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スクート、全定期便でボーイング 787型機を導入。成田で記念セレモニー

運賃50%OFFの「787就航記念特別価格チケット」を9月6日23時59分まで発売

2015年9月3日 開催

成田空港に到着したTZ202便

 シンガポール航空が100%出資する格安航空会社(LCC)であるスクートは、9月3日、成田~台北経由シンガポール線にボーイング 787型機(以下、B787)を投入。運行する路線すべてがB787となる世界初のエアラインとなり、成田空港73番搭乗口において787就航セレモニーが開催された。

 スクートは中長距離に特化したLCCで、2011年に創立しシンガポール・チャンギ国際空港を拠点に7か国、15都市を結んでいる。現在の保有機材は787-9型機(座席数375席)が6機、787-8型機(座席数335席)が1機だが、それぞれ10機ずつを発注しており、2015年末までには10機体制とする予定。日本発着の国際線は成田~台北(桃園)~シンガポール、関空(関西国際空港)~高雄またはバンコク(ドンムアン)~シンガポールの2路線。どちらも座席数が多い787-9型機が使用されている。なお、これまで使用されていたボーイング777-200型機は、しばらくチャーター便などに使用されたのち退役する予定だという。

特別塗装機ではなく通常カラーの機材
ルーフ中央にWi-Fiのアンテナが見える
折り返し11時55分発となるTZ201便のクルー

 また、これを記念し「787就航記念特別価格チケット」を9月6日まで同社サイトで販売する。割引率はエコノミー、プレミアムシートとなる「スクートビズ」ともに50%OFF。販売期間は9月3日 0時~9月6日 23時59分となっており、搭乗期間は2015年9月3日~2015年12月20日に設定されている。

 セレモニーには主催者としてスクート シンガポール本社 営業本部長 スティーブン・グリーンウェイ氏、同 日本・韓国支社長 坪川成樹氏が、また来賓として国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏、成田国際空港 常務取締役 林田秀喜氏が出席した。

スクート シンガポール本社 営業本部長 スティーブン・グリーンウェイ氏

 スティーブン・グリーンウェイ氏は「世界でもっとも有名な都市のひとつである東京、そしてその玄関口である、成田空港へ再び戻ってくる機会をいただけましたことをとても嬉しく思っています。我々スクートがシンガポールから台北経由の成田空港路線をスタートしたのはおよそ3年前のことでした。おかげさまで3年間の平均搭乗率は85%以上、約75万人ものお客様にご登場いただく人気路線となることができました

 本日、皆様と一緒にこの場で特別に大きなふたつのニュースをお祝いさせていただきたいと思います。ひとつ目は成田へのボーイング787型機の就航です。そしてふたつ目は、スクートが世界の全路線をボーイング787型機で運航する、世界初の航空会社となったということです

 スクートは7か月で、世界の路線を運行する機体をボーイング787ドリームライナーに切り替えました。本日よりスクートは787ドリームライナーで運航することにより、座り心地の良い座席、ストリーム配信の動画サービス、インターネット、座席電源、大きい窓からの素晴らしい眺め、より快適な気圧と空調、大きな荷物用収納スペース、静かなエンジン音などをどの路線においてもご提供し、快適な空の旅を実現します。この787ドリームライナーで、スクートはLCCながら世界最高級レベルのサービスを低価格で皆様にご提供する航空会社としてLCCという概念を変えていきます」と挨拶した。また、LCCながら最新鋭のB787を使用する点については乗務員の削減、燃費の向上(約20%)など、エアライン側にも大きなメリットがあると説明した。

国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏

 来賓としてスピーチを行った成田国際空港長 木村氏は「スクート社は2012年10月から成田空港に就航しておりますが、今回最新機種でございますがボーイング787型機により運航されることになりました。787型機はボーイング機でございますけれども、国際共同事業で開発される飛行機でございまして、日本企業も製造には多数参加しております。分担比率はおよそ35%で純国産機といってもいいような飛行機だと思います。最新技術も多数盛り込まれておりまして低燃費、低騒音ということで大変環境に優しい航空機でございますし、従来の飛行機とは異なりまして機内の気圧や湿度も地上とあま差がなく、お客様にとっても快適な環境で移動できる素晴らしい飛行機だと思います

 2014年には日本とシンガポールの交流は、日本人は年間82万に訪れておりますし、台湾には163万人の方が訪れています。シンガポールからは23万人、台湾からは283万人の人々が日本を訪れています」と説明。加えて「成田空港におきましては。年間発着回数30万回化、第3ターミナルの供用開始といったことを行なってきております。東京オリンピック、パラリンピック開催を視野に入れながら、空港機能の拡充に向け関係者と鋭意取り組んでいるところでございます」と、利用客の増加を目指した空港側のアプローチも紹介。最後に今回の787型機の就航により空の旅がますます快適になり、さらに多くの人々の交流が生まれることを期待したいと語り、スピーチを締めくくった。

テープカットを実施
CA(客室乗務員)とともに記念撮影
国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏、成田国際空港 常務取締役 林田秀喜氏にはスクートカラーのモデルプレーンが贈呈された
セレモニーが行われた73番搭乗口
セレモニー終了後、304名の乗客がTZ201便に乗り込んだ。女性比率が高いように見受けられた
出発を待つTZ201便

(安田 剛)