになる

 一番奥に位置するのが「ホノルル ヌードル&カンパニー」。西洋とハワイの風味をブレンドした台湾料理で、オリジナリティあふれる味を楽しめる。

独特なスパイスが効いた麺などハワイならではの味を楽しめる

 最後に「なんとしてもデザートを食べなくては」と向かったのは、「カフェ ナラ」というアイランドスタイルのカフェ。好きなジェラートを選ぶと、クロワッサンとワッフルのハイブリッドの「クロッフル」を焼いて、その上にポンとのせて、たっぷりハチミツをかけてくれる。ベーグル、アサイボウル、ボバティー、自家製コーヒーなども幅広いカフェメニューが揃っている。

散々迷った挙げ句にハワイの原点、マンゴーをチョイス。正解だった!
クロッフルはもっちりしていて甘い&うまい。甘党にお勧め

 ジェラートだけで勝負しているのは「アオ ジェラート」。 トロピカルフルーツとプレミアム ティーなどの素材を使った自家製ジェラート店。ハワイらしいリリコイやハワイアンハニーレモンなどのほか、チャイやアールグレイなどのフレーバーがあった。

お勧めは「抹茶」とのこと。抹茶はロコが大好きなフレーバーの一つ
抹茶の品のある色合い、香り、味わいともにパーフェクトだった

 お隣の「ナナズグリーンティー」は、抹茶ベースのラテやパフェで横丁時代も大人気だったカフェ。

個人的な超イチ押しは、ほうじ茶アイスにあずきトッピング

 このほか、有機米を使用した香ばしいおむすびを販売する「ななむすび」、まもなくオープンする豚骨ラーメン「ラーメン暁月」、日本の天ぷら「天ぷらKiKi(喜々)」、東南アジア料理「Tangmi」、そして鰻料理「love&eel」など、毎日通っても味わい尽くせないほどのバラエティーあふれる顔ぶれが揃う。

近々オープン予定の東南アジア料理の「Tangmi」
こちらも開店に期待大の鰻料理の「love&eel」

 CEOのフランククラークさんは、この新しいスポットについて 「食事をしながらアジアの文化に触れられる環境となり、その歴史やルーツを興味深く学ぶきっかけになったらうれしい」と語ってくれた。

日本食に造詣が深く、日本語も堪能なクラークさん。アジアの文化を尊重してこのフードホールを推進した
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。