ニュース
アルメックスとand factory、小~中規模の簡易宿所・民泊向け宿泊管理システム「innto」発表会見
2018年1月26日 12:30
- 2018年1月25日 発表
USEN-NEXTグループのアルメックスと、スマートフォンアプリなどを手掛けるand factoryは1月25日、共同で記者会見を開き、簡易宿所や民泊向けの宿泊管理システム「innto(イントゥー)」の説明を行なった。
アルメックスは自動精算機や客室向けテレビシステムなどで実績があり、and factoryはソフトウェア開発を行なう一方、各種IoTデバイスを備えたスマートホステル「&AND HOSTEL(アンドホステル)」を2016年から運営しており、inntoはアルメックスが顧客への販売とサポートを、and factoryがシステム開発と運用を担当する。
宿泊管理システム(PMS:Property Management System)とは、ホテルや旅館などの宿泊施設が予約や空室状況、顧客情報、チェックイン/アウト処理、料金精算などを管理するもので、中~大規模の宿泊施設にはほぼ例外なく導入されているものの、カプセルホテルやホステルなど小~中規模の宿泊施設では、紙の台帳を使っていたり、Excelを手作業で更新していたりする場合が多いという。また、PMSを導入していても、中~大規模向けのシステムでは機能が過剰になり、使いにくくなってしまう。
2016年8月から「&AND HOSTEL」を展開するand factoryは、社外のPMSを利用してホステルを運営するなかで、簡易宿所や民泊施設により特化した、シンプルで使いやすいUIを備えたPMSを自社開発するに至ったという。
会見会場になったのは、1月20日にプレオープンしたばかりの「&AND HOSTEL AKIHABARA(アンドホステル秋葉原)」(東京都千代田区神田佐久間町)で、&AND HOSTELブランドの4軒目にあたる。なお、プレオープン段階ではIoTデバイスが装備されておらず、2月15日のグランドオープン時までに導入していくという。
会見では、アルメックス 代表取締役社長の馬淵将平氏が、年間3000万人に迫る訪日外国人観光客を迎えるなか、宿泊施設の供給数不足を背景に簡易宿所の成長が見込まれているが、人手不足や従来のPMSの複雑さから、小~中規模施設に特化したPMSの開発が急務であったと述べ、and factory 代表取締役 CEOの小原崇幹氏も、結果とスピードを重視して開発を行なっているとして、カプセルホテルやホステルを取り巻く現況を説明した。
両社が共同開発したPMS「innto」は、こうした市場背景と、減少する旅館、横ばいのホテルに対して毎年約500軒以上のペースで増加している簡易宿所をターゲットに設定し、独自のヒアリングなどを経て潜在需要を見きわめてきたという。
inntoの主な機能は、チェックイン/アウトや部屋のアサイン、料金精算などの「フロント業務」、部屋のステータスや清掃状況を把握するための「客室管理」、宿泊予約や変更、検索などの「予約管理」、予約/宿泊客の情報をまとめる「顧客管理」、売り上げや稼働状況を管理する「帳票」の5つ。
会見では「導入のしやすさ」をアドバンテージとして挙げており、施設側でPCなどを用意した場合、導入コストはゼロ円。月額利用料は1床(ベッド)あたり199円の従量課金制とした(最低利用料金は月5980円から。30室以下の場合)。
また、スマートフォンアプリを手掛けるand factoryならではの点として、inntoはシステムを宿泊施設内に持つオンプレミスではなく、クラウドベースで管理でき、支配人などが現場にいなくても宿泊状況などを把握できることも強みとして挙げた。
inntoは現在アルファ版で、1月から2月にかけて&AND HOSTEL AKIHABARAで試験運用し、並行してベータ版を1月~3月に外部の施設でトライアル運用、3月から提供を開始する。また、アップデートも随時行なっていくとした。
今後の展開としては、自社Webサイトを持たない小~中規模の施設のための簡易サイト作成機能や予約システムの搭載、複数の宿泊予約サービスに対応するためのサイトコントローラの実装、スタッフの勤怠管理、データ分析、レベニューマネジメントなどを検討しているそうで、両社が得意とする自動精算機やカード発行機、IoTデバイスとの連動も視野に入れているという。