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瀬戸大橋開通30周年記念式典が与島PAで開催。STU48やブルーインパルスが祝福

岡山県/香川県知事やJB本四高速社長があいさつ

2018年4月8日 開催

2018年4月10日に開通30周年を迎える瀬戸大橋

 1988年4月10日に開通し、2018年4月10日で開通30周年を迎える瀬戸大橋。その瀬戸大橋が通る与島の瀬戸中央自動車道 与島PA(パーキングエリア)において、記念式典が4月8日に開催された。当日は寒の戻りで肌寒かったものの、澄みきった青空のもと、地元選出の国会議員や県会議員など来賓143名を含む約550名が参加して式典は行なわれた。

 式典では、主催者を代表して岡山県知事の伊原木隆太氏、香川県知事の浜田恵造氏、JB本四高速(本州四国連絡高速道路)代表取締役社長の三原修二氏がそれぞれ次のようにあいさつを行なった。

瀬戸中央自動車道 与島PAで、瀬戸大橋開通30周年記念会式典を開催

 岡山県知事の伊原木氏は、「瀬戸大橋は、1998年4月に本州と四国を結ぶ道路・鉄道併用橋として開通して以来、本州と四国間の交流を支える基幹ネットワークとして大きな役割を果たしてまいりました。現在本州と四国は、この瀬戸大橋を結ぶ3つのルートで結ばれていますが、そのなかにあっても瀬戸大橋は、唯一の鉄道併用橋として社会、経済活動や新たな観光ルートの創造に欠くことのできない主要な社会基盤として、その役割はますます重要なものとなっています。

 昨年12月には、国際記念物遺跡会議(ICOMS)の国内委員会において、後世に残したい『日本の20世紀遺産』20選に選定されるなど、瀬戸大橋に新たな魅力が生まれました。美しい瀬戸内海の風景と見事に調和した瀬戸大橋には、観光資源として、さらに大きな役割を担う可能性があると確信しています。

 現在、瀬戸内の魅力を国内外に発信し、新たな観光需要の創造に取り組むため、瀬戸内海を囲む7県が一体となって観光による地域活性化を進めています。岡山県としても、こうした取り組みと連携し、橋でつながる瀬戸内の各地域と幅広い分野で交流・連携を強化し、地域全体の魅力向上が図られるよう、全力で取り組んでまいります」と話した。

岡山県知事 伊原木隆太氏

 香川県知事の浜田氏は、「香川県はもとより、四国の人々の長年の夢、そして悲願でもありました瀬戸大橋が昭和63年に開通してから、はや30周年という記念すべき節目の年を迎えましたことは、まことに喜ばしいことであります。

 この間、瀬戸大橋は四国と本州を結ぶ社会・経済活動に不可欠な交通基盤として重要な役割を担い、本州四国間の年間輸送人員が約2300万人に達するなど、交通・運輸をはじめ、経済・観光・文化など幅広い分野で交流を飛躍的に拡大させ、中国・四国地方の発展に大きく寄与してまいりました。また、世界遺産の登録に重要な役割を果たしているICOMSの国内委員会から、日本の20世紀遺産20選に選定され、世界の宝石とも称される瀬戸内海とともに、香川県の重要な観光資源になったと認識しております。

 瀬戸内海の風景と見事に調和した瀬戸大橋の雄大かつ優美な姿を目の当たりにし、改めて橋のもたらす大きな恩恵に思いを巡らせています。世紀の大事業を成し遂げた多くの先人、関係者の皆さまの尽力に心より敬意を表わしたいと思います。そして香川県は、この開通30周年を契機に、瀬戸大橋の利用が一層進み、四国と本州の交流・連携がさらに深まるよう、さまざまな事業を実施しますとともに、多彩な催しを実施してまいります。

 ご案内のとおり、瀬戸大橋は新幹線規格で整備されており、既存インフラの有効活用や本州と四国のより一層の交流人口の拡大、災害時の対応といった観点からも、この瀬戸大橋を通るルートによる四国の新幹線を1日も早く実現することが必要と考えます。今後とも、四国の新幹線実現に向けた活動を、より一層強化し、この本四架橋の効果を最大限に活かして行きたいと考えています」と述べた。

香川県知事 浜田恵造氏

 JB本四高速 代表取締役社長の三原氏は、「瀬戸中央自動車道は、本州と四国を陸路で直結する最初のルートとして、およそ9年半の歳月をかけて昭和63年4月に開通しました。瀬戸大橋の建設は、強い潮流のもとでの海中基礎の建設のための『設置ケーソン工法』をはじめ、道路鉄道併用橋として重量の大きい列車の高速連続走行に対応するための緩衝桁や、特殊な軌道伸縮装置など、画期的な新技術が用いられました。昨年末には、ICOMS国内委員会により、橋技術のシンボルとして、日本の20世紀遺産20選に選定されました。当社としましても大変名誉に感じております。

