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JR東日本、小海線に無線式列車制御システム導入

2020年3月10日 発表

小海線に導入する無線式列車制御システムの概要

 JR東日本(東日本旅客鉄道)は、4月20日から小海線の小淵沢駅~小諸駅間の約79kmに新しい閉そく方式・列車制御方式を採用した無線式列車制御システムを導入すると発表した。

 現行のシステムでは、運転士が列車内のスイッチを操作することで信号機を制御する「閉そく方式」が使用されている。また、「列車制御方式」は、地上子とケーブル類で構成され、多くの地上設備を設ける必要がある。

 今回導入される無線式列車制御システムでは、列車と地上設備を無線通信させることで、地上設備をスリム化するとともに、閉そく方式・列車制御方式の機能向上が図られている。

 同社によれば、現行システムでは、線路上に設置された地上子から信号機の条件に応じた非常ブレーキなどの情報を伝送しているが、新システムでは、信号機の条件を無線で伝送することで列車自らが速度照査パターンを作り、パターンを超えた場合に自動的にブレーキ制御を行なう。

 また、現行システムでは、運転士のスイッチ操作で信号機の制御を行なっているが、新システムでは、ダイヤに基づいて自動で信号機の制御を行なう装置が採用されており、指令からの列車の運行管理を可能にしている。

 無線化することで、各駅に分散して設置する必要があった連動装置を1か所に集約することが可能になり、設備に起因する故障リスクの低減にもつながるという。

 これにより、同社では、安全・安定輸送のさらなる向上が期待できるとしている。

無線を活用した自動列車停止機能