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東急百貨店、「渋谷 東急フードショー」グランドオープンで渋谷に年間売上250億円の「食の一大マーケット」完成へ

2021年7月10日 グランドオープン

「渋谷 東急フードショー」について説明する株式会社東急百貨店 食品統括部 第一食品部 部長 薮崎崇氏

 東急百貨店は7月10日、「渋谷マークシティ1階・地下1階」および「しぶちか」に「渋谷 東急フードショー」をグランドオープンする。すでに一部エリアは先行してオープンしているが、しぶちかエリアのデリゾーンなどをオープンすることで、新しい東急フードショーのすべてのエリアがオープンすることになる。

 これに先立つ7月8日、東急百貨店はグランドオープンする「渋谷 東急フードショー」の説明会を実施。東急百貨店 食品統括部 第一食品部 部長 薮崎崇氏がその概要を説明した。

7月10日にグランドオープンする「渋谷 東急フードショー」

「食の一大マーケット」の完成へ

 薮崎氏は、まず渋谷における東急百貨店の歩みについて説明。最初に開店したのは1934年の東横百貨店(その後、東急百貨店 東横店)で、東横線 渋谷~桜木町間全線開通の2年後になるという。その後、東急百貨店本店が1967年に開店。近年の渋谷再開発により、2012年に渋谷ヒカリエShinQsを、2019年に+Q(プラスク)を開店してきた。

 食の取り組みに関しては、1951年に銀座などの名店15店舗を集めた「東横のれん街)を開店。2000年にはデパ地下ブームの火付け役となった「東急フードショー」を開店してきた。

 薮崎氏は、こうした食の実績をベースに「今後も手を止めることなく、これらの食品の強みを拡大強化していくために、渋谷開発と連携し、食の一大マーケット完成へと向けた、駅周辺での3つの食品フロアの出店・改装計画を進めてまいりました」と、新たな取り組みについて紹介。

 その第1弾が渋谷スクランブルスクエアに入る「東急フードショーエッジ」、第2弾が渋谷ヒカリエ ShinQsに入る「東横のれん街」、そして第3弾となり最終版となるのが7月10日にグランドオープンする「渋谷 東急フードショー」。この東急フードショーは、マークシティの1階・地下1階、しぶちかと渋谷駅中心部に広がり、半蔵門線・田園都市線やJR、井の頭線を普段使いしている人にはとくに便利に利用できる場所にある。

 薮崎氏によると改装のテーマは「渋谷ローカル」とのことで、「従来から渋谷駅を日常的に利用している多くのお客さまに支えられた東急フードショーを改めてマイストアとしてご認知いただくために、この渋谷を中心とした首都圏や東急線沿線エリアを1つのローカルエリアと位置づけ」ていくという。

「東急フードショーエッジ」(約40ショップ、1640平方メートル)「東横のれん街」(約100ショップ、2000平方メートル)「渋谷 東急フードショー」(約100ショップ、6070平方メートル)の3施設の完成により、東急百貨店は渋谷駅地区で約240ショップ、1万平方メートルの規模で食の一大マーケットを展開していく。これらにより年間約250億円の売上を見通していくとした。

新しい時代に対応してモバイルオーダーも開始

モバイルオーダーアプリについて

 薮崎氏は、新しい時代に対応してモバイルオーダーも開始するという。2021年中は試験運用となるが、1つのアプリでデリバリーとBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)に対応。まずは「東急フードショーエッジ」と「東横のれん街」で8月に先行スタートし、「渋谷 東急フードショー」は今秋スタートする。

 デリバリーエリアについての質問が出たが、「周辺2km~3km」(薮崎氏)とまだ決まっていないという。どちらかというと外部との連携など調整事項の多いデリバリーより、オーダーしてのピックアップであるBOPIS需要を狙っているようにも見えた。

 渋谷地区には多くの人も住んでいるが、IT企業などオフィス需要も強く、休み時間を無駄にしたくない人にとってモバイルオーダーなどは魅力的なサービスに映るだろう。とくにそれが定評のある「東急フードショーエッジ」「東横のれん街」「渋谷 東急フードショー」であれば一度は利用してみたいものと言える。8月から実験サービスが始まるとのことだが、渋谷の食の充実と合わせてサービスの内容にも期待したい。

しぶちかエリアにオープンしたデリゾーン