 瀬戸大橋は、人と物の流れを劇的に変え、社会にきわめて大きなインパクトを与えております。交通量も年々増加しており、昨年度瀬戸大橋を利用されたクルマの台数は年間822万台と4年連続で過去最高を更新しています。また、岡山香川県間の通勤・通学者は、開通前と比較して約3.4倍と大きく増えております。昨年7月には、坂出北ICのフルインター化が新規事業として採択され、整備に着手することとなりました。これによって、四国における人や物の交流の玄関口としての機能が充実することとなり、地域経済の発展につながるものと期待しております。

 今や瀬戸大橋は、生活、物流、観光などさまざまな面で交通の大動脈として、瀬戸内地区になくてはならないものとなっています。そのため、本四高速道路を安全・安心・快適にご利用いただくとともに、200年以上、さらには未来永劫にわたってご利用いただけるよう、予防保全を基本としたアセットマネジメントに挑戦しております。また、さらなる利用促進のため、環境省やJR四国とパートナーシップ協定を締結するなど、瀬戸内地域の魅力発信に取り組んでまいります」とあいさつした。

本州四国連絡高速道路株式会社 代表取締役社長 三原修二氏

 また、瀬戸大橋や瀬戸内のさらなる発展を願い、これからの未来を担う若い世代の代表として、瀬戸内で活動する「STU48」の岡山県、香川県出身メンバーによって共同宣言が採択された。

 STU48は、2017年3月に誕生し、瀬戸内エリアを本拠地としたAKBグループ初の広域アイドルグループだ。参加したのは、岡山県出身の菅原早記さんと藤原あずささん、香川県出身の榊美優さんと福田朱里さんの4名で、それぞれが瀬戸大橋への思いを発表。そして、浜田香川県知事、伊原木岡山県知事、本四高速の三原氏らとともに、記念のパネルを手に共同宣言を採択した。

若い世代の代表として共同宣言を行なった、アイドルグループ「STU48」の岡山県、香川県出身メンバー4名。左から岡山県出身の菅原早記さんと藤原あずささん、香川県出身の榊美優さんと福田朱里さん
岡山県出身の菅原早記さん。趣味が瀬戸大橋のたもとで釣りをすることで、海から見る雄大な瀬戸大橋が大好きとのこと。「岡山県民として瀬戸大橋の魅力をたくさんの方に発信していきたい」と語った
岡山県出身の藤原あずささん。藤原さん自身、昔から瀬戸大橋をよく利用しているそうで、瀬戸大橋を「たくさんの人に利用してもらいたい」と語った
香川県出身の榊美優さん。「大好きな香川県と本州を身近にしてくれた瀬戸大橋を渡って香川県に足を運んでもらえるように、瀬戸大橋の素晴らしさを伝えていきたい」と語った
香川県出身の福田朱里さん。生まれる前からある瀬戸大橋が、10年近い期間をかけて30年前に開通したことを知って、瀬戸大橋がもっともっと好きになったという。「瀬戸大橋の魅力をいろんな人に伝えられるように、自分からどんどん発信していきたい」と語った
STU48メンバー4名と主催者代表3名が参加し、共同宣言を採択
主催者や地元選出国会議員などが参加し、くす玉を開披

 このほかに式典では、瀬戸大橋開通30周年を記念して開催された絵画コンクールの授賞式や、岡山県と香川県の伝統芸能が披露された。このうち絵画コンクールは、岡山、香川県内に在住、在学の小中学生を対象に、瀬戸大橋をテーマとした絵画を募集。1444点の応募のなかから、小学生の部、中学生の部それぞれに入選作品が選出され、記念式典内で表彰するとともに、与島PA内に受賞作品が展示された。

 式典当日の与島PAでは、PA内の売店で特産品を通常の半額で販売したり、記念メニューを提供。また、STU48などのアーティストが参加する音楽フェスティバルも開催された。さらに、航空自衛隊所属のアクロバットチーム「ブルーインパルス」が瀬戸大橋周辺に飛来し、開通30周年の祝賀飛行を実施するなど、さまざまなイベントが開催され、与島PAは終日大勢の観光客でにぎわった。

瀬戸大橋開通30周年を記念して開催された絵画コンクールの授賞式では、入選者に表彰状や副賞が授与された
与島PA内に絵画コンクールの入選作品を展示
岡山県の郷土芸能「鴻八幡宮祭ばやし(じゃぎり)」
香川県の郷土芸能「鴨川福神太鼓」
海上自衛隊呉音楽隊による演奏も行なわれた
瀬戸大橋開通30周年を記念した音楽フェスティバルも開催
音楽フェスティバルには、STU48などの有名アーティストが参加し、会場を大いに盛り上げた
式典に合わせブルーインパルスが飛来し、瀬戸大橋周辺で祝賀飛行を行なった
与島PAや瀬戸大橋周辺でさまざまなイベントが開催され、大勢の観光客でにぎわった